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美味しい1冊

 一駅歩いて帰宅したら、思いのほか風が冷たくて冬の力強さに圧倒された昨日。そろそろ手袋も必要な時季なのかもしれませんね。

 寒さに対抗するには、やはり食べることは欠かせません。食欲の秋ならぬ冬にぴったりの1冊を紹介していきます。


私も頬張りたい”至福の味”

 至福の味、おふくろの味ともいえるかもしれません。1冊目は原田ひ香さんの『定食屋「雑」』です。

 

 私は離婚をしたことがない。だから、みさえが「カワイ子ちゃん」と呼ぶ主人公・沙也加の気持ちを理解することはできないと思いながら読み進めていた。相手の気持ちを慮ったり、推し量ったりすることで、人と人とは上手にかかわりあっていくが、それは本の中の登場人物でも同じことがいえるのではないだろうか。彼女の気持ちが理解できたのは、定食屋「雑」での夫とのやり取りであった。彼女は、訪れた夫に離婚届を手渡す。「ん?今のお客さんは?」「間違えましたって」「え」「いろいろ間違えちゃったんだって」短いけれど深い想いが伝わった場面。

『定食屋「雑」』|本のあらすじ・感想・レビュー・試し読み - 読書メーター

 人生だから、間違えるのだと思います。結婚も離婚も、出会いも別れも間違うこともありますよね。

 自分のことに置き換えて考えると、なかなか感慨深い1冊となりました。

自分にご褒美を与えよう

 2冊目は、大好きなおづまりこさんの『わたしの1ヶ月1000円ごほうび(2)」です。

 ひとり時間の達人のおづさんの第2弾も、ほっこり&おいしい、ときどきくすっとできますよ。

 朝からほっこりと清々しい気分で読了。シリーズ1も読んでいたのに、真似して実践していなかったなあと反省。今週末に1000円ごほうびをやってみようかなと、再び思い始めています。物価高なので1000円でできることは限られますが、その1000円の価値や中身を吟味することで、味わいが深まりそうです。イラストのタッチもふんわりしていて目にも優しい一冊です。

『わたしの1ヶ月1000円ごほうび 2巻』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター

A piece of cake

 英語表現で、朝飯前という意味ですが朝飯前にデザートを食べたくなるのがこの1冊です。

原田マハさんといえば、美術シリーズのイメージが強いのですが彼女の新しい一面を見た1冊とも言えます。

 感想は新鮮なうちに書くのが一番!なのですが、うっかり忘れていた1冊。決して面白くなかったわけではないです。むしろ、主人公の年代が自分に近いのもあって共感したり、共感しなかったりと、友達的な目線で読めたのが良かった。そして何より、心がほころぶ。そんなイメージをもてる「ケーキ」「お菓子」が登場する。甘党としてはうれしかった。休日にバナナケーキやプリンを食べながら読みたい1冊。レシピ本が出たらおそらく買う。そんなことまでも想像してしまった。最近、ちょっと心が疲れちゃったな、そんな人にも読んでほしい1冊。

『スイート・ホーム』|感想・レビュー - 読書メーター

誰かと飲みたい「ヴァン・ショー」

 ビストロ・パ・マルシリーズで一番好きなのが、この「ヴァン・ショーをあなたに」です。


ヴァン・ショーとは
 英語ではホットワインと呼ばれるヴァンショー。熱い赤ワインにオレンジやシナモン、砂糖で味付けした温かい赤ワインです。ヨーロッパ各国ではそれぞれのホットワインのレシピがあり、英語でグロッグと呼ぶところもあります。自宅やカフェやマルシェで手軽に飲めるヴァンショーは、飲むと体がぽかぽかと温まるので、フランスではショコラショー(ホットチョコレート)と並ぶ冬の人気の飲み物となっています。

体が芯から温まる! フランスの冬のお酒ヴァンショー [フランス] All About

 温かいヴァン・ショーが冷えた体とささくれだった心の隙間を満たしてくれる、そんな気分を味わったのを今でも覚えています。

まとめ

 実は、美味しい気持ちになれる1冊は、他にもたくさんあるので、第2弾として公開していきたいと考えています。

 日曜日の朝、温かいお部屋で気持ちも美味しいくなる1冊を読んでは、どうでしょうか。

 それでは最後までご覧いただきありがとうございました。第2弾でお会いしましょう。

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