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か行の映画

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解散式(1967)

解散式(1967、東映、92分) ●監督:深作欣二 ●出演:鶴田浩二、渡辺美佐子、内田朝雄、渡辺文雄、金子信雄、丹波哲郎 時代の流れと共に暴力団が社会から排斥されるようになっていった時代、題名通り「解散式」のワンシーンから映画は始まり、タイトルバックで組の旗が燃やされるという絵力のある出だし。 対立する組の組長を刺殺し、8年の刑期から帰ってきた沢木(鶴田浩二)が主人公。 すでに組は解散し、そこで石油コンビナートの利権をめぐる争いが生じていた。 開発予定の土地には沢木の

怪談昇り竜(1970)

怪談昇り竜(1970、日活、85分) ●監督:石井輝男 ●出演:梶芽衣子、ホキ・徳田、佐藤允、高樹蓉子、加藤嘉、土方巽 石井輝男監督による日活作品という珍しい一品。 雨夜の出入りから始まるタイトルバック、笠と蓑を脱ぎ捨ておくれ毛垂らしさらし姿の背には竜、長ドス振りかざす梶芽衣子の殺陣が妖しく美しい。 囚人服(この時は髪も下ろしてる)も着物も喪服も似合ってるし、凛としたイメージだが、顔はけっこう童顔で可愛い。 オープニング時の抗争で関東立花一家二代目・立花明美(梶芽衣子

カイロの紫のバラ(1985🇺🇸)

原題: The Purple Rose of Cairo(1985、アメリカ、84分) ●脚本・監督:ウディ・アレン ●出演:ミア・ファロー、ジェフ・ダニエルズ、ダニー・アイエロ、エドワード・ハーマン、ジョン・ウッド、デボラ・ラッシュ、ヴァン・ジョンソン、ゾーイ・コールドウェル、カレン・エイカーズ、ミロ・オーシャ、カミーユ・サヴィオラ、ダイアン・ウィースト、アーヴィング・メッツマン、ステファニー・ファロー、デヴィッド・キー 映画好きの薄幸の人妻、セシリアが毎晩のように『カイ

陽炎座(1981)SEIJUN RETURNS in 4K

陽炎座(1981、シネマ・プラセット、139分) ●原作:泉鏡花 ●監督:鈴木清順 ●出演:松田優作、大楠道代、中村嘉葎雄、楠田枝里子、原田芳雄、加賀まりこ、大友柳太朗、麿赤児 DVD(デラックス版)も持ってるくらい大好きな作品だけど、繰り返し観たことはなく、今回初見以来10数年ぶりに観た。(SEIJUN RETURNS in 4K) TAISHO 1926 TOKYO のクレジットから始まるタイトルバックは流れる水の映像。 「だしぬけに失礼でございますが」の台詞、な

火事だよ!カワイ子ちゃん(1967🇨🇿)

原題: Hoří, má panenko(1967、チェコスロヴァキア、73分) ●監督:ミロス・フォアマン ●出演:ヤン・ヴォストゥルチル、ヨゼフ・シェバーネク、ヨゼフ・コルプ、フランチシェク・スビェト、ヨゼフ・ヴァルノハ、フランチシェク・デベルカ、ミラダ・イェシュコヴァー ユーロ開催に乗っかってヨーロッパ映画を観ていこうシリーズ。 チェコスロヴァキア時代のミロス・フォアマン監督初期作品。 「おじさん映画」というジャンルがあるのだとしたら前半はまさにそんな感じ。 後

枯れ葉(2023🇫🇮)

原題: KUOLLEET LEHDET(2023、フィンランド=ドイツ、81分) ●脚本・監督:アキ・カウリスマキ ●出演:アルマ・ポウスティ、ユッシ・バタネン、ヤンネ・フーティアイネン、ヌップ・コイブ、アンナ・カルヤライネン、カイサ・カルヤライネン アキ・カウリスマキは最高のアーティストでありながら、最高のマッサージ師だと思う。 つまり、余計なサービスは一切せず、こちらが押してほしいツボだけを見事に押してくれる。 クリエイターに対して「観ていて安心できる」というのが褒

河内カルメン(1966)

河内カルメン(1966、日活、89分) ●原作:今東光 ●監督:鈴木清順 ●出演:野川由美子、和田浩治、川地民夫、宮城千賀子、佐野浅夫 日活マークにほら貝の音がかぶさり映画はスタート。 主演の露子(野川由美子)の初登場はまず自転車こぎながらのお尻のショットから。 彼女の肉体の魅力というのを強調するような出だし。 この野川由美子が現代的な顔立ちというか表情豊かで本当に美人で可愛い。(野川由美子を検索すると中条あやみに似ているというページがある。確かに系統は似てる。)

