【詩】異星人

世界の真理を語るすべてのひとに「いや、あんた誰?」と言わずにはいられないぼくはきっと異星人、けれどもその言葉で、空気中は酸素や二酸化炭素に紛れて、たくさんのあんた誰?で溢れて返っていて、そのままみんなみんな窒息してしまえばいいと思った、教祖にでもなったつもりかよ、神様にでもなったつもりかよ、そう毒を吐いた瞬間に、きみたちが一斉に消えてしまえばいいと思った、正しさなんて所詮ただの権力だからさっさと死んでしまえ、綺麗なもの以外価値なんてないからみんなみんな死んでしまえ、きみもぼくも等しく塵って、さっさと言ってくれ、だってきみたちは世界の真理をよく知ってるのだから、宝石に目を奪われてばかりいるきみたちに、あなたは綺麗だよだなんて死んでも言われたくないよ、ぼくは。そんな思想が肥大して、腐敗してゆく、どうしようもなく綺麗じゃない、ぼくは異星人。

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