【解説】第22話 はがれないレッテルのお話にゃ!
まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載
私がこのエッセイ漫画全体を通して言いたいこと。それがこのトピックです。
要約すると結婚や出産をきっかけに移動すると「諦めた人レッテル」を貼られて、キャリアに繋がらない仕事に誘われやすくなるというもの。
まず、にゃんこ先生は出産・子育てで、なぜ辞めるのか?不思議に思っています。これは私が実際に女性の教授の先生から聞いたセリフです。
かつて任期制がなかった頃は、その場で頑張れば准教授・教授と昇進できたかもしれません。しかし今は任期有り・再任無しなのでそこで頑張っても先がありません。
単身子育てしている女性研究者は多いですが、先の無い場所で別居状態でいる価値が見いだせず、家族で子育てしながら次のポジションを目指そうという流れになるパターンは良くみます。Fにゃんもそういう選択肢を取りました。
この選択の副作用に「諦めた人レッテル」を貼られてしまう可能性が発生するということがあります。パートナーが働いていたら更に「そんなにお給料なくてもいい人」と勝手に思われます。
助教だった知り合いの女性研究者が移動して再び教員を目指して研究員として働こうとするものの、実験補助員としての雇用を提案されて困っているという話を聞いて頭を抱えました。
私も最近、20代の男性研究者から「旦那さんが教員だったら別にいいですよね」と言われてショックでした。別にって何だろう?いいって何だろう?
上の世代の女性研究者からも下の世代の男性研究者からも理解されない苦しい立場です。
レッテルを貼られるとポジションに声がかからなくなります。「別にいいですよね」ということだと思います。
研究をしっかりやるのは当然として、それだけでは周りには伝わりません。教員を目指して頑張っていることを積極的に言うことが大切だと思います。しっかり研究をやっていれば誰かが助けてくれるという受け身の姿勢はおススメしません。