関東テキヤ一家(1969)

関東テキヤ一家(1969、東映、92分) ●監督:鈴木則文 ●出演:菅原文太、待田京介、寺島達夫、桜町弘子、南利明、河津清三郎、天津敏、渡辺文雄、嵐寛寿郎、大木実 浅草のテキヤ、菊水一家の国分勝(菅原文太)を主人公にした映画。 ほぼ任侠ものと言っていいがヤクザではなくあくまで商売人という立ち位置がテキヤであり、そういった台詞が何度か出てくるし、二度と抜かないよう親分に封印の白い紐をドスに結われたりしている。 ただし見た目はほぼヤクザ。 序盤は男だらけのむさ苦しい画面の

関東無宿(1963)

関東無宿(1963、日活、93分) ●原作:平林たい子「地底の歌」 ●監督:鈴木清順 ●出演:小林旭、伊藤弘子、平田大三郎、松原智恵子、伊藤雄之助、中原早苗、殿山泰司 ブルーレイで観てみたシリーズ。 小林旭演じるヤクザの勝田を主人公とした映画。 若い割に昔気質のヤクザである勝田が組の勢力の後退を憂いながら、敵対する吉田組のヤクザの姉、岩田辰子(伊藤弘子)に恋をするという話を主軸にしながら、売られてしまった組の親分の娘トキ子(松原智恵子)の同級生、花子(中原早苗)やびっく

キシュ島の物語(1999🇮🇷)

英題: Tales of Kish(1999、イラン、72分) ペルシャ湾に浮かぶ小さなサンゴ礁の島、キシュ島の観光局が製作したオムニバス映画であるが、3人の名匠による短編集は観光映画という枠組みを超え、いわゆる一般的なイラン映画(…芸術的に高水準で鑑賞に堪えうる)として楽しめる。 第一話“ギリシャ船” ●脚本・監督:ナセール・タグヴァイ ●出演:ホセイン・パナヒ、アテフェ・ラザヴィ どこからともなく流れ着くSONYやらNIVEAやらの無数の海外製品の段ボール。 主

北の果ての小さな村で(2017🇫🇷)

原題: UNE ANNÉE POLAIRE(2017、フランス、94分) ●脚本・撮影・監督:サミュエル・コラルデ ●出演:アンダース・ヴィーデゴー、アサー・ボアセン グリーンランドの小さな村、チニツキラークへ教師としてやってきたデンマーク人の青年が体験する、異なる文化を持つ村での暮らしについて描いた半分ドキュメンタリー的な映画。 価値観の違いに戸惑いいらだちながらも徐々に慣れていく姿が描かれていて、特別大きなドラマは用意されていない。 グリーンランド語を覚える必要はな

木と市長と文化会館 または七つの偶然(1993🇫🇷)

原題: L'arbre, le maire et la médiathèque ou les sept hasards(1993、フランス、105分) ●脚本・監督:エリック・ロメール ●出演:パスカル・グレゴリー、ファブリス・ルキーニ、アリエル・ドンバール、ジェシカ・シュウィング、ギャラクシー・バルブット あるフランスの田舎町を舞台に、市長による文化会館建設の計画とそれに反対する人々とのやりとりをめぐる物語。 例えば”町を二分するようなドタバタコメディ”みたいなテイスト

逆噴射家族(1984)

逆噴射家族(1984、ディレクターズ・カンパニー=国際放映=ATG、106分)●原案:小林よしのり ●監督:石井聰互 ●出演:小林克也、倍賞美津子、有薗芳記、工藤夕貴、植木等 念願のマイホームを郊外に購入した一家が家の中で戦い合うという常軌を逸した作品。 床下に白アリを発見したところから家主・勝国(小林克也)の精神は次第におかしくなっていく。 それから勝国の父(植木等)がやってきてそのまま居着いてしまうところから平和だった家庭がクレージーな状態へと向かっていく。 白ア

恐怖女子高校 女暴力教室(1972)

恐怖女子高校 女暴力教室(1972、東映、79分) ●監督:鈴木則文 ●出演:杉本美樹、三浦夏子、須藤リカ、碧川ジュン、丘ナオミ、衣麻遼子、一の瀬レナ、司京子、穂積かや、川奈良子、東映子、松代薫、金子信雄、名和宏、松井康子、大泉滉、由利徹、女屋実和子、成瀬正孝、岡八郎、蓑和田良太、三原葉子、一の瀬健、那須伸太朗、京町一代、中村錦司、榊浩子、有島淳平、池玲子 まずはタイトル。 『恐怖女子高校 女暴力教室』 恐怖=暴力 女子=女 高校=教室 同じタイプの言葉を二度重ね。串