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体験型ワークで職場が変わる! 10分のアクションが生む大きな成果

現代の職場では、短時間で効率よく成果を出すことが求められています。しかし、そんな忙しい環境のなかで、チームの結束力を高めたり、メンバー同士のコミュニケーションを促進することが難しいと感じていませんか?
これからご紹介する「体験型ワーク」は、そのような課題を抱えるすべてのリーダーや管理職のために、即実践できるワークです。著者の木之上拓浩氏が19年にわたって1,000回以上の研修を通じて培ったノウハウが詰まったワークの数々は、ただのアイスブレイクにとどまらず、職場全体の心理的安全性を高め、メンバーのやる気と行動力を引き出すために設計されています。短時間で実施可能でありながら、驚くほど大きな効果を発揮します。
たとえば、体を動かすゲームで職場の活気を生み出したり、ミスコミュニケーションを防ぐための情報伝達ゲームで協力し合う文化を育てたりするなど、多岐にわたる手法です。
今回は、そのワークのなかから厳選し紹介します。各ワークは忙しいスケジュールのなかでも実施できるよう、シンプルで効果的な内容です。さっそく実践し、あなたの職場をより活気あふれる場所に変えてみませんか?
 
 
※本稿は、木之上拓浩・著『10分のアイスブレイクが心理的安全性を高める 人材育成と生産性向上に効く!体験型ワーク33』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

1.《職場関係の質を高める!》相手に伝わる「伝え方」とは? 2つの伝え方

■ワークの内容
主語を変えるだけで相手への伝わり方が変わります! 2つの伝え方を体験することで、相手に伝わる「伝え方」を学びます。

■ねらい&効果
●日本人は主語をつけて話す習慣があまりないため、とっつきにくいかもしれませんが、主語を変えるとどのような伝わり方になるか、その違いを体感できます。
●「Iメッセージ」を使うと相手に伝わりやすいことが学べます。

■所用時間
約10分

■進め方
1.全員にワークの説明をする
「相手に何かを伝えたいとき、主語を変えることで2つの伝え方があります。私たち日本人は主語をつけて話す習慣があまりないので、とっつきにくいかもしれませんが、主語を変えて伝えると、どんな伝わり方になるのか体験してみましょう」

2.YOUメッセージ(あなたを主語にした伝え方)を体験
「1つ目は、あなたを主語にした伝え方です。YOUメッセージといいます。皆さんが会議で素晴らしいプレゼンをしたとします。上司から次のようにいわれたら、どんな気分になるでしょうか? では、代表して〇〇さんにお伝えしますね。〇〇さん、素晴らしいじゃないか! さて、〇〇さんはいまどんな気持ちになりましたか? じゃあ今度は10歳年下の部下からいわれたとします。どんな気分になるでしょうか? 〇〇さん、素晴らしいじゃないですか! 〇〇さん、どんな気持ちになりましたか?」

3.Iメッセージ(私を主語にした伝え方)を体験
「2つ目は、私を主語にした伝え方です。Iメッセージといいます。皆さんが会議で素晴らしいプレゼンをしたことに対して、10歳年下の部下から次のようにいわれたら、どんな気分になるでしょうか? では、代表して〇〇さんにお伝えしますね。〇〇さん、私、感動しましたよ! さて、〇〇さんはいまどんな気持ちになりましたか?」

■効果を最大化するコツ
★参加者のなかから1人モデルになってもらい実演する!
参加者のなかの1人にモデルになってもらい、2つの伝わり方の違いを体感してもらうのがこのワークのカギになります。

★受け取り方の違いを引き出すことが大事!
メッセージを伝えたあとは、モデル役の方に「〇〇さん、どんな気持ちになりましたか?」と必ず聞いてください。YOUメッセージのときは、上司からいわれたときと10歳年下の部下からいわれたときでどのような違いがあったかを聞くとよいでしょう。
「上司からいわれたときは素直にうれしかったけど、10歳年下の部下にいわれたときは100%素直に受け取れなかった」などと、おそらく受け取り方に微妙な違いが出てくるはずです。
一方で、Iメッセージのときは、10歳年下の部下にいわれたとしても、「素直にうれしかったです」との感想が出ると思います。受け取り方の違いを通して、「Iメッセージが大事なんだな」と認識してもらうことがゴールです。

学びと活用のポイント
★YOUメッセージ(あなたを主語にした伝え方)とは?
ワークで体験した「あなたは素晴らしい」といういい方は、相手が主語なのでYOUメッセージといいます。これは相手をいいか悪いかでジャッジしています。上から目線なのですね。そのため、相手の受け取り方によってはイヤな気持ちになることも……。

★Iメッセージ(私を主語にした伝え方)とは?
「私は感動しました」といういい方は、私が主語なのでIメッセージといいます。これは自分の感想を述べているだけで、相手がいいか悪いかをジャッジしていません。そのため、相手の心のなかにすーっと入って受け取ってもらいやすいです。日頃から「Iメッセージ」を習慣化することをオススメします。

2.《部下メンバーの意欲を引き出す!》人は「欠けたところ」が気になるクセがある ゲシュタルトの欠けた輪

■ワークの内容
完全な輪と欠けた輪を見比べたとき、どっちが気になるでしょうか? 人は欠けたところに焦点が向きやすいことに気づくワークです。

■ねらい&効果
●人は欠けたところに焦点が向きやすい習性があることに気づきます。他人や自分の置かれた環境に対しても、欠点やミス、イヤなところが気になるため、つい批判的になったりするのです。
●意識して欠けてないところ(肯定面)を見るようにするなど、見方を変えることの重要性を学べます。

