新10000円札を見たので、『論語と算盤』の書評を書いてみる
今日、職場で新一万円札を見ました。
肖像の渋沢栄一は日本を代表する実業家で、「日本資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれます。
その著書としては『論語と算盤』があまりにも有名で、疑いなく日本の経済システムの基盤を確立した人物です。
私も『論語と算盤』は昨年読了して、読書記録を作ってありましたので、
それを見ながら書評を書いていきたいと思います。
具体的には「私が感心した、渋沢栄一の理念」を三つ挙げます。
ちなみに私の書評は「書評を読むだけで学べる」ことを目指していません。
それは要約サイトなどにお任せして、私は「その本を読みたくなる」ような書評を目指しています。
だから、興味が湧いたら本の方を読んでみてほしいです。
それでは最後までよろしくお願いします。
「世の中の進歩」について
第三章 常識と習慣 より
一つ目は「世の中の進歩」について。
渋沢は自分のもとに来る「困っている人」を、全て助けるようにしていたそうです。
それはたとえば「お金を援助してほしい」みたいな無心であっても。
ちなみに投資ではなく、援助です。
自分に見返りは要らない、この金で事業を頑張ってくれ。
今日初めて出会った人に対しても、渋沢はそう言いました。
なぜそこまでするのか?
そこには実業全体に対する愛があったのです。
すなわち、社会や国家を善くするための取り組みは、すべからく「世の中の進歩」に繋がると。
だから渋沢は、そのための支出は惜しまなかった。
自分の中に確かな「軸」が無いと、このような行動には出られないです。
「お金を稼ぐこと」について
第四章 仁義と富貴 より
二つ目は「お金を稼ぐこと」について。
渋沢は「自分の利益だけを優先すること」を嫌います。
しかし重要なのは、同様に「自分の利益を蔑ろにすること」もまた、正しくないというのです。
「自分が豊かになりたい」という欲望は、エゴでも卑しいものでもなく、必要なものです。
それが原動力になって、最終的には社会に価値を提供することになるから。
大事なのは「道理を持つこと」。
「自分が豊かになりさえすれば、何をしてもいい」という考えこそが卑しいのだと、第四章で渋沢は語ります。
「自分が豊かになりたい。だから誰かの役に立ちたい」は、実業を通して社会を豊かにします。
この考え方は、日本人にはまだ根付いていないように私は感じます。
というより私自身、今もなお抵抗があります。
だからこそ、忘れないようにしたい教えです。
「親孝行」について
第九章 教育と情誼 より
最後は「親孝行」について。
渋沢は書籍名にも使われている『論語』を引用して、こう述べます。
親は子供に、自分の世話を強制したり、望む道を歩ませようとしてはならないと。
そして、私に特に響いたのは、この言葉。
この違い、分かるでしょうか。
子供に親孝行を「義務付ける」のではなく、子供が自分から「親孝行したい」と思える、そんな親であるべきだ。
ということです。
ここ、読んでて唸りました。
親として肝に銘じなくてはならない考え方だと思います。
まとめ
今回は新一万円札を見掛けたので、昔の読書記録を引っ張り出してきて『論語と算盤』について書評を書いてみました。
冒頭にも述べたように、私は「これを読めば、本を読まなくて良い」というような書評は目指していません。
理由は、本を読んでもらいたいからです。
第一章から第十章まで、まんべんなく学びがある良書です。
これを機に、ぜひ読んでみてくださいね!
普段は読書によって得られた知見をもとに、記事を書いています。
下記のバナーからフォローしていただけると嬉しいです。
それでは、また。
いつもサポートしていただきありがとうございます。 頂いたサポートは全て、近隣の本屋さんで書籍の購入に使わせて頂いております。