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あきやまなるみ
2020年8月8日 14:00
ほうきとちりとり がただ あるだけ静かに 並んでいるだけ でなぜ いじらしく よそよそしいのか恋人でもないのに
2020年8月17日 15:01
言葉、飾るほどに重くなってしまうひとつがひとつの椅子に座っていればいい よひとつの椅子に複数はいらない よ欲しいのは 意味ではない健気にたしかに添えられた ことば の美しいこと
2020年8月29日 08:36
雨は鳴るそこに落ちると鳴る屋根と水たまりとそれから 窓にも。みんなで傘をひらくと同じ音に紛れて わからないけれどひとりがおとなしく 傘をとじたときたしかに まぬけ顔を濡らした雨よほーら今、ここで鳴ったよ!
2020年8月24日 19:30
全くもっておかしな話だ。笑う理由などないのに声まで立てて拵えるとは逃げる前の見栄のようだ果てには様になるずり落ち方を真顔で思案し、ああ、「一瞬」に彩られながら。それは列車の閃光のように時間の席にひっそりと座っていて。
2020年8月10日 09:28
あらゆる口が ぽっかりひらいた。骨がなにを語ろうか。湯気を立ちのぼらせてなにを隠そうか。
2020年8月26日 23:00
ふと冬を想像する。引っ張り出した マフラーが「マフラー」の顔をしてこの首に巻かれると思うと、どちらが滑稽なのかわからなくなって可笑しくなるいつも過去だけが 未来へと大急ぎに 駆け回っているので。