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リーダーにとって謙虚さは武器である

皆さんは謙虚であることを日々意識して過ごされているでしょうか。強く意識していないと相手に不快な思いをさせたり、批判を受けてしまうこともあります。

謙虚であることのメリットは計り知れませんが、気づくと相手の話を聞くよりも自分ばかり話している、相手の意見を否定的に受け止め、話を遮って自分の意見を通そうとして、無意識に「自分は仕事ができるんだぞ」、「自分は物知りなんだぞ」と「俺が、私が」という姿勢の人は案外多いような気がします。

謙虚であることは有用であると頭では理解しつつも、特にビジネスシーンでは、成功や自己表現、威厳のために謙虚さはしばしば見過ごされがちです。

私自身は控えめで物静かなタイプなので、そういうタイプの人と接していると正直とても疲れます。自分の我を引っ込めて、相手の話すこと、考え方を尊重し、素直に受け止められるような人であろうと思えば自ずと謙虚にならざるを得ないです。

謙虚であることのメリットとは?

ではあらためて、謙虚であることのメリットとはなんでしょうか。簡潔に言ってしまえば以下の2つに集約されると思います。

他人からの信頼や尊敬を得やすく、自分の限界を認識し、他人の意見や助言を受け入れることで、多角的なアプローチが可能となり問題解決能力が高まる。

また、他人に対する感謝の気持ちを感じやすく幸福感を得やすいので人間関係もストレスがなく円滑なコミュニケーションが取れ、奢ることなく自分の成長に取り組むことができる。

慎ましいだけでなく、実力も品位も兼ね備えていることが大切ですが、謙虚であることは基本的に良いことばかりです。ではもう少し掘り下げてみるとより具体的にイメージしやすいかもしれません。

信頼と尊敬の獲得
謙虚なリーダーは、自分の限界を認識し、他人の意見やフィードバックを積極的に受け入れることで部下や同僚からの信頼と尊敬を得ることができる。

チームの協力関係とコミュニケーションの促進
他人の意見を尊重することができれば、部下が自由に意見を述べやすいる環境を作ることができ、問題解決や意思決定のプロセスが円滑に進むだけでなく、部下に主体性を持たせることもできる。

成長と学びの姿勢
まだまだだなと思えば自分自身の成長と学びのために、新しいスキルや知識を積極的に学ぶようになり、また自分の過ちから学ぶ姿勢を持つことで、リーダーとしての能力を継続的に向上させることができる。

内なる強さの発揮
謙虚さは内なる強さを育むものです。表面的な強さや地位に依存せず、精神的に成熟し、心の安定を得ることができます。これは、困難な状況に対処する際の精神的な強さとしても必要なことです。

本当にデキる人は自分のことを必要以上に語りませんし、敵を作りません。精神的に成熟しているので、自分を大きく見せようなど思いませんから余裕や自信も感じさせるものです。

一方で、謙虚であることのデメリットも考えてみる必要があります。

謙虚であることのデメリットとは?

謙虚さは他人から時として消極的に見えてしまうことがあります。仕事の場面では特にそうかもしれません。言葉数が少ないと何を考えているのかわからないと思われたり、意見や信念を持っていてもそれを発しないとただの大人しい人という印象に終わってしまうことがあります。

自信がなく消極的に見えて、重要な仕事を任せてもらえない場合があり、成長機会を逃してしまうことがある。特にリーダーなどの管理職に不向きな人材と評価される場合があります。

自分の意見や感情を抑えることで、ストレスが蓄積する可能性があり、精神的健康に悪い影響を及ぼすことがあります。

謙虚であることは必ずしも口数が少ないということでもないので、意見や主張を述べない大人しいと見なされると、相手に都合よく使われてしまうこともありますから、適切な場面で自分の意見は言えるようにする必要はあります。

特にリーダーの立場にある人が意見や主張を述べないとチームをまとめる存在としては頼りなく見えてしまうこともあります。乱暴な言い方をすれば、部下からなめられてマネジメントが機能しなくなる場合があるのも現実です。

「ウチの上司は穏やかでいい人なんだけど、なんか頼りないんだよなあ」
「もっと指示や命令をビシビシして、引っ張って欲しいんだよなあ」

職場でいい人で通っていても、陰で交わされる部下からの評価はこのようなものかもしれません。昨今は何をもってハラスメントなのか基準が曖昧なため、極力意見や主張を言わないようにしていると部下との関わり方に支障が発生してしまいますから難しいところかもしれません。

一方で、自分の面子や威厳を損なうことを恐れたり、自分を相手より優位に見せたいためにマウントしたり必要以上に相手を圧迫することを良しとする人も少なくありません。

なにごともバランスが大事で、極端に走るとコミュニケーションや部下との信頼関係に支障が生じてしまいますので、自分の態度や言葉を意識して注意することが重要です。

巷に多い困った典型的な上司は傲慢で、自己中心的で、偏見が強いものですがいずれも謙虚さがないことの証左です。

まとめ

今日の競争社会では、謙虚さが失われがちですが、その重要性は依然として変わりません。企業においても、謙虚なリーダーシップは持続可能な成功をもたらすことが多くの研究で示されています。また、個人の生活においても、謙虚な態度はより深い人間関係と自己成長を促進できます。

謙虚さは単なる努力目標や美徳ではなく、したたかで精神的に強く生きるための武器であり、仕事をはじめとする人生で過ごす時間を意味のあるものにするための鍵であると言えます。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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