JPO派遣制度への応募を検討している若者への、たった1つのアドバイス
先日、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー (Junior Professional Officer; JPO) 制度への出願についてXで何気なく呟いたところ、普段よりもエンゲージメント⬆️だった。やはりキャリア系の投稿は需要があるんだなぁ…
私が外務省のJPO派遣制度に応募したのは5年以上前なので、試験の詳細は忘れており、試験対策等で気の利いたアドバイスをすることは難しい。じゃあ今更JPO受験に関する記事なんか書くなよ!と怒られそうだが、本稿ではJPO合格にも直結し、国際協力のキャリア形成において重要なアドバイスを繰り返したいと思っている。
それは中長期的なキャリアの方向性を決めて、(JPO制度に応募する数年以上前から)コツコツと専門性を積み重ねることである。国際協力のプロフェッショナルとして目指すべき目標があり、JPOはその通過点である、というスタンスである。これの真逆は、JPOに合格することだけが目標であり、募集要項だけを読んで、応募資格をチェックリスト的に解釈してレ点を付けようとするスタンスである。
↑の投稿でも指摘したのだが、募集要項の応募資格はあくまでも「必要条件」でしかない。応募資格を満すだけなら、大卒後にどこぞの民間企業や病院で社会人経験を2年積み、欧米の大学院で修士を取得する(+その過程でIELTS OA 7.0やTOEFL iBT 100点ぐらいクリアできる)だけで済む。でも、そんな人材が国際機関に入職して何ができるのだろう?
JPO派遣制度の目的は、日本人の国際機関正規職員を増やすことである。P2とは言え、JPO期間中にそれなりに活躍できないと、あなたの上司もあなたに国際機関に残ってもらいたいとは思わないだろう。あなたはそれまでに積み上げてきた専門性や実務能力でひと勝負することになる。(過去の記事でも指摘したが)専門性の構築には時間がかかるし、そもそも分野を絞る必要がある。あなたの専門性と配属先でのTORが合致した時に成果が上がり、JPO後の残留可能性⬆️に繋がるだろう。
そんなの当然だろ!と思われるかもしれない。でも過去の私と同様に、大学生の頃からグローバルヘルスに興味あったのに、キャリア形成について甘い考えを持っている若者もいない訳ではない。たまに私もグローバルヘルスを志す若手医療従事者からアドバイスを求められることがあるが、その内容が『初期研修( or 専門研修)を終えた後にL●HTMで修士を取りました。専門分野は考え中です。来年のJPOに合格したいのでアドバイスください』(注1) みたいな感じ…であることがない訳ではない。欧米大学院で修士を取れるほど優秀&英語に堪能でありながら、キャリアの方向性が定まっておらず、選択&集中→専門性を武器に突き抜ける、ことができていない。本当にもったいないなぁ、と思う。
過去の記事でも言及したが、私は専門外の分野の仕事に(軽い気持ちで)挑戦してしまい、本当に非常に苦労した。こんな私がJPO後に同機関に残留できたのは、幸運だったからとしか言いようがない。これから国際機関で働こうとする若者には私と同じ轍を踏んで欲しくないので、本稿を執筆した。
注1:特定の誰かを指している訳ではありません。