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これで良かったのだ、これが良かったのだ

あーなんか、もう少し頑張れば良かったのかな?
あの子みたいに。なんて少し思った自分が歯痒い。
私だって、悩んで、頑張って、掴んだって言うのに。

風の噂であの子が夢を叶えたと聞いた。

入学した時から入ると宣言していた夢の大企業に、
服飾学生ならば誰もが憧れる有名な会社から内定を貰ったらしい。

その眩しい笑顔と、しっかり有言実行をする逞しさ
に流石!凄い!良かったね!なんて思う反面、
じゃあ私はどうなんだ??なんて醜く比べる自分がいた。

納得して決めたはずの会社だった。

いずれは独り立ちしたい私にとって、丁寧なものづくりを続ける力や、それを提案していく力、革新的なIT技術なんかは、きっと役に立つはずだ。

確かに、ベンチャー企業だし、1年目は売り場に立つし、大都会東京ライフだし、恋人とはしばらく遠距離になっちゃうし。

だけど、修行の身として、今しか出来ないことだからと腹を括って、入社しようと決めた。

この1年間、本当に色んな企業を彷徨った。

大手の下着メーカー、繊維商社、老舗の制服屋、
社員3人の小さな古着屋兼カフェまで。

「じゃあ今の活動は辞めるってことで良いのね?」
「なんで就活やってるの?1人でやれば良いじゃん」
「今のやり方じゃ、どこ行っても通用しないよ」

私には、私のやりたいことが明確にあったはずなのに、社会の先輩とやらに何度も祈られる度に、自分のことを嫌いになりかけて、もうどうでも良くなって、私の人生の全てを放り投げたくなった。

そんな時に、私に一筋の光を照らしてくれたのが、
今の会社だった。

個性を大切にしてくれて、目を見て沢山話してくれて、私の雑貨屋さんを応援してくれて、研究を心の底から面白がってくれた。

パパもママもベンチャー企業をちょっぴり不安がっているし、私も正直やっていけるなんて、思っていない。

怖いところも沢山あるけれど、それでも、ちゃんと
大人になるために、働くしかないのだ。

あれ以上頑張るなんて、私には出来なかったし、
大手でも、有名な会社でも、なんでもないけれど、
私の学びたいことと、環境がマッチしたと信じて、
飛び込むしか、ないのだ。

入学した時からの夢を貫き通したあの子も、
グルグル瞑想してやっと辿り着いた私も、
みんな頑張ったのだから。

これで、よかったのだ。これが、よかったのだ。
これを、やるしかないのだ。

どう考えても大阪が好きすぎて、
新居を探す度に憂鬱になる。
東京にも私が息できる場所がありますように。

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