【マンガと解説】第29話 Iにゃんとマオ先生の物語にゃ!
まとめ本に収録した第29話と解説の全文を掲載
第20話で不妊治療というワードがちょっとだけ出てきます。「別居婚」と「不妊治療」の話はWeb連載中ではここまでに留めました。でも、やっぱり描いておきたくて、第29話としてトピックを立てることにしました。
学位を取得してキャリアを重ねてからの妊娠・出産となると、どうしても高齢出産になってしまいます。個人差はありますが年齢とともに妊娠は難しくなってきます。不妊治療なども受けることが可能ですが、夫婦が離れて暮らしていると何かと困難な局面に遭遇します。
この第29話で、Iにゃんは働いていた研究所を辞めてマオ先生がいるネコ大に移動します。家庭内で何か問題が起こると女性側が辞めて移動するパターンが多く見られます。
これは女性よりも男性の方が出世が早いからです。
世帯単位で考えれば、より安定な方を確保するという選択肢を取ることが自然でしょう。Iにゃんもそのことが分かっているから「何で私の方が辞めるの?」と言いつつ、ミャオ先生の提案を飲みました。
対等なはずの夫婦関係にわずかな優劣がついた瞬間です。
女性の出世は男性より5年~10年遅いと言われています。このギャップの中でIにゃん、ミャオ先生のようなイベントが発生した時にこのような選択になってしまう家族は多いのではないかと思います。女性の方が先に安定したポジションを取るようなシチュエーションでは夫の方が妻の仕事に合わせて移動するパターンも見ます。
私も仕事を辞めて夫の生活基盤に移動したことがあります。この時、私が先にポジションを取っていれば・・・と何度も思いました。でも、そうならなかったのは私の力が足りないせいだとも思いました。
でも、そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
ここで「私の力が足りなかったせい」と結論付けてしまっては先に進めない。「今は私のターンではない。次のチャンスに向けて頑張る。」と切り替えるマインドが必要かもしれません。
そう、そして重要なのはミャオ先生のサポート。夫が妻の研究をサポートするスタイルとして自分の研究論文に名前を入れたり、と周りから反感を買う場合が少なからずあり、逆にそれを嫌がる夫は妻のキャリアにノータッチという2局化が見られました。
でもミャオ先生は子育ては自分がメインでやるから研究ガンバレというスタイル。
Iにゃん頑張って!