持続可能な日本のために、衣食の自給を実践
食料自給率と日本の原風景
日本の原風景が好きだ、里山は人が手を加えるからこそ美しい。しかし、日本の農業従事者は減り、荒れた土地が増えている。私の住む町は、山が壊され宅地になる一方で、放置される田んぼが増えている。コロナ禍で、食料確保の脆弱性を感じてから、何かアクションを起こさなくてはと思っていた。日本の食料自給率は37パーセント、いざという時に家族を守らなくてはならない。
備蓄から始まった家庭菜園
東海地方は来る来るといわれて何十年も大きな災害はない。ありがたいことだが、備蓄品の消費期限切れが何度も繰り返されると、備蓄のモチベーションは下がる。せめて野菜でも栽培すれば、不安も落ち着くのではと、庭を開墾したが、陽当たりが悪く、結局プランター栽培どまり。レンタル農園はキャンセル待ち。そこで、近所の耕作放棄地を借りるためアグリスクールに参加、片道20分の道のりを1年間自転車で通った。
農業は思想、多様な価値観が存在する
市のアグリススクールの先生は農薬と雑草除去が重要と考える方だった。農薬はあまり使いたくないなぁと思う中で一冊の本と出会った。
耕さない農業。鍬が文明を滅ぼす原因になったとは衝撃だった。耕すことが、土に悪影響だったとは、思い込みが外れた瞬間だった。微生物には以前から興味があったし、アフリカで不耕起栽培を実践した日本人にも興味をもった。その後、自然農法、自然栽培、パーマカルチャーなどさまざまな本を読んだ。農業で生計をたてるわけではないので、虫や雑草を敵とせず、地球に優しい不耕起栽培をやってみたいと思った。
300坪の耕作放棄地を借りる
アグリスクールの卒業見込みができたので、農地バンクで家庭菜園の場所を探した。2022.1月、近所にある300坪の耕作放棄地を仮契約、300坪は広いけど、家から近いしなんとかなると思った。2月から土壌整備を始めた。一面チガヤだらけの粘土質の土地と毎日向き合った。草を刈り、畝を立てるために、スコップで地下茎を掘り起こして土とわける。思っていたより大変だった。草刈りは主人が手伝ってくれたのと、在宅勤務で昼休みに作業できるのがありがたかった。
半農半XのXが忙しい中、夢を描く日々
4月には畝立ても完成し、農業委員会から土地利用の許可を得た。しかし、就農と同時に会社の組織が変わり、新しい組織の立ち上げにたずさわることになった。残業が続く日々だが、もうひとふんばり。
畑の雑草や微生物を活かして、野菜やハーブ、そして織物用の棉と染色材料を育てます。子どもたちが虫や蛙を捕まえたり、ハーブや雑草で遊んだりする風景が目に浮かび、やる気が湧いてくる。
畑仕事をしていると色んな方が声をかけてくださる。皆さん、ありがとうとおっしゃる。
起きてほしくはないが、災害時にはこの畑が近所の人たちの心と身体が安らぐ場所になれば嬉しい。
人の恩が巡る、身体の気が巡る、季節にあわせて自然に巡る、自然農園Meguru はじめました。
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