旅三日目
防府市
雨は止まない。
ホテルで傘を借りて、防府天満宮へ向かい、うめてらすのカフェで遅めのランチ。
土砂降りではなく、いい感じの小雨だ。
催花雨が、天神さまの石段や鳥居をしっとりと濡らし、晴天では味わえない風情を醸し出してくれる。
防府天満宮というより、幼かったころからの呼び方、天神さまのほうがしっくりくる。
建物を出て、庭園を見て回る。
二階建ての建物が暁天楼。
坂本龍馬、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文ら、維新の志士たちもしばしば利用したという天満宮門前宮市にあった宿「藤村屋」の離れを移築再建した建物。
次に防府天満宮御神木を拝む。
わずかに雨足が強まった庭園を歩く。
多くの庭園を訪れた。
故郷の、人生の節々にお参りした天神さまの茶室 芳松庵の佇まいが、この日、最も深く美しく刻まれた。
「扶桑菅廟最初」
日本で最初に創建された天神さまを参拝する。
大石段を下りて、うめてらす斜め向かいの山頭火ふるさと館でゆっくりする。
午後六時
友人たちとの会食の場所へむかう。
旅四日目
墓参りのあと、料亭桑華苑で昼食
実家で仏様を拝み、墓参りをして墓前で父母に帰郷の挨拶、手を合わせる。
兄が予約してくれた料亭で会食。兄夫婦と私たち夫婦。
すべてがゆったり流れる 桑山の麓での昼食。
兄にごちそうしてもらい、恐縮。
穏やかな、穏やか過ぎる故郷が、今は愛おしい。
ふるさとの
水をのみ
水をあび
山陽本線で徳山駅に行き、のぞみ乗車、帰路に着く。
催花雨のころ
山口と防府
思い出をまた一枚
ふわりと
襲ねる。