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「射精責任」 武田砂鉄✕村井理子

下北沢B&Bで「射精責任 ガブリエル・ブレア著 村井理子訳」のトークライブに行った。

武田砂鉄と村井理子の対談だ。

「望まない妊娠の99%が男性に原因があります」

確かにそうだ。

私もあれだけ気をつけていたのに、元夫のせいで第二子を妊娠した。

モラハラ男だったので、わざとやった可能性もある。

やっと第一子の産休から復帰して順調だったのに。


村井「日本では10代20代の若い女性より、40才以上の女性の方が人工中絶数がとても多い。

40代以上って旦那さんやパートナーがいるのに中絶しなければいけない、それだけ男性が避妊を考えていないって事ですよね。


今回この本を出版したことで『脚を開く女の責任は?』というリプライがとても多かった」


砂鉄「タイトル見ただけで本なんか読まない癖に、そこまで脊髄反射でツイートするなんて凄いですねー」


村井「とても苦しかったんでしょうね。射精はするけど責任取らされるなんて❗️と怖くなってしまったんでしょうね」

砂鉄「責任はー…取るべきでしょう…。
あ、まーー、取りたくないんでしょうねー…

自分の高校時代を振り返ってみると、AVとかで誤った知識を持ってしまって、それに先輩とか友達とかから又誤った知識を聞いて、上塗りをしていたと思います。

でも大人になって恋人やいろんな人と付き合っていくうちに
『あれは間違ってたんだ』と修正して行くんですが、
もしあのままだったら大変なことになっていたと…

かといって大人になって30代40代になった時、射精のこと話すかっていうと話さないですからね!

あの思春期の知識のまま歳とってしまったら、怖いなと思いますね」


村井「今の学校の性教育は、結構避妊とかも教えているみたいですよ。
うちの子の話ですけど」

砂鉄「昔雑誌が元気だった頃、包茎は恥ずかしいという広告宣伝が必ず載っていて、知識のない少年たちが洗脳されて包茎手術の一大ブームになりました。
あれはすごかったですよ。

それだけ広告宣伝の力って強いんですよね。

僕の時代は男女別で体育館とかに集合させられて、性器の状態とか受精卵からお腹の中で赤ちゃんがどう成長していくかイラストを見たりした記憶があるんですけど、肝心のどうしたら妊娠するかというところはぼかされていた。

そこを補うためにAVとかで勉強して誤った知識を得た。
今考えると、とても恐ろしいことですけど」


村井「アメリカで精子を減少させる薬を注射する実験がありまして、性衝動を抑えることに大変効果があった。

ところが副作用があるとして臨床実験が急に中止させられたんです。

どんな副作用があったかというと、ニキビとか不安感とか女性がピル飲むよりよっぽど軽いものなんです。

男はなぜ性のことになるとパニックになっちゃうんでしょうね?


私は帝王切開で出産したんですけど、終わった後に傷口がもの凄く痛かったんですよ。

痛いと言ったら医者が『そりゃ切ったんだから痛いよ。
でも他の人は(麻酔をしないで産むから)もっと痛いんだよ。』と言われて…

痛いと言ったら医者は痛み止めを出してくれたらいいのに、何でそんな事で我慢させられなきゃいけないの?と思いました」


砂鉄「『女の痛みはなぜ無視されるのか』という本でもありましたが、
女の痛みは常に男に管理され軽視されてきた歴史がありますからね」


村井「アメリカは女性用避妊具を90%女性が買っている。
コンドームも30%が女性が用意している現実があります。
費用も精神的負担も大きいですよね。
そこまでしないと男性は避妊してくれないのです」


砂鉄「精子の行き先を決めるのは男性しかできない。
だからコンドームを着けなくてはいけない」


村井「『シートベルトは着けなければいけない。なぜなら生命を守るため』と同じように、

『コンドームは着けなければいけない。なぜなら生命を守るため』と言い替えないといけない。

そうしないと男性は聞いてくれないので。」



砂鉄「自分が『マチズモを削りとれ』という本を出版したとき、
『よく男性なのに、こんなもの書きましたね』と盛んに言われました。

男性優位社会に声を上げるのは、男だから言わないじゃなくて
俺たちが声を上げようよ。と思うんですけど」


村井「なぜ日本男性は責任を取ることをこんなに嫌がるんでしょうね。
射精は自由にさせろ!でも責任は取りたくない。ということなんですよね。

痴漢も同じで事件があると『痴漢冤罪があるんですけど』と即座にたくさんのリツイートが湧く。

Twitterでフェミニズム系アカウントはすごく荒らされますよね」



休憩を挟んで質疑応答になった。


私は「今の政権はカルトと癒着して男尊女卑を煽っています。

いつか男性がコンドームを着けてくれればいいな。と待っていても
そんな日は来ないと思います。

そのことについてどう思われますか?」と質問した。


砂鉄は奥歯に物が挟まっているような感じで答えた。

「そうは言っても20年前は女性の本のコーナーなんてなかったですし、こういった本が注目を浴びるなんてなかったせすから、希望を持った方がいいと思いますが……」


私は表参道のクレヨンハウスにしょっちゅう行ってたし、女性センターの図書室でたくさんの本を借りて知識をつけた。

インターネットの普及で目に付くようにはなったが、殆どが誹謗中傷に晒されて辛い思いをしている人が増えただけと思う。
それで本の購買意欲に繋がっているのも事実だが。


村井さんは「一人でも声を上げ続けることですね」と模範解答をした。


そりゃそうだろう。

会場にいる人だけでなく、400人のzoom視聴者がいるのだ。

NHKの取材も入っている。

今の日本は何か不穏なことを言ったら、命の危険に晒される。



それでもいいのだ。

私はその400以上の視聴者に自分の意見を届けたかっただけだ。

こちらは唯の匿名リスナーだ。


怖いものはない。



✳︎投稿後18才以上でないと閲覧できませんと表示があった。

むしろ少年少女に見てほしいと申し立てたら、一週間以上たってから審議するだって。

クソ。









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