見出し画像

コミュニティが生み出す価値 持続可能な成長のプロセス

BtoBのビジネスにおいて、顧客との関係性は成功を左右する最も重要な要素のひとつです。しかし、単に製品やサービスを提供するだけでは、真の顧客ロイヤルティを築くことはできません。そこで注目されているのが「オンラインファーストのコミュニティ戦略」です。
企業と顧客との深いつながりを築き、顧客からファンを生み出すための具体的なアプローチを「守破離」のステップで解説します。本記事では、各ステップのなかからポイントを1つずつ厳選し、お届けいたします。
これからのビジネスにおいて、オンラインコミュニティは不可欠な要素となるでしょう。すでにコミュニティを運営している方も、これから新たな顧客接点を模索する方も、コミュニティ戦略のアップデートに役立つこと間違いありません。

※本稿は、牛見 暁(あかつきんぐ)・著『顧客からファンを生み出すBtoBコミュニティ戦略 守破離の書』(ごきげんビジネス出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

1.【守】オンラインファーストが重要なワケ

オンラインファーストとは、オンライン上でコミュニティを構築し、運営を進めていくアプローチです。これにより、場所に縛られず、スピーディーな情報共有が可能になり、より多くのユーザーにアクセスできる、という大きなメリットがあります。とくにBtoB領域においては、顧客との関係構築においてオンラインファーストの戦略が非常に重要です。

オンラインコミュニティは、時間やコストを大幅に削減しながら、リアルのイベントよりも多様な参加者が集まりやすくなります。場所やスケジュールに左右されないため、参加のハードルが下がり、より多くの人々がコミュニティに参画できるのです。

一方で、オンラインファーストには特有の課題も存在します。オフラインの直接的な対話と比べ、関係を築くのが難しいことがあります。このため、コミュニティマネージャーは、オンライン上で信頼関係を構築するための新たなスキルが求められます。

オンラインファーストの成功には、適切なプラットフォームの選定やエンゲージメントの高め方、リスク管理が欠かせません。適切な運営体制を整え、顧客と深いつながりを築くための戦略をもつことが、オンラインコミュニティの成功につながるでしょう。

2.【破】コミュニティ運営のために知っておきたい4つの確認事項

2020年以降、ウィズコロナやニューノーマルの影響でオンライン化が加速しました。それまでオフラインファーストが主流だったコミュニティ運営も、対面で会う機会が激減し、手法の見直しを迫られました。
では、オフラインでの接触ができないからといって、コミュニティを運営する意味がなくなったのでしょうか?
その答えは「NO」です。オンラインでも、適切な手法を用いれば企業とユーザーのつながりを築くことが十分に可能です。

オンラインコミュニティを立ち上げる際には、重要な確認事項を押さえておくことが必要です。これらの確認事項は、コミュニティの成功率を高め、施策の効果を最大化するために欠かせません。

以下、立ち上げ前に確認すべき4つのポイントを見ていきます。

①社内の合意形成と終了条件の確認

コミュニティ施策は長期的な取り組みです。即座に成果が出るものではなく、時間をかけてユーザーとの関係を育んでいく必要があります。そのため、まずは社内で「長期施策である」という共通理解を形成し、トップからの理解を得ることが大切です。また、終了条件をあらかじめ設定しておくことで、適切なタイミングで効果を評価し、コミュニティを続ける意味があるかどうかを会社として次の判断を下すことができます。

②コミュニティの目的とロードマップ設計

コミュニティを立ち上げる際には、その目的を明確にし、短期・中期・長期のロードマップを設計しておくことが重要です。これにより、目指すべき指標(KPI)を追いながら進捗を確認でき、途中で迷わずにすみます。とくに、コミュニティの成果が見えづらい初期段階では、具体的な指標をもとに議論し、合意形成を図ることが求められます。

