断酒で見えた不登校の誘因と克服のカギ
2023年9月18日(月祝)敬老の日・大安に“ほぼ断酒”をスタートし、きょうが12月25日(月)で約3ヵ月。月に2~4回の外との飲み会があって、完全な断酒とはいえませんが、健康診断で医者が褒めてくれるくらいの十分な成果です。
振り返ってみると、面白いのは断酒の成果が3日目から早くも出たこと。睡眠の質が大きく変わりました。いびきをかかなくなったのです。1週間たつと、周りから「痩せた」「顔がすっきりした」と言われるようになりました。
最初のハードルは断酒から10日後に設定されていた、大先輩たちとの飲み会。なんと私はその場で「ソーバーキュリアス」であることを表明し、付き合いの悪さを突っつかれながらもウーロン茶で3時間ほどの場を乗り切ったのです。ソーバーキュリアスとは、若者の間で静かに広がっている、お酒を飲まないスタイルがかっこいいという新しい生活文化を指します。「なぜ飲まない?」「医者に止められたのか?」などさまざまな追及がありましたが、私は自分の意思で酒をやめることができるという確信が欲しかったのです。
断酒の前まで、私は毎日ビール2リットルの飲酒を続けていました。休肝日はありませんでした。家にビールの500ミリリットル缶がたまっていくのが、視覚的にストレスになっていき、一気に断酒することを決めたのです。
仕事や生活のストレスをお酒で癒すという言葉をよく聞きますが、医者によっては、「お酒でストレスは緩和されない」と断言しています。脳の一部を麻痺させ、忘れさせるということはできるようですが、鎮痛剤と同じで対処療法にすぎず、根本のストレスを体や心で緩和できてはいないとのこと。逆にお酒をやめるなどして免疫力を高めれば、それが可能となります。断酒は、ストレスに勝つ重要なスキルなのです。
「お酒のない生活であなたは何が楽しみなのか?」とよく聞かれます。不思議なことに、あれだけ毎日飲んでいたビールをやめると嗜好も思考も変わりました。まず、これまで全く興味がなかった、かりんとうや最中アイスが大好きになりました。ただ、甘い物も脳に快楽ホルモンのシステムが作られやすく、毎日食べると“中毒”になってしまう危険性があります。そう、私は今、あらゆる“中毒”にならない、“依存症にならない”生活を確立しようとしているのです。
断酒2カ月半ぐらいまでは、ビールも他のアルコールも、空腹になると無性に飲みたくなりました。コンビニで手に取ったビールを手放す方法があります。一度ビールをカゴに入れてみます。その次に、「ノンアルコールでもいっか」と考えを変え、ノンアルをかごに入れます。続いて、シュークリームを手に取ると、ノンアルの時より脳から甘い物に対するドーパミンがあふれ出し、本物のビールもノンアルも必要なくなるのです。もう、シュークリームと水でOK。ちょっと前まで、そういう自分の脳と意志との闘いが繰り広げられていました。
この頃から、子供のころ大好きだった物などを手に取ったり、見たりすることでも快楽物質は脳から出るのではないかと考えるようになりました。私は平井和正氏の角川文庫版「幻魔大戦」の表紙が好きで、メルカリで20冊を大人買いしてみました。不思議とその古い本の表紙を手に取るだけで、何か満たされた気持ちとなり、お酒や甘い物に匹敵する“幸せな気持ち”になったのです。
さらには、健康診断を前にお通じが快調となり、これまでにない最高の体調を実感できるようになりました。いいお通じの時には、脳からエンドルフィンと呼ばれる、ドーパミンと違って中毒回路はできない幸福物質が出るそうです。こういう脳内物質を上手く選びながら幸福を感じていけば、心も体も健康な毎日が過ごせるのではないかと感じられるようになりました。健康と気持の良さとストレス緩和、いいことだらけです。
自律神経の乱れとストレスの関係が最近よく語られています。自律神経の交感神経と副交感神経の切り替えは、メンタルでも、喘息でも、アトピーでも、腸の動きでも、睡眠でも重要です。長々と書いていますが、不登校を克服するには、こうした体の循環がカギになると考えています。最近、肩甲骨はがしが整骨院やマッサージではやっています。肩甲骨裏の筋肉がほぐれると血行が良くなり、自律神経の切り替えがうまくいくようになって免疫力が上がるからなどといわれています。
鼻が詰まって、口呼吸をすることは、免疫力を大幅に下げます。鼻詰まりをなくすきっかけに、レーザー治療もアリです。医者からは「時間がたつと、レーザーで焼いた部分が治癒され、また鼻は詰まるでしょう」と言われましたが、20年、鼻は気持ちよく通ったままです。家族にもお勧めしました。そして、お酒をやめ、いびきをかかなくなり、睡眠が良くなって、私は今、健康や気持ちの良さを生きがいに生活を送れるようになりました。
不登校の時に、子供はよくゲームをしています。ゲームの刺激は脳にドーパミンを分泌させます。それでゲーム依存を誘発しているのです。他の行動より、「幸福ホルモン」ドーパミンが出るため、ゲームは魅力的に感じます。リアルな達成とは違う刺激での幸福感は、本人の人生にとってあまり必要なものとはいえないでしょう。大人の断酒、健康な食事、いい睡眠、いいお通じが、家族の免疫力をつくり、安易な依存物質や依存行動に惑わされない「常識」を生むのではないでしょうか。
大人がつくる社会は矛盾が蔓延しています。お酒は、通常摂取の量と致死量が極めて近く、現在であれば毒に認定される物といわれています。そうであれば、なぜ店頭で販売され、テレビCMでもうまそうにタレントが飲む姿が映され、適量であれば体にもいいように世界中に広まっているのでしょうか。きれいな水がない地域の水分として、また寒冷地域で体を温めるための飲み物として。本当にそれだけでしょうか?最も大きな理由は、政府が酒税を取れるからという見方です。国税庁のホームページによると、酒税は、明治30年代日露戦争を契機に財政需要を満たすべく国税の税収第1位となっていたとあります。現在は国税収入の2%弱にとどまっていますが、依然として政府にとっては重要な税収の柱なのです。そうした話は、他国でも同様。体に悪いお酒が世の中からなくならない理由です。
私は、お酒を「歴史的な 人類の矛盾の象徴」と今とらえています。3カ月前までは、考えてもみないことでした。大人社会への不信など、いろいろなことがつながり、自律神経の乱れが不登校の原因となっている可能性を伝えたく、大人が生き方をちょっと変えられる“断酒”の情報を上げさせていただきました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?