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【詩】うねる春

輝きうねる遠くの空に
春の飛沫が満ち満ちる
端々に銀の光をまとい
烈しくはじける青い香が
くすぐるように身に迫る

木々には新しい衣を授け
土に緑の礫を撒く
ああ眩しくて畏怖なる春
わたしの眼を涙がふさぎ
水中のごと手探りで時を感ずる間に
通り過ぎてゆく怒濤の風よ
ただ陽の一声でもって
鋭く冷えた鼻腔をかっ攫う淡色の風情

春遠ければ春近し
秒針を追う正午の針の
もどかしさゆえ焦がれる心
もうすぐ東の空にまた
春のうねりがやってくる
今日の朝日に春の花火
チカチカ光って眼に痛い

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