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キムチ・水キムチ -発酵の基本知識-㊽
韓国の伝統発酵食、キムチ
キムチは韓国の伝統発酵漬物で、日本でもおなじみの漬物になりました。
実は日本で一番消費されている漬物はキムチであり、素材もきゅうりや大根などさまざまな野菜が用いられています。
デンプン質の粉で作ったのりと呼ばれるペースト状のつなぎに、唐辛子、だし、アミの塩辛などを混ぜたものを、キムチの素である「ヤンニョム」と呼びます。
このヤンニョムを白菜などの葉に挟み熟成させると、白菜の乳酸菌が発酵し、キムチが出来上がります。
白菜キムチのことを韓国語で「ポッサムキムチ」といいます。
包み込むような形にすることから、そのように呼ばれています。
キムチは日本の手前味噌のように、各家庭で作られます。
白菜の収穫時期になると、地域のご近所同士が集まり、各家庭の分を共同で仕込みます。
年間を通して食べられる程の量を仕込むために、大変な量となり、通常の冷蔵庫には入りきらずにキムチ専用の冷蔵庫が各家庭に用意されています。
レシピも様々で、多種多少な味がありますが、韓国種の唐辛子と、アミの塩辛は必ず必要で、この二つがキムチのうま味や味の決め手となります。
しかしながら、近年は日本と同様に、伝統発酵食は手作りをする人が減り、本場韓国でも既製品を購入する人が増えているそうです。
キムチの栄養素
乳酸菌
1mlあたりに1億6000万個もの乳酸菌が含まれています。
ビタミン類
キムチ100g中に大人1日の必要摂取量1/3のビタミンCが含まれています。
その他には、ビタミンA、B1、B2、B12、Kが豊富です。
カプサイシン
唐辛子に含まれる成分、カプサイシンには体の抵抗力や新陳代謝を高める効果があります。
代謝を高める効果には、1gの唐辛子には30分間の運動と同じ効果が期待できます。
食物繊維
キムチは必ず野菜を一緒に摂りますので、野菜の食物繊維が豊富です。
食物繊維は乳酸菌などの善玉菌のエサになり、腸内環境を整えます。
水キムチ
名前の通り、水分に使っている状態の乳酸発酵による伝統発酵漬物です。
辛くないキムチで、韓国では漬け汁ごとスープのようにいただきます。
米のとぎ汁に出汁と砂糖を少量加え、刻んだ野菜を漬けておくだけで、米のとぎ汁と野菜の乳酸菌がデンプンや砂糖の糖分をエサに乳酸発酵がはじまります。
野菜は、ニンジンや大根、キュウリ、カブ、ショウガ、リンゴなどで、漬物に用いる野菜であれば基本的にどの野菜でも使うことができます。
酸味が強すぎず、爽やかな口当たりで、辛いものが苦手な人や、高齢者、幼児などにも好まれ、食されています。
発酵が盛んになると、つけ汁に微発泡があらわれます。仕込んでから1週間程で食べる事ができ、塩分も控えめなため、サラダのように野菜を多く摂取することが出来ます。
水キムチの栄養素
乳酸菌
水キムチのもっとも注目すべき点はこの乳酸菌の数にあります。
水キムチには1mlあたりおよそ3億個もの乳酸菌が含まれ、ぬか漬けやキムチよりも多く含まれています。
また、ビタミン、ミネラル、食物繊維などキムチと同様に栄養が豊富に含まれています。
生活習慣病の予防や、コレステロール値の低下、美肌効果、腸内環境を整えるなど数々の利点があります。
水キムチも家庭によりレシピが様々です。野菜の分量も決まっておらず、その季節に応じた旬野菜を使うことで、乳酸菌が活発に働きます。
また、皮ごと使うことで、乳酸菌の強い力が生かせますので、なるべくならば、有機や無農薬の野菜を使うとよいでしょう。