Globedoctter's Diary

医師で国際協力の仕事をしています。主にグローバルヘルス、医療政策、公衆衛生、国際協力と家族、等のテーマで徒然なるままに執筆しています。記された内容は全て個人の見解です。

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医師で国際協力の仕事をしています。主にグローバルヘルス、医療政策、公衆衛生、国際協力と家族、等のテーマで徒然なるままに執筆しています。記された内容は全て個人の見解です。

マガジン

  • WHO日記 (旧JPO日記)

    外務省JPO派遣制度をきっかけにWHOで働いていた時の話

  • 内省

    振り返り等のパーソナルな内容が含まれているので、有料にしています。更新は不定期です。

  • グローバルヘルス業界でのキャリアの話

    なんだかんだキャリア形成に関する記事が増えてしまったので、まとめることにしました。

  • 国際協力とプライベート・家族の話

    国際協力とプライベートや家族の両立についての苦労話など

  • 保健システムの比較分析

    自分の勉強のために、低・中所得国を中心に保健システムの現状をまとめてみました。

最近の記事

GPW14とは何か

以前執筆したこちらの記事だが、なぜか定期的に読まれているようだ。確かにWHOの総合事業計画(General Programme of Work; GPW)について日本語で解説した記事は少ないが、そんなにGPWに興味がある日本人がいるのだろうか? 2024年5月の世界保健総会(World Health Assembly; WHA)で、GPW13の後継となるGPW14が採択された。これだけGPW13に関する記事が読まれたのだから、GPW14の解説記事も需要がありそうだ。というこ

    • 私が某国際機関を去った理由

      前職の退職投稿はいずれ書こうと思っていたのが、本帰国、妻の出産、子育て、転職、現職からの海外派遣等でバタバタしてしまい、だいぶ日が空いてしまった。書きかけの原稿をしばらく放置していたのだが、いつまでも脱稿できないのは気持ちが悪いので、重い腰を上げて書き上げることにした。まぁ日にちを置いた方が過去を冷静に振り返ることができて、むしろ良かったかもしれない。 以下の記事には若干センシティブな内容も含まれているので、有料記事とさせて頂いた。しかし困難に直面して身の振り方に思い悩む若

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      • 生存者バイアスに基づく、国際機関職員の家族のあり様

        以前、国際機関職員の配偶者にまつわる問題について記事を書いたのだが、長く読まれているようだ。私だけでなく皆が悩むトピックなのだろう。 ↑では、各パターン毎にこのような場合があるよねという体で執筆したが、国際機関で長く働いている職員と話をしていると、家族のあり様に一定の傾向がありそうだと分かってくる。そこで本稿では、その国際機関で「生き残っている」職員の家族形態の中で、比較的多いパターンをいくつか列挙し説明したい。 仕事一本で独身を貫く国際機関のDレベルの職員で独身を貫いて

        • プライマリ・ヘルス・ケアの専門家になるのは容易ではない

          私は任地でプライマリ・ヘルス・ケア (primary health care; PHC) に関する仕事をしている。2018年のアスタナ宣言以降、グローバルヘルス業界ではPHCを再興しようというトレンドが若干あり、低/中所得国のPHC強化に焦点を当てたポジションやプロジェクトが若干増えている。私もそんなトレンドに乗り意気揚々とPHCの仕事を始めた訳だが(日本で家庭医をしていたこともあり、PHCは以前から関心領域だった)、つくづく難しい仕事だなと日々頭を悩ませている。 そこで本

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        • WHO日記 (旧JPO日記)
          18本
        • 内省
          15本
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        • グローバルヘルス業界でのキャリアの話
          19本
        • 国際協力とプライベート・家族の話
          4本
        • 保健システムの比較分析
          0本
        • 雑記
          18本

        記事

          JPO派遣制度への応募を検討している若者への、たった1つのアドバイス

          先日、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー (Junior Professional Officer; JPO) 制度への出願についてXで何気なく呟いたところ、普段よりもエンゲージメント⬆️だった。やはりキャリア系の投稿は需要があるんだなぁ… 私が外務省のJPO派遣制度に応募したのは5年以上前なので、試験の詳細は忘れており、試験対策等で気の利いたアドバイスをすることは難しい。じゃあ今更JPO受験に関する記事なんか書くなよ!と怒られそうだが、本稿ではJPO合格にも直結し、

          JPO派遣制度への応募を検討している若者への、たった1つのアドバイス

          2023年を振り返る

          今年も1年を振り返る時期がやってきた。

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          2023年を振り返る

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          保健システムのbuilding blocks別、アーリーキャリアの構築法

          グローバルヘルス業界のキャリア形成に関する記事はいくつか執筆しており、とりわけ保健システム強化の分野を専門性を確立したければ、まずは6つのbuilding blocksの中から1つを選択すべし!と以前指摘した。 とは言え、building blocksの1つを選んでも、更にその下に小分野がいくつか存在し、その細かい小分野毎に求められるqualificationが異なる。グローバルヘルス業界は他の業界よりも専門性がより細分化している。その求められるqualificationを

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          保健システムのbuilding blocks別、アーリーキャリアの構築法

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          コロンボ生活立ち上げマニュアル

          赴任地における生活立ち上げの経験を記録するべく、過去には「ジュネーブ生活立ち上げマニュアル」なる記事を執筆したことがある。 クアラルンプールに赴任した際は、日本語での情報が既にネット上にたくさんあったため、同様の記事は書かなかった。今回コロンボ編はどうしよう?と思っていたのだが、引越しする過程でネット上に情報が多くないと感じた。どうやら新型コロナ&経済危機の影響で、在留邦人の数がグッと減ってしまったようだ。 上記のような状況を踏まえ、私が2023年現在のコロンボでの生活は

