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2024年4月15日 19:46
こんばんは。久しぶりの投稿です。先月から小説の新人賞チャレンジを始めています。先月は中編を2作書きました。その2作は公開すると応募できないので、公開できませんでした。今月狙っているライトノベルの賞は、ウェブ公開していても応募できるので、公開してみようと思います。ライトノベルは小学生の時にティーンズハートという小学生向けの恋愛物のレーベルを読み漁ったくらいで、大人になってからは数えるほどしか読
2024年4月15日 20:04
一覧はこちら👇✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂食事を終えたミワは、朝の子供向けの番組に夢中になっている。僕はその間に朝食の食器を片付け、洗い物を終える。自室に戻り、ランドセルの中身を確認して、サッカーの練習着とソックス、脛あて、スパイクを一つの袋にまとめた。「ミワ、そろそろ出ないと遅れるよ」僕はそういってテレビを消した。ミワが愚ずることはそうない。見か
2024年4月15日 20:05
一覧はこちら👇✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂チャイムが鳴って、みんなが席に着いた。1日が始まる。担任は若い女の先生だ。今日の機嫌は悪くない。朝の会が始まり出席を取る。僕は後方の窓際の席だ。窓際の席はついている。つまらなくなったら窓の外を眺めればいい。何が見えるというわけではないけど、この教室から意識を離すことができる。隣の席の女子に「宿題やってきた?
2024年4月15日 20:07
一覧はこちら👇✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂一時間目の国語の授業の漢字の書き取りテストが終ると、僕はいつも通り窓の外を眺めていた。これだってゲームだ。問いに求められた回答を知っているか知っていないかだけ。知っていることを書きだしたら終わってしまう。考えることなんて一つもない。国語の教科書に目をやる。国語の教科書にお話の全文は載っていない。オトナが選んだ抜
2024年4月15日 20:09
一覧はこちら👇✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂「おい! ちゃんとパス回せよ!」校庭に怒号が響く。「俺が回ってきてるの見えてないのかよ!」 一通りのウォーミングアップメニューを終え、僕たちは五対五チームに分かれて紅白戦をしていた。昼休みとは違い、練習着に着替え、サッカー用の長いソックスに脛あてをし、スパイクを履いている。 タカシはいつも声を大きく、自
2024年4月15日 20:11
一覧はこちら👇✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂四時になったので僕は着替えて、荷物をまとめた。みんなはまだ校庭で走り回っている。僕は一旦帰って、買い物に行って、ミワのお迎えに行かなくちゃいけない。「先帰るねー!」 僕は大きな声で校庭に声を掛けた。「おつかれー!」 四方から声が届く。夕暮れにはまだ時間が早いが、僕は一人家路に急いだ。 家に帰ると鍵を回
2024年4月15日 21:06
一覧はこちら👇✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂モモは灰色の男たちに皆が奪われた時間を取り戻す。僕の時間は灰色の男たちに奪われてしまっているのだろうか。毎日6時には起きて、ミワのお弁当を作り、家族の朝食を用意する。ミワと祖母が日中困らないように支度をする。自室にほとんど籠ったきりで、テレビを大音量で、掛け口を開けば怒号を発する父親の機嫌を損ねないようにする。
2024年4月16日 00:58
一覧はこちら👇✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂ ミワのお弁当と、朝食にみそ汁と卵焼き、ソーセージを焼いた後、ごみ袋を抱えた。今日は燃えるごみの火だ。家中を回って、ごみを拾い集める。台所から始まって、リビング、トイレ、洗面所。2階に回って、僕の部屋、ミワの部屋、ピアノのある物干し部屋、母親の寝室。1階に降りて祖母の部屋、父親の部屋。父親の部屋の机の上には、灰
2024年4月17日 02:32
一覧はこちら👇✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂ ミワはいつもの通り、すやすや寝ていた。すやすやという表現はミワのためにあるみたいだ。音も立てず静かに呼吸している。拝むみたいに両手を重ねて、顔の下にひいている。ミワの寝るときの癖だ。ミワの寝顔を見ていると、悪夢みたいなさっきまでの感情がいつの間にか引いていった。ミワの顔をそっと撫でる。僕の気持ちが安定していく
2024年4月18日 03:00
一覧はこちら↓ 帰りの会が終ると、僕は急いで帰った。ランドセルを放り投げ、サッカークラブ用のリュックを背負い、水筒にポカリスエットと氷を足した。玄関のすぐ横の父親の部屋の扉をノックした。「お父さん。ミワのお迎えお願いね!」「ああ。」低い父親の声が聞こえた。よし、僕の仕事はここまで! サッカーに行こう!僕は自分のマウンテンバイクを引っ張り出し、またがって先を急いだ。もうすっかり陽気は
2024年4月18日 23:35
一覧はこちら↓「じゃあ、今日は以上!」「ありがとうございました!」コーチの号令に礼を言って、解散する。「タカシ! シュウ! ちょっとこっち来い!」走り去ろうとする僕たちに、コーチが僕とタカシをこまねきして呼んだ。「…はい。」僕とタカシはコーチの元に走り寄った。コーチがみんなに背を向ける形で僕たち二人の間に入った。「再来週、ジュニアのセレクション、うちからはお前たち二人で決めよう
2024年4月19日 20:33
一覧はこちら💁♀️https://note.com/clean_cosmos816/m/mbd347da48b60 セレクションのことを、どうやって母親に伝えよう。選ばれた嬉しさより、家族の都合をつけるという現実的なことを考えると、帰るのが気が重かった。もう着いてしまう。考え事をしながら自転車を漕いでいると、あっという間に過ぎてしまう。母親にどんなタイミングで、なんと伝えよう。そう考え
2024年4月19日 22:33
一覧はこちら💁♀️玄関の鍵は想像通り開いていた。父親の部屋のドアも、祖母の部屋のドアも開けっ放しだ。玄関には溢れんばかりの靴が脱ぎ捨てられている。僕はリビングのドアを開けた。奥には3人の警察官に取り囲まれた父親が床にへたり込んでいる。リビングの椅子には祖母が女性警官を前に座っていた。二階からミワの泣く声がする。部屋の中は何もかもがぐちゃぐちゃだ。扉を開けた僕に警官が気が付く。父親を囲んで
2024年4月20日 15:53
一覧はこちら↓警察署に着くと、前の車の後部座席から、3人降りた。警察官に左右を固められ、中心に父親が居た。すごく久しぶりに、父親の顔を見た気がする。僕の記憶の中の父親とは全く変わっていた。まぶたは垂れ下がり、目はほとんど開かれておらず、眼球に力がない。頬はこけ、口周りがだらりと垂れ下がり、口は半開きのままだ。おまけに、ぼさぼさに伸びた髪と眉毛と、無精ひげ。清潔感がない。身長は低くないはずなのに