てしがわらひろこ

編集、執筆。岐阜県出身。2020年7月沖縄へ移住。教育関係の出版社→フリーランス。 沖縄北部の今帰仁村にて小さな書店「はなうた書房」を月1回オープン。おもしろい夫(テッシー)と猫のワビとサビ。これからの暮らし方や働き方、ネコのしあわせを日々考えています。

てしがわらひろこ

編集、執筆。岐阜県出身。2020年7月沖縄へ移住。教育関係の出版社→フリーランス。 沖縄北部の今帰仁村にて小さな書店「はなうた書房」を月1回オープン。おもしろい夫(テッシー)と猫のワビとサビ。これからの暮らし方や働き方、ネコのしあわせを日々考えています。

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大切な人を看取るときがいつか来るとしたら、最期に何と伝えるだろう

10年前の冬、自宅で父を看取った。 1年半ほどの在宅介護を経て、最期のときは私と夫が側にいることができた。 余命は数ヶ月前から伝えられていた。覚悟はしているはずだった。 それでも実際にそのときが来たら、想像していた静かな気持ちとはまったく違う、何か激しい衝撃のようなものにおそわれた。 私は何も声をかけられず、ただ、弱くなっていく父の手首の脈を感じていた。 「ほんなら、またな!」 これが父からもらった最後の言葉だった。 ある週末、いつものように実家で夕飯を共にし、帰り際にかけ

    • 古民家と「はなうた書房」を取材していただきました

      2つのメディアにて、我が家と「はなうた書房」を取材していただきました。まとめてご報告します! 雑誌 「おきなわいちば」 沖縄の旬な情報がおしゃれにまとめられた「おきなわいちば」という雑誌があります。 昨年秋に「はなうた書房」を見つけていただいて、79号にて紹介していただきました。Webサイトの記事でも、さらに詳しく書いていただいています。 「おきなわいちば」さん Webサイトの記事はこちら ↓ 普段のお仕事で取材をすることはあっても、取材を受けるのは初めてのこと。記事

      • 「はなうた書房」 開店します

        沖縄北部の今帰仁村にて、小さな書店を開きます。月に1日だけ、というマイペースで開店させてもらいます。たからものにしたくなるような本、思わず人に贈りたくなるような本を集めます。 おひとりや数人で運営されている、比較的小さな出版社さんの本が中心です。 猫のワビとサビと一緒に、お待ちしています。 https://www.instagram.com/hana.uta.books/ ロゴデザインは、nagi pressの米須清成さんにお願いしました。 本と出会える場所を、今帰仁村

        • 家族や友人との距離は、無理につめなくていい

          NeWorkさん「#あの会話があったから」コンテストで選んでいただいた、父の看取りにまつわるストーリー。読んでいただいたたくさんの方に、感謝を伝えたい。  このストーリーには、伝えきれなかった背景がある。 父は、私が10歳のころに家を出た。母との離婚のためだった。 あの夜、なぜか一人で荷造りをしていた父。どこに行くのかとたずねると、「仕事が忙しいから、しばらく実家で暮らす」と答えた。 10歳の私はそれをしばらく信じていた。しかし何年か経つうちに、父はもう帰ってこないらし

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        大切な人を看取るときがいつか来るとしたら、最期に何と伝えるだろう

          #あの会話があったから コンテストにて「入賞」に選んでいただきました。 ありがとうございます。 https://note.com/info/n/ne6b273647cea

          #あの会話があったから コンテストにて「入賞」に選んでいただきました。 ありがとうございます。 https://note.com/info/n/ne6b273647cea

          春の朝、晴れていたら、会社に行かずに桜を見に行きたい

          「なぜ沖縄に移住したの?」という質問に対して、なんとかちゃんと答えられるようになりたいとずっと考えている。これまで「沖縄が好きだから」と答えてきたのだけれど、それでは伝えられていない気がしてきたのだ。 そんな中で最近、「春の朝、晴れていたら、会社に行かずに桜を見に行きたいから」という答えを一つ見つけた。 もともと、沖縄に住むということが実現しなくても、勤めていた会社は良きタイミングで辞めるつもりだった。コロナでテレワークが賑わう前から、編集の仕事は会社に行かなくても、いつ

          春の朝、晴れていたら、会社に行かずに桜を見に行きたい

          1ミリずつで、大丈夫

          ヨガを習い始めた。 近所で早朝にヨガ教室が開かれていると聞いて、夫と二人で通っている。 早朝の静かな時間に優雅なひととき……と言いたいところだが、体のかたい私にはとてもハードなひとときだ。 あぐらのまま両手を前にスーッと伸ばして、額を床につける、というポーズがあるのだが、ほとんど前屈できない。チラリと私の姿を見た夫に「新橋の酔っ払いのポーズ」と名付けられたりしている。 それでもやっぱり、鳥の声と、ヤギとニワトリの鳴き声を聞きながら、静かに自分と向き合う時間というのはかけ

