フロイトとアドラーと原因と目的
違いは?
先日職場で心理学を学んでいない知人から
「アドラーとフロイトの違いってなんですか?」
と聞かれたのでざっくり雰囲気書き出してみます。
精神分析
フロイトは催眠術のシャルコーを訪ねその後は無意識の研究をしています。
心には役割があり、目に見えない構造を可視化しようという研究で、心理学が学問であるための可視化することは心理学にとって需要なものです。
エス/イド
生存欲求や承認欲求など生まれながら備わている本能。不快を感じること
を避けて快楽原則に従って生きています。また幼少期に抑圧された欲望が
溜っている場所とも考えられています。無意識の中心領域とも言えます。
自我/エゴ
自我は、エスからの要求と超自我からの要求と外部刺激から精神をコント
ロールする役割です。エスからの理性本能をブレーキをかける働きです。
エスの無意識に対し意識の領域とされています。
超自我/スーパーエゴ
善行をすすめ、悪行を禁止するという道徳に判断します。
精神分析では3つの構造論から無意識下に抑圧された感情をみつけ受け入れていく治療法で症状の軽減をします。フロイトは催眠術療法がうまくいかず
心に浮かんだことをすべて話すという自由連想法を用いています。
ちなみに
精神分析『学』としていますが、学問は科学という見方である一方
この精神分析が科学である証明としての「積層性」「再現性」「反証性」
があるかというと疑問がありますが、精神分析としてのフロイト・アドラ
ー・ユングは後の歴史に良くも悪くも貢献していると思います。
ジークムント・フロイト 原因論
フロイトと言えばエディプスコンプレックス。
エディプスコンプレックスは、ギリシャ神話からきており、
主人公は両親から神託を受け災いをなす子として放浪に出されます。
流浪中の道のある男性との道の譲り合いの小競り合いからある男性
を死なせてしまいます。主人公は旅の途中でいくつもの謎解きを経て英雄
となり、ある国の王が謎の死を遂げているという王妃と結婚します。後に
その国に疫病が流行りその原因を探りある予言者コンタクトを取ります。
謎の死を遂げた王が原因であることにたどり着くが主人公がある男の道の
譲り合いで死なせてしまったある男であり預言者から神託を受けた両親の
父であることがわかります。
神託は「父親を殺し、母親と結婚する」という話です。
男根期(3~6歳くらい)に異性の親に性愛を抱き、同性の親に憎しみが無意識内に存在するというのがエディプスコンプレックスです。
フロイトが活躍した1800年代は、宗教絡みから性に対し抑圧されタブーにされていましたが、こうした時代背景からフロイトはコンプレックスは全て性に関わっているとエディプスコンプレックスからも読み取れる事例でもあります。
(「危険なメソッド」に詳しく描かれています。素晴らしい映画ですよ)
ちなみに日本(江戸時代)では性に関し寛容でしたが西欧列強で西洋文化
と取り入れていく過程で盆踊りで乱交しているよな国は、立派な国として
認められないのでこうした性の乱れを教育しなおしてくことになります。
えっちなことはいけないことだと思います。みんなが言っています。と
いうような思想が広まるというバッググラウンドにシンクロニシティにも
関与してくるので心理学は奥が深いと感じます。
こうした研究の最中にフロイトは罪悪感を感じるようになっていきます。
ある時、尊敬する実父が亡くなり、その葬儀に遅れてしまいます。そんな中でもあったためか自己分析をしその中である夢を見ます。高名な紳士が尿瓶で用を足すというものです。フロイトは過去に寝しょんべんをし父に怒られたという記憶にたどり着きます。その時に抱いた父より優れる優越感、父を超えようとする願望があったことに気付きます。
原因論とは、過去の出来事が今を作っているという考えでありこのようにフロイトは考えています。ヒステリー(解離性障害:一般に広まているヒステリックイライラ女性とは異なります)の原因は幼少期に受けた性的虐待が原因とし発表しました。無意識に抑圧したものを身体症状ではなく自由連想法から言語化していくという作業です。
