リンさん

日本の大学で博士を取得した理系女性研究者。 結婚・出産・子育て・学振研究員・海外ポス…

リンさん

日本の大学で博士を取得した理系女性研究者。 結婚・出産・子育て・学振研究員・海外ポスドク・無給研究員・特任教員・正規教員などあらゆるシチュエーションを経験。

マガジン

  • リンさんプライベート4コマ

  • 美大卒まおにゃの理系博士夫観察日記

    作家のまおにゃさんの夫は理系博士!!なんと義理のお父様は元大学教授!美大卒のまおにゃさんが理系学術一家に触れた驚きと面白エピソードを4コマ漫画にしてお届けします。

  • 教えて!リンさん 研究者になりたいの! 生活編

    全30話。28トピック中。生活に関連する4トピックを集めました。

  • 教えて!リンさん 研究者になりたいの! 家族編

    全30話。28トピック中。家族に関連する5トピックを集めました。

  • 教えて!リンさん 研究者になりたいの! 学生編

    全30話。28トピック中。大学院生活に関連する6トピックを集めました。

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教えて!リンさん。研究者になりたいの    ~女性研究者概論~

30歳前後で博士を取得し、ポスドクとしてキャリアを積んで大学のポジションに着くのは何歳?結婚は?子供は?高齢出産のボーダーまで後わずか!!なんとか滑り込んだテニュアトラックポジション。子供なんか作ってる場合じゃないよ?結婚したはいいけど、夫とは別居!女性研究者は何かと不安は多い。でも、「もしかして、その自然科学現象見たことあるの、私だけ!」こんな経験してしまったら研究は辞められない!女性研究者が自由で自信をもって生きていける、そんな社会を目指したRinのエッセイ漫画。

    • 【解説】エピローグ

      まとめ本を発表して1年になることから、以前noteで連載した解説文の全文(当時は一部公開)を掲載することにしました。 本編にはマヌー助教の引っ越しの顛末や、キャラクター紹介なども掲載しており、180ページと読み応えありです。

      • 【マンガと解説】第29話 Iにゃんとマオ先生の物語にゃ!

        まとめ本に収録した第29話と解説の全文を掲載 第20話で不妊治療というワードがちょっとだけ出てきます。「別居婚」と「不妊治療」の話はWeb連載中ではここまでに留めました。でも、やっぱり描いておきたくて、第29話としてトピックを立てることにしました。   学位を取得してキャリアを重ねてからの妊娠・出産となると、どうしても高齢出産になってしまいます。個人差はありますが年齢とともに妊娠は難しくなってきます。不妊治療なども受けることが可能ですが、夫婦が離れて暮らしていると何かと困難

        • 【解説】第28話 10匹の博士にゃんこさん達のその後

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 最後はトピックではなく博士にゃんこさん達のその後を描きました。トピックの後半でそれぞれの個別事情を描きましたが、ここでは、色々な経験を経て次のステップに進む物語にしました。   Hにゃんは嫌な思いもしましたが研究実績を着実に積み重ねてPIになりました。Cにゃんは企業就職して充実した生活を送っているようです。Gにゃんも確実に自分の研究を進めています。不遇だったEにゃんもチャンスを手に入れました。   このトピックで描写しておきた

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          【解説】第27話 研究者の子育てにゃ!

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 大学などで採用されている裁量労働制は子育てに便利です。   私自身は子供を大学の保育園に入れることができなかったため、Fにゃんのように様子を見に行けなかったのですが、同じキャンパス内に通わせているとお迎えなどもすぐに行けて良いなと思います。最近は学内保育園を持つ大学はとても多いです。子供が熱を出した時、保育園のイベントなど、裁量労働制だと時間休を取らなくてもフレキシブルに動くことができます。この時間に融通が利くという職種には大

          【解説】第27話 研究者の子育てにゃ!

          【解説】第26話 PIにならないという選択(後半)

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 後半は大学ではない研究職を紹介しました。私は大学以外で働いたことがなく完全に未知の世界だったため、研究所で働いている友人たちにかなり聞き込み調査を行いました。大学教員から企業に転職した友人たちにも話を聞きました。また自ら起業した女性研究者からも情報を得ることができました。それらの情報をまとめて書き上げたのがこのトピックです。   大学と研究所ではボトムアップかトップダウンかといった大きな違いがあります。学生の教育を行うという点

          【解説】第26話 PIにならないという選択(後半)

          【解説】第25話 PIにならないという選択(前半)

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 前後半に渡って展開したトピックです。実はこのトピックは「PIになるために重要なこと」を紹介するために立てたトピックです。どういう話を展開するのが良いかいろいろ悩んだ結果、「PIにならない」という話に収めることにしました。   ここではPIになるための1つの要素として自分の研究のオリジナリティー(個性)が重要であることを紹介しました。「自分の研究」の範囲は抽象的かもしれませんが、論文のコレスポンディングオーサー(コレスポ:責任著

          【解説】第25話 PIにならないという選択(前半)

          【解説】第24話 逃げるにゃ!

