永田王/藍川じゅん

年増ザファッカー

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神の子見ていたニルヴァーナ

父方の祖父は、お寺を経営していた。 などと言えば聞こえはいいが、お寺といってもどの宗派にも属しておらず、祖父自身の教えに基づいて活動していた。要するに、新興主教団体なのである。新興宗教団体と聞くと、怪しげな集会を開き、オリジナリティの強すぎる歌を合唱したりするアレを想像するだろうが、まさしくソレだった。 亡くなった祖父がどういうきっかけで「よし、お寺作っちゃお!」などと思いついたのか、もはや知る由もない。祖父がお寺を始めたのはちょうど終戦前後なので、なんでもありの時代だったの

    • カシオペヤ

      「星を見に行こう」 いつも通りのある日のこと君は突然立ち上がり言った、わけではない。奥多摩に星を見に行ったのである。長年生きていて、こんなロマンチックなデートに誘われたのは生まれて初めてだった。 誘ってくれたのはK君という8歳年下の男の子だ。彼と初めてセックスした時、お互いの友人を含めた4Pだった。私に挿入する友人の尻を叩いて邪魔をし、男同士でイチャイチャしていた。この子は素質があるなと思った。3人以上のセックスでは、同性同士のコミュニケーションが何より重要なのだ。何の素質だ

      • ホーチミン旅行記

        9月に2泊4日のベトナム一人旅をしてきた。人生初の一人旅。しかも海外。 こんなにもnoteにおあつらえ向きなトピックがあったにも関わらず、性欲減退の衝撃が強すぎてすっかり忘れていた。 私が訪れたのは、ベトナム南部の大都市・ホーチミン。 今回の旅の目的は、①ブイビエン通りでナンパする②中央郵便局から甥っ子に絵葉書を送る③戦争証跡博物館に行く④本屋巡りをする⑤ベトナムの会社で働く元上司に会う の5つだ。 ②と③は初日の午前中に終わらせ、午後は大きい公園を散歩したり、美味しいフォ

        • 父とエレキベース

          私の父は酒も煙草もギャンブルも一切やらない真面目な男だ。 仕事一徹だった父(※新興宗教団体を継ぐ前は印刷屋だった)が、約10年前いきなりエレキベースを始めた。実家の居間で、老父がビートを刻んでいた時の衝撃は未だ忘れられない。 その当時で、父は既に70代。小学校で習ったハーモニカ以外、楽器に触れたことがなかった。短大時代からウクレレを続けていた母(当時60代)にそそのかされ、ハワイアンバンドのベースを担当することになったのだという。 一度、2人が所属していたハワイアンバンド

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        神の子見ていたニルヴァーナ

          たのしいべんきょう

          私は地頭と要領が悪い。 2年半頑張って働いた派遣先の会社の上司をして「こんなに馬鹿だと思わなかった」と言わしめるほどである。 中学生までは優等生だったが、高校一年の一学期に数ⅠAでつまづいてから、全ての成績が転がるように落ちていった。よくある話だ。何をするにも人の倍かかるので、予習も復習も間に合わず授業についていけなくなった。何一つ理解できてないのに明日からテストという内容の夢を今でも見る。もはやトラウマに近い。 ところが、44歳を過ぎた今になって勉強が妙に楽しいのである。

          たのしいべんきょう

          消えた性欲

          嘘である。 人の目を引きたいがために、虚偽のタイトルをつけてしまった。正確には「今までの強さに比べたらほぼ消えたと言っても過言ではない程減った性欲」の略だ。 大小13個の子宮筋腫を切除してからというもの、めっきり性欲が減退した。 デートをしても、いざホテルに行きましょうという段階になると面倒くさくなってしまう。 今までだったら、マッチングした人と待ち合わせた瞬間、立ち飲み屋で好みの人と隣り合わせた瞬間、友達だと思ってた人と急に2人きりになった瞬間、どうやっておちんちんチャン

          朝起きたら腕にタトゥーが

          入っていると思ったら入ってなかった、というだけの話です。 朝、目が覚めると記憶とスマホがなくなっていた。よくあることである。 部屋中を探しても、カバンの中を漁ってもスマホが見つからない。そういえば、始発電車の中で寝過ごして西武線内を何往復もした気がする。最寄り駅の改札を出る時にスマホが見あたらず、現金で支払った記憶がうっすらと蘇る。どうやら、電車の中で寝てる間に落としてしまったらしい。 ちなみに「iPhoneを探す」を起動したところ、池袋の雑居ビルの中にあると表示されていた

          朝起きたら腕にタトゥーが

          とりあえず日記

          ご報告が遅くなってしまいましたが、無事退院することができました。励ましてくださった方々、支援してくださった方々ありがとうございました。 入院中に4キロ減った体重が退院後に即リバウンド。柔道でしか見たことない数字にまで増量し、健康にも程があるわがままボディへと邁進中です。 この日記は「一ヶ月最低一回更新」の記録を伸ばすために、仮に書いているものなので、また後で書き直す予定です。 とりあえず、今私が伝えたいことは丸2ヶ月もセックスを我慢しているのでそろそろ国から褒められたいという