          コロンボ生活立ち上げマニュアル

          国際機関をクビになった場合の出口戦略(保健分野)

          JPO試験に受かるのも大変ではあるが、JPO後も国際機関に残り、10~20年と働き続けるのは大変である。変な上司に当たってしまったとか、仕事で成果が出なかったとか、資金がなかった等々、日本に戻らなきゃいけなくなることもあるだろう。医療職の場合は臨床に戻るという手もあるのだが、可能なら国際協力や公衆衛生の仕事を続けたい(=再び海外に行くチャンスに恵まれた時に職歴的にプラスになる)とも思う。 そこで本稿では、国際機関を退職して日本に戻ることになった場合に、どのような働き口がある

          国際機関をクビになった場合の出口戦略(保健分野)

          「向こう5~10年で獲得したいスキル」を振り返る

          WHOに入職する前に、こんな将来こんなスキルを獲得したい的なことをブレストして記事にまとめたことがある。 久しぶりに思い出したので、当時の考えが妥当だったのか否か、5年越しに振り返ってみたい。また当時見落としていたが重要なスキルについても検討してみた。 取り上げたスキル語学(特に英語以外の国連公用語) 過去5年間ほとんど勉強しなかった。JPO2年目にWPRO管内に異動してしまったので、英語以外の国連公用語を学ぶインセンティブが失われてしまったのだ。また専門知識を増やすこ

          「向こう5~10年で獲得したいスキル」を振り返る

          WHOの採用プロセスを理解する

          最近ふと気づいたのだが、WHOの採用プロセスについて、このnoteで一度もまとめたことがなかった。まぁ自分が生き残るのに必死だったのと(これは今でもだが)、人様に能書きを垂れる程の記事を書ける自信がなかった、という理由はあるかもしれない。でも何度もWHOの採用プロセスを経験して、結果が良い時も悪い時もあったが、自分の中でノウハウが血肉化され、語れることが増えてきたと感じている。本稿では、その辺を中心にまとめた。 確かにWHOの採用プロセスは大枠では他国際機関と大差ない。じゃ

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          WHOの採用プロセスを理解する

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          国際機関職員の配偶者の仕事と帯同に関する深い悩み

          過去の記事でも言及したが、多くの国際協力従事者にとって、配偶者の仕事をどうするか、それに伴い配偶者が帯同&同居するか否かは悩ましい問題である。特に国際機関職員は海外赴任が長期化する可能性があり、しかも赴任先は不便な途上国であることが多い。長くても数年間で日本に帰国&復職できる、JTC駐在員の妻/夫とは状況がだいぶ異なる。 どんな家族の形が正解なのかは人によりけりで単一な正解がないが、どのような選択肢があるのか、まず理解した方が良いだろう。本稿では、以下の以下のような四分表に

          国際機関職員の配偶者の仕事と帯同に関する深い悩み

          国際機関における専門性の構築:直線的が良い?回り道が良い?

          ツイッターでたまたま↓のような興味深い投稿を見つけたので、本稿でも少し考察してみたい。 要は専門性を構築するプロセスとして、特定領域で直線的に積み上げるパターン(左側)と、周辺領域も含めて多様な経験をする中で積み上がっていくパターン(右側)の2つがある、という話である。実際には右側のパターンが多いよね、というツイ主の意見には同意できる。そんな私も右側のパターンである。 一方でWHOには(他の国際機関は知らないが)左側のパターンの職員も、それなりにいる。例えば、WHO本部で

          国際機関における専門性の構築:直線的が良い?回り道が良い?

          NPOが幅を利かせている国事務所で若手Pスタッフがサバイブするには?

          本稿で取り上げるNPOとはNational Professional Officerのことである。国連の国事務所にはNPOと呼ばれるスタッフが大なり小なりいる。彼ら/彼女らは当該国の出身でinternational professional staffとは給与体系が異なるが、歴とした(日本的な言い方をすると)総合職である。他の国連機関の事情は分からないのだが、WHOの場合はNPOの多くは元保健省の役人である。入職する時点で既に保健省内に人的ネットワークを持っているので、それを

          NPOが幅を利かせている国事務所で若手Pスタッフがサバイブするには?

          途上国でも日本のような暮らしがしたい場合にかかる出費

          結婚すると、独身時代には考えもしなかった出費に直面する。筆者は海外で単身だったので、かなりミニマルな生活をしていた。国際協力関係者は途上国の物がない生活にも慣れているものである。 しかし配偶者ができたとなると、そう簡単に話は終わらない。こうした国際機関職員の配偶者(いわゆる駐妻/夫)の中には、途上国であっても日本でできたような暮らしをなるべく諦めたくない!と考える人がいる。まぁ人による部分が大きいとは思うが…。しかし途上国の環境に適応しろ!と一蹴する訳にはいかない。駐妻/夫

          途上国でも日本のような暮らしがしたい場合にかかる出費

          2022年を振り返る

          年末年始はバタバタしており、毎年恒例の今年の振り返り記事を投稿する前に年が明けてしまった。毎年やっていることを今年はやらないというのは非常に気持ちが悪いので、遅ればせながらサクッと振り返りたいと思う。 仕事年明けに直属の上司である事務所長が交代し、良くも悪くも仕事の仕方や事務所内での立場に変化があった1年だった。そうした環境の変化に柔軟に自らを適応させることが、組織人として生きていくコツなのかと学んだ。ただそれが悪いという訳ではなく、新しい上司の保健省へのアプローチの仕方等

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