【要約】家族の中のジェンダー(著:土肥伊都子)
本文は、ジェンダーの発達科学の第6章より。最近、2022年5月に出版された本です。
はじめに
家族の中のジェンダーと性別役割分業
ジェンダーの中核となる性別役割分業
日本の性別役割分業は従来、「男性=仕事、女性=家庭」であったが、近年の「男性=仕事、女性=仕事と家庭」と女性のみ二重負担を引き受ける傾向を「新・性別役割分業」という。こういった現象が伝統的な家父長的価値観の裏付けを持つことで、ジェンダーの不平等感を生み出している。
家族における性別役割分業の心理的影響
しかし、夫婦関係においては、必ずしも夫婦の経済格差が主従関係につながるわけではない。そして、「男性=仕事、女性=家庭」と役割を分業している夫婦よりも、両者共正規雇用で経済的負担を分担している夫婦や、子育てについての役割分担が柔軟に取れている夫婦の方が主観的幸福度が高い傾向にある。
家族の中のジェンダー化
子どもの性別とジェンダー化
一般的に、作動性は男性に、共同性は女性に求められる傾向がある。家庭内においても社会と同様に、一つの家庭内でジェンダーによる役割を求められて育てられる傾向がある。
親の養育行動におけるジェンダー
(割愛)
家族の多様化
アロペアレンティング
アロペアレンティングは今後も進むだろう。両親と実子からなる核家族でないような家族に対する受容度は、ジェンダー平等意識のある家庭(のこども)の方が強い傾向にある。
ひとり親家族、同性愛者カップルの家族
ひとり親家族においては、母親1人の場合に経済力不足、父親1人の場合は子供とのコミュニケーションや包括的なケアの不足が見られた。これは性別役割分業の結果とも言える。
海外の研究では、男性の親の存在が子供のジェンダー化を促進していることが示唆された。
非婚化・少子化時代の家族
日本においては、伝統的な価値観から来る性別役割分業へのデメリットや法的に許容される家族形態からの逸脱が社会から容認されず、結婚に対して消極的になる人が増えているのではないか。