(連載118)デュシャンの助言とクールベの出現:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2021-22年
前回からの続きです。
いや、本当に夢が実現したのか? なんて、考えれば考えるほど、
ほんとかよ?という気になってくる。
こんなにズレてる自分なのに? 本当に大丈夫なのか?
そんな事を考えている自分をただ奮い起こせるのは、
居直り
しかなった。
で、結論といえば、いつもの、、、
ま、いっか。
である。
話がそれますが、
この言葉、すごくスキで〜す!!
なんなら、自分の人生のモットーと言ってもいいかもしれません。
ちなみに、これと、笑う門には、ふく(服)来たるが、好きです。
し〜ん。
先に進みましょう。
それで、居直って、、、、、
見上げると、そこに立っていたのは、フランス人の男ふたり。
その一人は、
マルセル・デュシャンであった。
はい!!便器とモナリザの髭で有名な、この方です。
そして、彼は私にこう言いました。
彼のような現代美術の大スターになると、もう歴史を塗り替えた人なので、好き、嫌いでは語れない、デカすぎる存在。
昔からデュシャンは自分の指標でもあった。
ファンというよりも、彼から全てが始まり、自分の活動の道しるべ、立て看板みたいな、理屈ぬきのパーソナルなレベルであった。
我が家のベッドルームです。
そして、仕事部屋の彼のコーナー
彼の作り替えていった価値観、自分の世界の構築、ユーモアのセンス、制作に対する姿勢、社会との距離感、、、、。
何から何まで、彼のやる事なす事、全部正しい!!ような気がしていた。
ちなみに1980年代に作ったこの箱も彼の影響だし、
このショーもそうでした。
そんな彼が言うんだから、間違いないだろう。
チャットGPTに聞いただけでも、この言説は間違いない!と思ったのに、デュシャン様までもが、そういうなら、絶対にその通りに違いない。
そうだ。今なのだ。今に集中すればいいのだ。
それで、今、今、今と思っていると、もう一人の男が現れた。
それが、このギュスターヴ!!!クールベ!!!であった。
彼の事は今まで、ぼんやりとしか知らなかった。というよりも、全く知らなかった。
その昔、美術の教科書に載っていた「クールベさん、こんにちは!」という変なタイトルの絵くらいであった。
彼が私のところ(自分の脳内)に来たのは、
彼が自分の展覧会を自分で主催した、歴史上、最初のアーティストというのを知ってからだ。
え〜〜??
もうーーーまるで私じゃん?
と思ったのだった。笑
(アンタね。どんだけ? おこがましいにも程があるわ。笑)
だって、これ、自分でやったのですよ。
誰もやってくれなかったから、自分で主催しました。
この何億人という人口がいるのに、この私をゲストに呼んでくれる人がひとりもいない?という、この世界の7不思議!!
だから自分で自分を招いたのだ。
ギュスターヴ・クールベも同じじゃないか?
もう、そう思ったら、絵はもとより、彼がどんな人で、どんなことをやったのか? たまらなくこの画家のことが知りたくなって、
まず、この「クールベ大辞典」のようなものを買ってみた。
が。
これ、めちゃくちゃ分かりにくいんです。
もう、詳しすぎで、ビギナーの自分にはまったく、ついていけませんでした。
英語で読むのはもともと苦手で、もう、イライラしてきたので、日本語で書かれているクールベの本を2冊、買った。
まずは、彼という人をまず知ろう!と思いました。
それぞれ、すでに3回ずつ読んでみた。
(3回くらい読んで、やっと知識が残る、わが脳みそ。涙)
そして、日本での展覧会のカタログも。
他にはこの本。これは、かなり突っ込んだところまで、書かれていた。
翻訳なので、読みにくいところもあり、現在2回目の読書中。
これらを調べてわかったこと。
この人、マぁ〜ジ、
ハンパな〜〜いっ!
若者言葉ですみません!
驚いた時は、つい若者言葉になる、若づくりの60代です!
(あのね、、、。それ、言い訳にはならんから。逆に不自然ですから。)
実は、絵だけに限って言えば、もっと好きな画家がいます。
同じ時代だと、マネ=あの、なんと言っても、オシャレです!
そして、西洋絵画すべてから見ると、自分はベラスケスやカラヴァッジオが好きなのです。
なのですが。、、、
クールベの場合、こういう表面的?というか、表象=キャンバスの上の表現というレベルではなく(げーじつうんうんを乗り越えたところにいる)
ひとりの人間
あまりに、人間臭い!!
匂ったのだ!!
彼は、アロマなのだ!
アロマがアロマすぎて、むせかえるのであった。
何から何まで、いちいち、物議をかもしれ、それはもうデュシャンどころではない。政治的にも巻き込み、巻き込まれ、体制にも立ち向かい、女、子供は黙ってろ!という、マッチョで筋肉質で、山で、ばっきゅんバッキュン、動物を射止め、描き、男の中の男、男根魂と申しますか。。。。。苦笑
今でも、AIからは外されている絵「世界の起源」は、(これは後から知ったのですが、)デュシャンの遺作も影響を受けていると言われています。
ひえ〜、二人が繋がった!!!
私は、こうやって、調べれば調べるほど、どんどん、沼っていった。
寝てもさめても、クールベになった。
ちなみに、 これは誕生日のプレゼントに夫がくれたクールべのプリント。
私の神棚です。
こんな私のハマり具合いが、自分のアート活動に影響しないわけがありません。
自分の長年のプロジェクト、「汚れの首輪」シリーズで、自分の好きな人や興味を持っている人の、「服だけのポートレイト」というのを描いているのですが、今までは、こんなでした。
主に、ミュージシャンが多かったのですが。
ところが、ここに来て、このデュシャンとクールベが降りてきましたからね。
もう、絵を描くならこの二人しかいません。
それで、まずネットをしらべて、二人が着ている服を片っ端から抜き出しました。
デュシャン先生
クールべ大将
彼の場合は1800年代の人なので、写真が少ないので、自画像から。
すべて、襟元に集中です。
そして、これを元に絵を描き始めました。こんなかんじです。
これらをアートディーラーのデビッドに見せたら、今度のニューヨークの展覧会にさっそく出してくれる事になったのでした。
次回につづきます。
引き続きよろしくお願いします。
読んでくださって、有難う!
L*
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