③推進者の熱量と社内巻き込み力

コミュニティ施策を成功に導くためには、情熱をもち、社内を巻き込む力のある推進者が必要です。とくに、長期的な視点でコミュニティを運営する際には、途中でモチベーションが低下したり、外部からの圧力で中止に追い込まれたりするリスクが存在します。そうしたリスクを回避するためにも、強い意志をもったリーダーの存在が欠かせません。

④コミュニティ施策の立ち上げ判断軸

上記の確認事項のいずれか1つでも欠けている場合、コミュニティ施策の立ち上げを見送る判断も重要です。無理に推進しても、成功率が下がる可能性が高くなります。そのため、立ち上げ前には、自社の状況やリソースを冷静に見極め、成功に向けた基盤が整っているかどうかをしっかりと議論することが求められます。


コミュニティの立ち上げには多くの課題が伴いますが、これらの確認事項を事前に押さえておくことで、成功への道筋を確かなものにすることができます。

3.【離】コミュニティの進化論 5ステップで育む信頼と価値

コミュニティの発展には段階があり、その成熟度によって求められる対応策が異なります。コミュニティが高い成熟度に達すると、メンバー間の信頼関係が強まり、より大きな価値を生み出すようになります。ここでは、コミュニティの成長を5つの段階に分け、それぞれに必要な施策を紹介します。

第1段階:形成

この段階では、コミュニティはまだ形成されておらず、リーダーが方向性を模索している状態です。メンバーも少なく、コミュニケーションが十分に取れていないことが一般的です。ビジョンを明確にし、最初のメンバーに対する期待や役割を示すことが重要です。

第2段階:成長

コミュニティが次第に拡大し、メンバーも増加していきます。リーダーは新たなメンバーを積極的に募集し、コミュニケーションの増加とともに方向性が定まってきます。この時期には、メンバー間の交流を促進し、メンバーがコミュニティに参加しやすい環境を整えることが必要です。

第3段階:成熟

この段階に入るとコミュニティは安定した規模をもち、継続的に活動が行われるようになります。リーダーは新たな活動やイベントを通じて、メンバーの参加意欲を高め続けることが重要です。また、ここではメンバー同士の自主的な交流も生まれ、コミュニティ全体の活気が増していきます。

第4段階:定着

コミュニティが定着期に入ると規模は安定し、メンバー間の関係性が深まりはじめます。リーダーは、メンバー同士が助け合う仕組みをつくり、コミュニティ内での信頼関係を一層強化する必要があります。定期的な交流イベントやグループ活動が効果的です。

第5段階:融合

最終段階では、コミュニティは高度な連帯感をもち、メンバー間の信頼関係が非常に強固なものとなります。リーダーは長期的な目標を設定し、コミュニティの持続可能な発展を支える役割をメンバーに分担させます。こうしてコミュニティの自立的な運営とさらなる成長が可能となるのです。


コミュニティの各段階において、適切な施策を講じることが成功のカギです。成長期には新メンバーの募集、定着期には内部の関係強化、そして融合期にはリーダーシップの分担が重要になります。それぞれの段階での課題を理解し、対策を打つことで、コミュニティはより成熟し、メンバーにとって価値ある場となるでしょう。

関連書籍

『顧客からファンを生み出すBtoBコミュニティ戦略 守破離の書』
著・牛見暁(あかつきんぐ)/ごきげんビジネス出版/発売:2024年08月29日

▼本の詳細と購入はこちら

電子書籍版(Kindle)

紙版(ペーパーバック)

*   *   *

ごきげんビジネス出版のLINE公式アカウントでは、新刊情報、お買い得情報、noteに投稿している第一章全文や書き下ろしコラムの紹介、イベント・セミナーに使えるクーポンなど、生活や仕事に役立つ情報をお届けしていきますので、ぜひ「友だち追加」をしてください!
登録いただいた方に、オリジナルブックや動画など豪華三大特典付きです!!

↓↓「友だち追加」はこちらからお願いします↓↓

https://lin.ee/kP0bgQk

QRコードからも登録できます!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?