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今、自分に、全集中!|saki

身につけるという言葉はファッションだけでなく知識、習慣、技術にも使われ、前者は外側や目に見えるもの、後者は精神的な目に見えないところを鍛錬、研磨する内面的なもの。

将棋の対局時間は棋戦によって異なるが一人の持ち時間4〜9時間。一日では終わらないため二日かけて一局を指し「ひとつのことを集中して考えられるようになった。」とプロ棋士にとったアンケート結果が出たそうだ。

生活サイクルを対局時間と当てると睡眠時間、エッセイの文章構成・作成・推敲の時間に匹敵する。とはいえ家事や仕事の合間に作成した時間を合算し、だいたい4〜7時間ほど。一日では練りきれず、次の日に持ち越すことがほとんどだ。

学生ぶりに完全徹夜した書くことはじめたての当初と比べ、成長を感じる。
「おとなになっても夢中になれる!」
子どもが遊びをひとしきり楽しみ、心弾む嬉しさや喜びがある。

そこには『HAKKOU』という母なる基盤があり、それぞれの持ち場、立場で日々色々なことがありながらも互いに見守り、励まし、支え合ってきた仲間がいたからこそ。
5人の小さな輪からエッセイを読んで下さる方へ作品を通してそれぞれ響き合い交流し、渦を巻き輪が広がり大きくなっているのを感じる。

家では7年ほど料理する水は県境の山まで車で一時間半かけて湧き水を汲んでいる。
梅雨時期や雪の降る寒い日、月に予定が埋まっている時など、なかなか汲みに行けないこともある。
家族はわたしがすやすや眠る夜明け前、20リットルのボトル4、5本汲み、両腕で44キロ抱えて家を往復する筋トレを終えて出勤することがあり、並々ならぬ集中力を発揮する者は棋士に限らず身近にいた。

家族は生まれたときからベートーヴェンの運命を聴いて育ち、クラシックに魅せられ作曲家モーツァルトの生家を訪ね、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聴きに音楽の都ウィーンまで何度も足を運ぶ。

アマチュアオーケストラを立ち上げから関わり10年を迎え、ヴァイオリンを演奏している。《自分はどんな音を鳴らしたいか》を極めたいと活躍してらしたヴァイオリン演奏者の門戸を自ら叩き、新たな扉を開いた。

好きなこと、必要なことに照準を絞り探究し、光のスピードで的を射る推進力。その時間、集中力は魔法のように鮮やかだ。
音符の吹き出しがみえるのでは〜♪という位家族も、わたしもいつもご機嫌。

わたしにとってエッセイを書くことは今、自分に全集中する、だいじな一手を担っている。






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HAKKOU(はっこう)/リレーエッセイ
目を留めてくださり、ありがとうございます。 いただいたお気持ちから、自分たちを顧みることができ、とても励みになります! また、皆さまに還元できますよう日々に向き合ってまいります。