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 第24話はボスとの相性を取り上げたトピックです。第6話の研究室配属の時も取り上げましたが、とても重要なトピックなので改めてもう一度描きました。   PIとの相性が良いと研究もスムーズに進む印象があります。私はこれまでに数人のPIの元で働いた経験がありますが、一番相性の良かったPIのラボは一番ポスドクが続かないラボでした。ウマがあうって本当にあるんだなと凄く感じました。そしてこればかりは入ってみないと分かりません。重要なのは「合

          【解説】第24話 逃げるにゃ!

          【解説】第23話 研究者ファッションにゃ!

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 このトピックの根底にあるのは「業績ではない!」と良く耳にすることです。   研究者が研究職(大学教員等)の公募に応募する場合、当然研究業績が評価されると思うわけです。ですので、精一杯自身の優れた業績をアピールするのですが、厳密には業績だけでは評価されません。マンガの中にも描写しましたが、「一緒に仕事をしたいと思われること」ここが一番重要なのだと思います。その中の一つの要素として研究業績があるのです。   では何故、ファッション

          【解説】第23話 研究者ファッションにゃ!

          【解説】第22話 はがれないレッテルのお話にゃ!

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 私がこのエッセイ漫画全体を通して言いたいこと。それがこのトピックです。   要約すると結婚や出産をきっかけに移動すると「諦めた人レッテル」を貼られて、キャリアに繋がらない仕事に誘われやすくなるというもの。   まず、にゃんこ先生は出産・子育てで、なぜ辞めるのか?不思議に思っています。これは私が実際に女性の教授の先生から聞いたセリフです。   かつて任期制がなかった頃は、その場で頑張れば准教授・教授と昇進できたかもしれません。し

          【解説】第22話 はがれないレッテルのお話にゃ!

          【解説】第21話 研究室のお引越しにゃ!

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 研究室引っ越しの話です。   私はこのエッセイ漫画連載中に人生で3回目の研究室引っ越しに遭遇しました。ボスが動くと基本的にその下にいるスタッフ・学生も一緒についていくことになります。いろいろ調節も可能なのでその辺の細かい現状を紹介しました。   引っ越しなのでただの移動と思うかもしれませんが、そこはさまざまな人間関係が露呈してしまう恐ろしいイベントなのです。   私はポスドク時代に体験した引っ越しが印象的でした。何人もポスドク

          【解説】第21話 研究室のお引越しにゃ!

          【解説】第20話 研究者には単身赴任が多いにゃ!

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 夫婦のうちのどちらか一方、もしくは両方が研究者である場合、同居環境を維持することは極めて難しいです。理由はアカデミアの研究職は任期付きだからです。両方が同じ地域にパーマネントポジション(任期無し職)を獲得するまで、別居になる可能性は無くなりません。私自身も子供が小さい頃を除けば基本的にパートナーとは別居です。   このトピックでは単身赴任のいろいろな例を挙げましたが、別居の何が一番大変かって、それは「交通費」です。あと移動もか

          【解説】第20話 研究者には単身赴任が多いにゃ!

          【解説】第19話 プロジェクト研究を解説するにゃ!

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 大学で働いているというと一般の人は「大学の先生」と思うようですが、大学には先生(教員)ではない研究を行っている人が多くいます。   彼らは大学から給与を貰っているのではなく、ある特定の研究を行うために獲得した外部からの研究費で雇用されていることがほとんどです。このようシステムは大学外の人はあまり馴染みがないかもしれません。   採択されたプロジェクト研究の期間は3ー5年程度です。早く人を探さなければ期間が終わってしまいます。し

          【解説】第19話 プロジェクト研究を解説するにゃ!

          【解説】第18話 無給研究員って何にゃ!

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 第10話で「アカデミック女子の現実的なキャリアの歩み」を書きました(10話に戻ってみて下さい)。   後半戦は、なぜこういうことが起こるのか?実際にそれを望んでいるのか?望まないとしたらどうすれば良いのか?ということに回答して行きます。後半でもいろいろなトピックを取り上げていますが、クエスチョンは共通しています。   その第一弾として、「なぜ起こるのか?」という問題と「どう解決するか?」という答えとして1つの選択肢を示しました

          【解説】第18話 無給研究員って何にゃ!

          【解説】第17話 女性博士のリアルな現状にゃ!

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 ここから後半戦がはじまります。前半はアカデミアに関するさまざまな仕組みの紹介でしたが、後半では女性研究者を取り巻く問題を具体例を挙げて紹介していきます。プロローグでも述べましたが、人によって状況が異なるため一般論で語るのが非常に難しい職種です。そこをどのように表現するかさんざん迷った結果、博士を持つ女性研究者のいろいろなパターンを挙げることにしました。それが10匹の博士にゃんこさん達です。   1匹のキャラクターの中に私がこれ

          【解説】第17話 女性博士のリアルな現状にゃ!

          【解説】第16話 学振RPDを紹介するにゃ!

          まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載 研究者と子育てというキーワードで最も有名な制度が学振特別研究員(RPD)です。女性に限らず子育てで研究を中断したすべての研究者が対象となります。これまでの採択者の中には男性もいます。このトピックは学振が発行している「特別研究員-RPD制度」一〇年史 という冊子を参考に執筆しました。   私も出産前にはRPDについて調べたり学振に問い合わせたりしました。ただ、出産してから採択されるまでの時間が長いことから自分には関係ない制度だな

          【解説】第16話 学振RPDを紹介するにゃ!