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いつも心に「デヴィ夫人」を

最近「自己肯定感」系の記事や本をよく目にする。

実際にいろんな人と接していても、

「この人タフそうだけど実は自信ないんだろうな」

と思うことがよくある。

私はパートで受付事務の仕事をしているのだが、お得意さんで「その筋の方」風の怖そうなオジサマがいる。態度も声もでかく、豪快そのもの。土建屋の社長だからなおさら。でもね。右手にパワーストーンブレスレットを二つもはめているのを見て、見方が変わった。実は不安で自信がないんだ。だから強そうに見せてるのね。せわしない貧乏ゆすりもそのせいか。怖いヒグマだと思っていたオジサマがいっきにオドオドしているミッキーマウスに見え、いじらしくなってしまった。


そういう私だって自己肯定感は低い。年を取ると図太くなって自信満々になると思うでしょ?そんな人もいるけど、実際は遠慮がちになっていく人の方が多い。

先日も同級生の親友が、

「職場にいると若い人を立てなきゃ、自分は脇役でいなきゃ、って思うのよ。年寄りは後進に道を譲って、おとなしくしてないと、って。そんなこと考えると、言いたいことも言えずにどんどん卑屈になっていくの。いやになっちゃう」

と、ため息混じりにこぼしていたっけ。うんうん、わかるなあ。年を取り若い時ほど動けなくなっていく自分が社会のお邪魔虫に思えて、遠慮と謙遜を重ねるうちに卑屈になっていく。そして自分が大嫌いになる。自己肯定感なんかあったもんじゃない。自信満々なオジサマ、オバサマも、低い自己肯定感を抱えつつカラ元気を見せているのだ。パワーストーンブレスレットを二つもはめている土建屋の社長のように。


そんなことを思っていた矢先に、ネットで面白い言葉に出会った。

結構あちこちで出回っているようなので既にご存知の方がいるかもしれないが、自己肯定感の無さに悩んでいる方にぜひ知ってもらいたい。

それは、

「いつも心にデヴィ夫人を」。

読んだ瞬間、思わず吹き出してしまった。

いいねー。デヴィ夫人!こんな人が心にいたら何て心強いことだろう。

見せかけではない本物の自信に満ち、そのために常に自分をブラッシュアップし、自己研鑽を重ねているデヴィ夫人。と書くと、努力する自分しか認められないのかと勘違いしそうだけど、生きてるだけの、何も取り柄がない自分でも素晴らしいと思える。きっとデヴィ夫人なら、たとえ病気で寝たきりの状態になっても卑屈になることがなく、

「あーた。お水が飲みたいから持って来てちょうだい。冷たいエビアンじゃなきゃイヤよ。水道のお水なんて許しませんからね」

って、あの毅然とした態度で言いそう。頼まれた方は「スミマセン」ってペコペコ謝って。想像しただけで笑える。


さっそく私は職場で応用してみた。

私の上司はものの言い方が荒くパワハラっぽい。年上ってこともあり、言い返すと喧嘩になってしまうので、つい「すみません」と卑屈になってしまう。がっ!そこで「心にデヴィ夫人を」だ。

「あーた、本当にダメな人ね。そんな言い方で部下が動くと思ってらっしゃるの?上に立つ器がない典型的なタイプね。ま、ワタクシの寛大さに免じて、<一応>すみませんって謝っておいてあげるわ」

と心の中でつぶやいてみた。もうそれだけで吹き出しそうになってしまった。ゴージャスに着飾り、ウン億円の宝石をまとい、あの美貌で堂々と語るデヴイ夫人が心にいるだけでいろんなことが許せてしまう。嫌な人には超・上から目線、トドメは神様目線で見るといいと聞いたことがあるが、デヴィ夫人もそうなのだろう。こんな心強い味方が心に住んでいてくれれば自己肯定感いっきに上昇!卑屈になりようがない。

あの土建屋の社長にも教えてあげたい。心にオドオドしたミッキーマウスより、デヴィ夫人を!パワーストーンブレスレットより勇気をくれること間違いなし。

さあ、あなたも心にゴージャスなお部屋を作り、デヴィ夫人をお迎えしませんか?

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