■所用時間
約2~3分

■進め方
1.ワークシート(図17)のスライドを見せ、数名に問いかける

「ここに2つの輪があります。皆さんは、どこがいちばん気になりますか? 皆さんが最初に意識するのはどこでしょうか?ちょっと伺ってみましょう。では、〇〇さんはいかがですか?」

2.ほとんどの人が「欠けたところ」が気になると答える
「なるほど、〇〇さんは、この欠けたところが気になるんですね。ありがとうございます。実は、○○さんと同じように、ほぼ99%の人がこの欠けたところが気になるんです」

3.なぜ欠けたところが気になるのか解説する
「私たちは頭のなかに『左のような完全な輪になってほしい』という願望や期待があるので、右のような欠けたところが目に入ると、『これ、期待に届いてない! 完全じゃない!』と感じて気になってしまうんですね。これを『ゲシュタルトの欠けた輪』といいます。無意識に自分の欠点やダメなところに焦点をあてては、心の状態を悪くしたり、他者の失敗や欠点を見つけては、叱責して相手の自己肯定感を下げたりしてしまいます」

4.視点を変えて、できてるところ(肯定面)を見ることの大切さを伝える
「でも、よく見てみると、欠けてないところ(肯定面)もあるわけです。欠けてないところって、できてることですよね。そのため、日頃から意識して肯定面を見るようにしましょう。相手の欠点ではなく、『これできてるね』と肯定面を認めてあげると、相手はスイッチが入って意欲が上がります」

■学びと活用のポイント
★苦手な人の肯定面を見つけるワークをやってみる!
【ワークの実施例】
「あなたが職場でいちばん苦手な人を1人、頭のなかでイメージしてください。その人の欠点やイヤなところではなく、よいところ(肯定面)はどんなことがあるでしょうか。いまから2分、時間を取りますので、その人のよいところ(肯定面)をたくさん考えてみてください。質は問いませんので、ブレストのように、とにかく数をたくさん出すことにチャレンジしてみましょう! では、はじめてください」

2分経過後

「ありがとうございます! 何個見つかりましたか?」
最も多く数を出した方に、「その人のよいところをたくさん出してみて、どんなことを感じましたか? 気づいたことを教えてください」と感想を求めると学びが深まります。

3.《部下メンバーの意欲を引き出す!》思い込みや先入観に気をつけよう! 9つの点

■ワークの内容
9つの点すべてを通る一筆書きを考えることを通して、思い込みや先入観の弊害に気づくワークです。

■ねらい&効果
●思考の枠をはずして、やわらかい頭で自由に発想することの大切さに気づきます。
●いかに私たちが無意識に思考の枠にとらわれてしまっているかを実感し、「当たり前に思っていること」や「みんながやっているから」といった先入観や思い込みの弊害を理解できます。

■所用時間
約5分

■進め方
1.ワークシート(図18)の問題を説明する
「ここに9つの点があります。この9つの点すべてを通る一筆書きを考えてください。ただし、使える直線は4本。曲線はNGです!」

2.準備ができたらスタート
「では、はじめてください。2分くらいでやってみましょう。白紙を用意して、実際にペンを走らせて、書いてください」

3.正解例(図19)を見せ、答え合わせする

「では、正解例をお見せします。ポイントは『はみ出す』ことです。うまくできなかった方は、9つの点でできている『四角の枠組み』を、おそらく無意識に思い浮かべたのではないでしょうか。そうすると、その枠のなかでなんとかしなければいけない、という発想になるので、うまくいかないわけですね。その四角の枠組みのことを、固定観念とか思い込みっていいますよね。でも、その枠組みや思い込みをはずし、自由な発想で眺めると、はみ出すという別のやり方が見えてくるわけです」

■効果を最大化するコツ
★ワーク中にできている人を見つけたら褒める!
ワーク中にできている方を見つけたら、その場で「おっ! ○○さん、スゴイじゃないですか! できてますね。頭やわらかいですね!」と褒めてあげると喜んでくれます。承認欲求が満たされるため、本人の意欲が上がります。また、それを聞いた周囲の方は刺激を受けるので、より積極的に取り組むようになるでしょう。

★自分の思考を制限する「思い込み」や「先入観」を振り返る!
実際にやってみると、ほとんどの方がうまくできずにおわります。そして、正解を見た瞬間に「あ~、そっか!」となります。頭がかたくなっていることに気づくのですね。
なぜ、頭がかたくなってしまうのでしょうか。私たちは生まれてから環境に適応するために、さまざまな考え方を身につけてきました。そのなかでもよかれと思って身についた「○○でなければならない」とか「□□であるべきだ」といった思い込みや先入観にとらわれてしまうと、時には我々の自由な発想を制限することがあります。そのため、時間があれば、私たちの発想を制限する思い込みや先入観はないか、振り返ってもらうといいでしょう。

■学びと活用のポイント
★私たちの思考や行動を制限する思い込みや先入観にはどんなものがあるか、振り返ってもらう!
【例】
「朝令暮改は避けなければならない」
「一度決めたら、最後までやり通さなければならない」
「私が平気なんだから、ほかの人もこれくらい平気でしょ」
「仕事は、こうあるべきだ」

ほかにはどんなものがあるか、書き出してみましょう。
「                             」
「                             」
「                             」
「                             」
「                             」

関連書籍

『10分のアイスブレイクが心理的安全性を高める 人材育成と生産性向上に効く!体験型ワーク33』
著・木之上拓浩/ごきげんビジネス出版 ブランディング/発売:2024年09月24日

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