現在ではPTSDというような過去に原因があるものに治療していく過程にもつながります。コンプレックスという概念から過去の出来事から逆の方向へベクトルが向かうので無意識は意識とは逆の方向を向いているという考えであると思います。
アルフレッド・アドラー 目的論
※過去の記事にユングについて調べておりフロイトは少し理解してますが
アドラーはあまり詳しくありませんすいません。
アドラーは、精神分析のフロイト水曜会に招かれ元はフロイトの下で無意識について精神分析と関わりをもつようになります。しかしフロイトの無意識下にある性欲に対し無視しているとフロイトから批判を受け離反していきます。
アドラーは幼少期の病により声帯とくる病に悩まされて声帯にけいれんが起こることがありました。しかし患者からはいつも優しく語りかけ歌声はとても美しかったといわれており、このことから客観的に劣っている身体機能の劣等感が保障する役割があることに気付き優越コンプレックス理論を発展させていきます。
アドラーは、過去の傷は、現在も未来もその傷を負っているものであり、意識的にも無意識的にも心に刻まれているというものです。個人心理学は、社会生活に属する生活と社会が深く結びついており、そのうえでどう生きるかという考えであり、人の悩みは全て人に関わっているものと言われています。そのうえで、目標を達成するために将来の夢やなりたい自分について人生の意味や価値を見出していくという形です。
ちなみに、何のために生きて何を成し遂げるが、自分はどういう価値で
あり続けるか問い続けるという考えは欧米におけるスピリチュアル的な
思想にもあります。日本でいうスピリチュアルの神秘的なものの捉え方
とは違ってきますし受け取り方も相違があります。
キューブラーロス死のプロセス(否認 怒り 取引 抑うつ 受容)
の取引に神仏にすがったり善行を行うというものの中にスピリチャル性
があることになりますが、日本人的にはピンときません
というものですね。
極端な例でいえば、子どもに勉強しなさいということは、人間関係を円滑に進めるうえででは上下関係が生じてしまうため分離しなければならない言葉になります。この子が将来困らないように教えないと・・・という教えないとというのが優劣になってしまいます。他人の課題に土足で踏みにじるため本人ためにならないということです。勉強を頑張って良い点を取ってほめる行為は、能あるものがないものにする行為として子どもの承認欲求につながるため、ありがとう助かったよというように共同社会の一員としての実感することの方が望ましいとされています。
他者が自分をどう評価するのかは他者の問題だということです。
つまり、自分の価値は自分で方向性を見定めて自分で決めて人生を選択していくことということです。
アドラーはこうしたことから、過去の出来事体験は心に刻まれてはいるが、そこから自分の価値はどうのようにしていくか考えるということで、無意識のベクトルと意識のベクトルは同じ方向を向いている。心の扱い方を知っているのかということです。
まとめ フロイトとアドラー
フロイトは、コンプレックスから意識と無意識は別々の方へ向いているということと、
アドラーは、その過去からどう生きるかということで意識無意識を同じ方向を向いているということだと思います。アドラーは難しいです。
ちなみに精神分析3大偉人の(フロイトとアドラーと)ユングは、
心のエネルギーが内側に行く人 内向性
心のエネルギーが外側に行く人 外向性
思考 感情 直観 感覚でタイプ別に分け全8タイプのアーキタイプに
まとめています。アドラーが社会・生活と共同生活に深めたのに対し
心の方へ関心を持ち深めたものとなっています。フロイトともすべての
コンプレックスが性にあるのは違うということでフロイトから離反
しました。
聞いたり読んだりすることで曖昧なものの捉え方でしたが、私自身も自分で文字に起こしてみることで少し深みが出たように思います。何かにつまずいたり、立ち止まって昔を思い浮かべ、これから何をしよかと自分で実物の鉛筆とノートを使うと、心の整理につながると思います。