寿太郎という名のみかん、ご存知ですか?
こんにちは。グリーンハウスnote編集部、広報担当です。
日本全国その土地ならではの食材やブランド産品について、さまざまな自治体や関係者の皆様が、消費やPRに大変力を入れています。また、最も生産者と消費者の距離が近く、旬の食材が人々に届く地産地消の推進も盛んです。今回はそういった地域社会と私たちに関する最近あったイベントについてお話ししたいと思います。
高校生が考える地産地消
静岡県沼津市は2019年度に、地産地消の推進と市民の方へのPRを目的に、市内の高校生を対象に、「沼津の農産物を使用した地産地消メニュー」コンテストを開催されました。市長が試食もされ、考案されたメニューを市内の協力先で提供する試みも実施。グリーンハウスが受託する社員食堂が協力先の一つであり、昨年2月に「社食・学食等」部門のグランプリに輝いた沼津中央高等学校のチーム「TWO」が考案した、沼津の野菜・魚のうま味を最大限に生かしたメニューグランプリメニュー「Welcome to “NUMAZU”」を食堂で提供しました。
提供日にはメニュー考案をされた「TWO」の皆さんが食堂にお越しいただき、メニューをPRいただきましたが、この中で沼津地産カリフローレを蒸し野菜にした料理「彩り蒸し野菜」に添えられていた、ドレッシングに使用され甘味と酸味を加えたのが「西浦みかん寿太郎」でした。
「西浦みかん寿太郎」はGI制度に登録!
沼津市の誇るブランドみかん「西浦みかん寿太郎」、静岡県の公式ホームページ(平成28年3月更新)からその歴史を引用します。
「沼津市西浦・内浦・静浦で生産されるみかんの代表「寿太郎みかん」は、昭和50年、山田寿太郎さんが、栽培中の青島温州の一部に枝の節間が短く葉色の濃い変異枝(枝変わり)を発見したところから歴史が始まります。
山田さんは、この枝変わりの観察を続けたところ、たくさん実がなり、果実の着色時期が早く、甘みと酸味のバランスに優れた濃厚な味わいのみかんができることを確認しました。
その後、石川温州やカラタチに接木をして苗木を育成し、増殖を図り、「寿太郎温州」と命名しました。
現在では「寿太郎みかん」と呼ばれて親しまれ、沼津市のみかん栽培面積の5割を占めるまでに拡大し、出荷量では平成19年に青島温州を抜いてトップになりました。」
沼津の観光をPRするサイト、「沼津観光ポータル」には味などの特徴について「糖度の高さ、酸味と甘みのバランス、濃厚な風味が自慢で、12月に収穫したのち、貯蔵庫で温度と湿度を一定に保ち、1ヶ月~2ヶ月のあいだ熟成させ、甘さを引き出した高糖度系の本格貯蔵みかん」とあります。上記のメニューを提供した際にも、お客様からは「蒸し野菜にみかんドレッシングをかけるとデザート感覚で野菜が食べれた」とのご感想も頂きましたが、確かにおいしいみかんです。
令和2年11月18日には、全国で104件(11月当時)登録されている、品質や社会的評価など確立した特性が産地と結びついている産品について、その名称を知的財産として保護する制度である農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に、三島馬鈴薯、田子の浦しらすに続いて「西浦みかん寿太郎」が静岡県3番目の登録産品となりました。
「西浦みかん寿太郎」を使ったスィーツメニューを今年は提供
「西浦みかん寿太郎」のGI制度登録の時期に行われたのが昨年のメニューコンテストに続く「寿太郎みかんスイーツメニューコンテスト」。2020年9月3日から12月11日までを応募期間に行われたこのコンテストの結果は、2021年2月23日に発表されました。99作品の中から加藤学園高等学校の坂田 安美佳さんが考案された「寿太郎カスタードケーキ」がグランプリに選ばれ、今年も同じ社員食堂でこのメニューの提供を行いました。みかんの果汁入りのマドレーヌの上にみかんカスタード、その上に贅沢に丸ごと一つ西浦みかん寿太郎が乗った色彩も豊かなデザートです。
今回の提供に向けては細かい作業も多く、食堂スタッフは何度も試作を重ねました。
お客様の中には、西浦みかん寿太郎を召し上がるのが初めての方もいらっしゃり、地元の方に食材の魅力を伝えることの大切さを食堂スタッフも改めて知った次第です。また、高校生のアイデアの素晴らしさに感心されるお客様や「おいしかったからもう一つ頂きます」と言って召し上がるお客様も。忘れられないスィーツになっていただけたら嬉しいと思います。
地域の方の思いも伝える場としての社員食堂
社員食堂を運営する私たちは、「イベント」と呼ぶ普段のメニューとは違う特別なメニューの提供や、別のお店に勤めるシェフの招聘などを行っています。地産地消メニューの提供もその一つの形になりますが、編集部の私自身、昨年「Welcome to “NUMAZU”」の紹介をホームページで発信していながら、「西浦みかん寿太郎」のことをちゃんと認識したのは今回のイベントを通してでした。実際に見て、食べてみることはインプットの量が大きく変わり、そこから歴史や思いまでも学ぶことができる、食にはそんな可能性があると考えています。
薬膳や中国の医食同源には、旬の食べ物を積極的に食べることが食養生に繋がり、地域で生きていく上で、その土地の旬のものを食べることは健康を保つ術となるという考え方があります。遠くまで輸送をする必要がないことで環境負荷も軽減できる地産地消のイベントは地域の皆様やお客様に喜んでいただき、地球環境にも優しいものです。昨年、今年と沼津市の皆様が、社員食堂で地元の食材のPRを計画されたように社員食堂は多数のお客様に直接、思いや価値を直接お届けできる可能性を持った場所の一つです。全国規模で社員食堂の受託運営の仕事を進める私たちはこれからも、地域の皆さんの思いを届け、地域と私たちが一つになり、さらに新しい価値をお届けできるよう、地産地消イベントをはじめとする地域の皆さんと触れ合える一つひとつの取り組みを大切にしていきたいと思います。
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