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【後編】カウンセラーに「クレームのつけ方」を教わった【クレーム実践編】

↑前編はこちら

<前回のあらすじ…>
カーテンレールの取り付けを専門店に依頼したところ、採寸に来た圧の強いおじさんに「一日中履いてる靴下でベッドに乗られた」ことで、モヤモヤしたまるはさん。クレーマーになりたくなさすぎて、いつもガマンして怒りを引きずるパターンだけど、今回はどうでしょう?


カウンセラーにクレームのつけ方教わる

「カーテンレール、依頼しましたよ」
「そうなのね!」

カウンセラーに近況を話す。

「でもなんかモヤモヤしてるんですよね~」
と、昨日の出張採寸でのいきさつを説明する。
「…で、なんかすごくイヤな気分になっちゃって…。でもその場で何も言えなかった自分もどうかなーと思ったりして…」

「それは…すごくイヤでしたね!」
(よかった、私が神経質なんじゃないよね)

「それは…伝えた方がいいかもしれないですね」

え?

「まるはさんは、すごくイヤな思いをしたんですよね?せっかく高いお金を払ってプロに依頼したのに…それは怒りの感情がわいて当然なんですよ。

気分を良くしようと思って決心したのに、今後カーテンを見るたびに ”あんな嫌な事があったのにガマンした” という記憶や感情がよみがえってしまうかもしれない。。」

たしかになー

カウンセラーは続ける。

「お店に電話して、”こういうことがあってすごく不快な思いをしました”と伝えるだけでもいいのよ。どう対応するかは相手次第だけど、こっちはお金を払って契約してるんだから対等の関係のはず。場違いな言いがかりなんてつけてないから少なくともモンスタークレーマーではないよ。」

あー(頷き)

「それに、その男性はどこの家でもそんな態度かもしれない。だったら”この人に○○をされて不快でした”とお店に伝えることは、今後の改善にもなって、同じように不快な思いをする人が減るかもしれないよね。」

確かにそうだけど、まだ抵抗がある!
終わったことを電話して文句言うの、クレーマーと思われないかな。

「言う修行・課題」がきている

対話の中で、自分の中にある幼少からの対人パターンが見えてきた。

クレーマーと思われたくない
ケンカになりたくない
円満にしないといけない
迷惑をかけてはいけない
相手の気を悪くしてはいけない
文句を言うともっと面倒になる

そう思いすぎている。
私が神経質すぎるのかな…
私がいいって言ったのが悪かったかな…
などと、自分の非ばかり探して言えなくなる。

そうか…
あの業者のおじさん、タイプが「モラハラ父」と似ているのかもしれない。

私の父は、フレンドリーかと思いきや、高圧的で気遣いが全くなく、感情が態度に出るタイプ。自分は理不尽なことをしておきながら、こちらがガマンする以外に選択肢はないモラハラ人間だった。こういう人は、おとなしい相手だと余計に上からくる。

ガマンすることで事なきを得ようとするクセがついたのは、なんでも「お前が悪い」と子供に責任をなすりつける親に対しての戦略であって、今はもう関係ないと頭ではわかるが、クセが出てしまうんだな。

だから「もう私は、自分の気持ちを伝えても大丈夫」という成功体験を積み重ねることが大事。「すごくイヤだった」という、自分の気持ちを殺さないための”言う修行”だ。

おじさんの靴下事件がこんなことにつながっているとは

実際に電話してみる…

「今ここで電話してみてもいいわよ。もし困ったらその場でアドバイスするから」

「えー、今ですか?」

冷静に、こういうことがありましてとても不快でした、って伝えるだけでいいの。で、そうね。できれば取り付けに来る人は別の人に変えてくださいってお願いしてみたら?(そんなこと思い付きもしなかった)電話に出た人の返答にもよるけど、もし無下にされるようなら”そんな態度のお店とは取引はやめます”って断ってもいいのよ。(目からウロコ)」

確かに、またあのおじさんが来るかと思ったら憂鬱でしょうがなかった。なんで当たり前にガマンするつもりでいたんだろう。

「応援してるからね!」

ドキドキしながら、カーテン専門店に電話をかける。女性が出る。
「かくかくしかじかで…それがすごく不快だったんです…」と事のいきさつと、気持ちを説明した。

「それは大変申し訳ございません…担当の者に注意して今後ないようにいたします…」

この女性は何も悪くないんだけど…と思いつつも、マイナスの感情を伝えて受け取ってもらえるんだ、という感覚が新鮮だった。過去に否定され続けてきたから、自分の気持ちと要望を伝えるだけで怖さがあるが、頑張って続ける。

「それで…取り付けに来るのは別の人にしてもらいたいんですが、可能でしょうか?」

「可能でございます。当日は別の者が伺います。取り付け施工はこのまま進めさせていただいてもよろしいでしょうか?」

普通にやり取りが進む。「この度は申し訳ありませんでした」と言われて終わった。

はー。。
そうか。
そうだよな。これただの交渉だよな。
モンスタークレーマーダメ絶対!と思いすぎてるのと、相手が高圧的なおじさんだと委縮して交渉までマトモにできなくなってた。

<クレームの手順>
1.私は○○をされてとても不快でした
2.だから、こうしてほしいです
3.それが難しいなら、こうしてほしいです。
4.ありがとうございますorもう結構です

 

トラブルがあった時、その場でうまいことできればいいけど、腹が立ちすぎて感情的になりそうだったら、落ち着いてから交渉すればいいのか。

まるはは「かしこさ」が2上がった!

「うまくいきましたね!」

カウンセラーさんと喜びあった。
クレームのアドバイスもありがたかったが、何よりもカウンセラーさんに、私が感じた不快な気持ちを「おかしくない。当然よ」と言ってもらえただけでも泣けた。

後日…
カーテンレールは、若手の男性2人が代わりにやってきた。家具を動かせないところの窓も、配慮して取り付けてくれた。やはり素人がつけるのとは違う、ちゃんとした仕上がりになっていた。カーテンってこんなにスムーズに開け閉めできるんだ、と当たり前のことに感動した。

カーテンを見ると「自分の気持ちを伝えられたな」ということを思い出す。カウンセラーさんの言う通りだった。本当にありがとうと思った。

初歩的な社会性を身につける

「中年になったら、図々しいガハハおばさんになって、もっと楽になるのでは?」と期待していたが、繊細はずっと繊細なのだった。こんな初歩的な事も、まだまだ練習が必要なのだった。

これは、私が自分の気持ちを大事にしていくということだ。自分が感じた気持ちを無下にせず、大人の態度で相手に伝えてただ交渉する。緊張もするし、相手が理解がない場合もある。だけどもう「思考停止して、ガマン一択の戦略はしなくていいのだ」という成功体験を積めた。

もちろん、みんなどんどんクレーム言おう!って話ではない。冷静さと大人の対応、社会性がだいじだね。「要望も常識的な範囲内か」など、周りの人に確認するといいかもね。

親が育ててくれなかった社会性を、大人になった自分で育て続けるんだねー。

2024.07.31
地球に来てから18,590日目(50年目)
ちきゅうレポート:育った家庭が小さな社会だから、大人になってもそのままの社会性で生きちゃうんだなー。数あるトラブルって、結局そこにある問題に気がつくためのことなのかもしれないねえ。

 


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