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部下面談前にチェック!キャリア形成には目標よりも学習習慣が大切(2/3)

こんにちは。前回は、「部下のキャリア希望が無い問題」に対して、キャリア目標を考えるよりも、学習と行動の習慣を重視する、という話をしました。今回はその続きです。

想定外の変化に適応し、機会をキャリア形成につなげるため、部下は何を学ぶ必要があるのでしょうか。

結論としては、「業界や職種関係なく、仕事をする上で再現性高く成果につながるスキル」です。

学ぶべきは環境が変化しても使えるスキル

一般的に、人が学習を始める時、資格や特定の知識などの業務遂行に関わるもの(テクニカルスキル)に意識が向けられやすいです。しかし、注意が必要です。なぜなら、テクニカルスキルは、陳腐化しやすいからです。

テクニカルスキルは、業務遂行に直結し、スキルの有無もわかりやすいため、人が学習に向かいやすいという特徴があります。ですが、特殊性が高く適応できる範囲が限定的であったり、技術革新や業務改善によってそのスキルが必要ない・通用しなくなることも多いのです。つまり、変化に対して弱いスキルです。

だから、変化に強い、普遍的なスキルを意識的に学び身につける必要があります。

それが、前述で結論として伝えた「業界や職種関係なく、仕事をする上で再現性高く成果につながるスキル」です。具体的に『カッツモデル』を紹介しながら確認していきましょう。

カッツモデル
経営学者のロバート・カッツによって提唱された、「ビジネスパーソンに必要なスキルは3種類あり、役割の違いによって必要なスキルの比率が変化していく」という考え方

①テクニカルスキル(業務遂行能力)
業務を円滑に遂行するために必要な定型的スキル・知識・技術
②ヒューマンスキル(対人関係能力)
社内外の関係者と円滑な意思疎通をはかり、良好な人間関係を築く能力
③コンセプチュアルスキル(概念化能力)
目の前の状況や情報を客観的に分析し、本質をとらえて最適解を見出す能力

注力すべきは、コンセプチュアルスキルとヒューマンスキルです。テクニカルスキルは、組織における役割が上位になるほど必要ではなくなり、コンセプチュアルスキルの割合が大きくなっていきます。そして、ヒューマンスキルはどの役割においても、人と人が関わって仕事を進める限り求められるためです。

・コンセプチュアルスキルの例
本質的視点から先を見通す洞察力
問題を分解し整理して解決に繋げるための論理的思考力
既存のサービスや商品をよりよくするための改善発案力
世の中に新しい価値を生み出す事業やサービス開発につながる発想力 など

・ヒューマンスキルの例
どのような相手とも関係構築ができるコミュニケーション力
本音を引き出しより深い意思疎通に繋げるための聴く・質問する傾聴力
Win-Winで継続的で良好な関係を可能にするための交渉力
組織や人を動かすリーダーシップ など

まずは現在の仕事の深堀りをすることから

正直、抽象的で捉えどころがない、どのように学べば良いのか見当がつかない…そのような思いも持たれるかもしれません。

まずは、今の仕事の成果を質的に高めるには、どのようなコンセプチュアルスキル、ヒューマンスキルが必要だろうか。それを考えるところからスタートしてみてはいかがでしょうか。そして、そのスキルを身につけるにはどのような行動をすると良いのだろうか。こうしたことを部下と一緒に考えてみてください。

部下が仕事を掘り下げてより高い成果を出すための視点や、自らの成長余地に気が付くきっかけになるかもしれません。

そして、意識的にこのスキルを学ぶように仕事をしていくことで、想定外の変化をキャリア形成の契機にしていくことができるのです。

次回は、前回と今回を踏まえて、部下との面談で学習と行動につなげるためにどのような話をしていくのかについてまとめたいと思います。
(執筆者:三木)

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