          ご入院日記

          無事に手術が終わり、13個の子宮筋腫を切除してもらった。フィブ郎、お前そんな大家族だったのか。 そういえば、このフィブ郎という名前は英語のfibroid(子宮筋腫)にちなんでつけたものだが、フランス人の英語の先生によると「fibroidのfibはたぶん繊維(ファイバー)という意味だからフィブロイドではなくファイブロイド」らしい。「核」と書いて「あとむ」と読ませるキラキラネームと同じレベルの失敗だ。無知な親による命名のせいで子供に一生の恥をかかせてしまった。 ちなみに、この先生

          子宮狂想曲

          ようやく手術の日程が決まった。 大学病院なので、最初の診察の予約に2週間、検査の予約にさらに2週間、手術方針を決めるための予約にまた2週間かかった。予約していても、当日3時間は余裕で待たさせる。実は重病だった場合、検査の結果を聞く前に悪化して死んでいた可能性がある。 5月初旬。午前中の予約が午後にずれ込み、やっと番号を呼ばれた。検査の結果を聞くために婦人科の診察室に入ると、医者が開口一番言った。 「君、スポーツ心臓なんだね」 子宮関係なかった。 スポーツ心臓の方がホット

          反面教師の鑑

          最近、週一日だけ以前住んでいた町の学習塾で子供たちに勉強を教えている。 自分の復習にもなるし、子供と話せるし、わずかだがバイト代ももらえる。ピンサロで働いていた頃、いろんなちんぽに出会えてお金ももらえてラッキー!と思っていたのと同じ感覚だ。授業とフェラチオを並べて語るおばさんに勉強を教わる子供たちが可哀想である。 バイト先の塾は小規模なので、年齢も教材も進度も違う子たちが同時に授業をうける。 複数の生徒に別々の解説をしながら質問に答え、丸つけし、保護者への報告書を書き、宿題

          フィブ郎育成日記

          続けて何度も申し訳ないが、また筋腫の話である。 日に日に存在感を増し、毎日目が離せない。 せっかくなので、筋腫(フィブロイド)にちなんでフィブ郎と名付けた。コブ太郎でもよかったのだが、フィブ郎の方がfibroidという単語を覚えやすいので便利だ。 ちなみに、我が家の持ち物は「汁男」(シルバーの自転車)、「グリ美」(緑色の亀のぬいぐるみ)「ジャビ男」(オレンジと黒でジャビット君と同じ配色の自転車)と、色にちなんで名付けられることが多い。残念ながら筋腫は何色がわからないので、我が

          フィブ郎育成日記

          大きいことはいいことだ

          再び婦人科の話である。 大きな大学病院に行ったものの、検査ばかりで入院の日程まで話が進まなかった。なかなか予約がとれず、次の検査は2週間後だという。 私の筋腫をエコーで見ながら、先生が「子供の頭くらいあるね〜」とゆっくり言った。 大きい筋腫を表現する時の決まり文句が「子供の頭くらい」だ。一般的に大きいと言っても差し支えないサイズなのだろう。 触診したり、エコーで映像を見たり、細胞を採取した後、先生が再びのんびりと言う。 「じゃあ子宮引っ張りますね〜」 子宮が降りるとか子宮

          大きいことはいいことだ

          婦人科に行こう

          子宮筋腫を切除することになった。 子宮筋腫とは、子宮の筋肉がコブ状になってできる良性の腫瘍だ。30代以上の女性の20〜30%に見られる症状だという。 30代後半あたりから、健康診断のたびに「筋腫はあるけどそこまで大きくないから様子を見ましょう」と言われ続けていた。しかし、ここ最近で筋腫がメキメキ育ち、下腹部が不自然に固く張るようになってしまった。 子宮筋腫は、女性ホルモンによって大きさが変化する(よって、閉経して女性ホルモンが減ると筋腫も小さくなる)。女性用風俗のキャストとロ

          お茶汲みOL2024

          派遣のOL(オナニーレディ)として働いている。 何度も言うが、私はとにかく仕事が遅くて要領が悪い。さらに忘れっぽい。 派遣先の職場でも間抜けさを遺憾無く発揮し、同じ部署の皆さんにご迷惑をかけているが、「新しい人探すのも面倒だし」くらいの消極的な理由によって首の皮一枚で繋がっている。 以前、契約社員として働いていた会社では「パパ活ババア」と「男性社員にしか挨拶しないブス」とのいざこざに巻き込まれてストレスフルな日々を過ごしていたが、今の職場は穏やかな人たちばかりで毎日楽しい。朝

          結婚の話

          「既婚者なの!?」とびっくりされることがよくある。 自分でもたまに忘れてるので「そういえば既婚者だった!」とびっくりする。 夫と結婚して今年で15年、一緒に住んで19年になる。引くくらい長い。 何故私のような酒と男にだらしないおばさんがこんなに長く結婚生活を続けていられるのか。それは、もちろん夫が優しくて異常に寛大なおかげなのだが、それはそれとして「恋人として付き合ったことがないから」というのも一因だと思う。 19年前、私はピンサロ嬢だった。高円寺と野方の間にあるボロアパ