          1ミリずつで、大丈夫

          「行動力がある」と思ったことがない

          先日ある友人から、「行動力があって素晴らしい」と言われた。 私が沖縄へ移住したこともそうだし、会社員時代の働く姿もよく知っている人なので、そのように見てくれているのだと思う。 褒めてもらえるのは嬉しいけれど、自分のことを「行動力がある」などと思ったことはない。謙遜とかではなく。 確かに沖縄移住は、大きな決断だったと思う。でも考え始めてから実際に移住するまでに、10年くらいかかっている。本当に行動力がある人だったら、ピンときた時にささっと準備を整えて行ってしまうのではないだ

          「行動力がある」と思ったことがない

          芭蕉でパナマ帽を編む

          今帰仁村で開催されている「ハチウクシ染織展」へお邪魔した。 「ハチウクシ」とは、旧暦のお正月からの2〜3日に行われる、新年の仕事始めの儀式のこと。沖縄では旧暦の元旦を新年としてお祝いする習慣が残っている。みなさん「あけましておめでとう」と言っているのが少し不思議で新鮮だった。 今帰仁村には沖縄を代表する伝統工芸の作家さんたちが多く住んでいる。「ハチウクシ染織展」には、藍染、紅型、芭蕉布の作家さんたちの作品が展示がされていた。 会場の一角で、エクアドルに渡ってパナマ帽の販売

          芭蕉でパナマ帽を編む

          さくら山! ずっと満開を見てみたくて、でもそんなにタイミングよく旅行には来られなくて。 ひとつ夢が叶いました。

          さくら山! ずっと満開を見てみたくて、でもそんなにタイミングよく旅行には来られなくて。 ひとつ夢が叶いました。

          沖縄では、桜が咲き始めました。 といってもほとんどがまだつぼみ。そのなかですでに八分咲きの木があるのが不思議。 写真を撮る人間をもろともせず、ジャマジャマ!と言わんばかりに飛び交うミツバチたち。

          沖縄では、桜が咲き始めました。 といってもほとんどがまだつぼみ。そのなかですでに八分咲きの木があるのが不思議。 写真を撮る人間をもろともせず、ジャマジャマ!と言わんばかりに飛び交うミツバチたち。

          自分が売るもの、作るものを愛すること

          8月まで勤めていた出版社の後輩に会った。 私はずっと編集部に所属していたけど、彼らは営業部の人たち。中堅の営業マンとして絶好調に活躍している世代だ。 彼らは出張で沖縄に来ていて、その日は取引先での営業の仕事を終えて、さらに接待も終えてから時間を作ってくれた。 深夜にも関わらず、彼らの話には熱気がたっぷり。今回の営業戦略のこと、今日現場で得た情報、こんなトークが効いたとか、これには全然興味が持たれなかったとか。 営業部の人たちは、ものづくりはしていないけれど、商品への愛は人

          自分が売るもの、作るものを愛すること

          Go Toで沖縄県内旅行をしてみた

          沖縄へ移住してからやってみたかったこと、それは沖縄県内の旅行。 Go Toの恩恵にあやかって、国頭村(くにがみそん)の「オクマプライベートビーチ&リゾート」に一泊旅行をしてみた。 国頭村までは自宅から30分ほど。帰れる距離のところに泊まるというのは何とも贅沢な気がして、「やっぱ帰ろうか」とか思うのかも、とあまり期待はしていなかった。 が、結果としては想像の10倍くらい楽しめた! 「オクマプライベートビーチ&リゾート」は、コテージがいくつも並ぶ小さな村のようなホテル。 敷地

          Go Toで沖縄県内旅行をしてみた

          インスタに、夫(テシ)が写り込んだ写真をアップすると、だいたい通常の3倍くらい「♡」がもらえる。 なぜ、、、

          インスタに、夫(テシ)が写り込んだ写真をアップすると、だいたい通常の3倍くらい「♡」がもらえる。 なぜ、、、

          沖縄の何もない村に、15年間も通い続けた理由

          「今帰仁村」という村をご存知だろうか。「なきじんそん」と読む、沖縄北部にある小さな村である。 人口は約9,300人。ショッピングモールもなければ、ドラッグストアもない。メインの道路でさえ信号は数えるほどしかない。「何もない村」である。 15年前、私たち夫婦は初めてその村を訪れた。そしてそれから毎年、年に3回ほど通い続けるようになった。そこまでその村に惹かれたのはなぜなのだろうか。 最初に訪れた理由は、有名な観光スポット「美ら海水族館」へ行く途中に通る村だったから。二車線し

          沖縄の何もない村に、15年間も通い続けた理由

          9日間、毎日2000字の記事を書く挑戦を終えて

          9日間、毎日記事を書いて提出するというゼミを受講した。 天狼院書店が開催している「ライティング・ゼミ」という講座。http://tenro-in.com/ 提出した記事には、毎日講師からのフィードバックがもらえる。そしておもしろかった(天狼院の基準を満たした)と認められた場合は、天狼院のサイトにその記事をアップしてもらえる。 これまで専門的に文章やライティングスキルを学んだことはなかった。仕事を通して見よう見まねで、ほぼ独学で身につけてきたようなもの。 自分が書いた文章

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