見出し画像

第2弾!増補版が出た今だからこそ伝えたい!『観光客の哲学』の書評の数々

先月公開した、『観光客の哲学 増補版』の前身である『ゲンロン0 観光客の哲学』にいただいた新聞や文芸誌の書評。大変好評をいただいていてうれしい限りで、まだゲンロンに入社する前、ワクワクしながらこの本を読んでいた当時の自分を思い出したりしています、ゲンロンスタッフの野口です。

本日は好評にお応えして、さらにいくつかの記事をご紹介させていただきます!今回ご紹介するのは加藤典洋さん、鷲田清一さん、大澤真幸さん、古市憲寿さん、伊藤亜紗さん、斎藤哲也さん。いずれも一部のみの引用になりますが、ぜひご覧ください。


「まじめかふまじめかわからない」まま往還する自在で無責任な「観光客」のあり方にこそ、いま普遍につながる回路を目指すことの可能性がある、といわれる。
一見、意表をつく提言だが、哲学的、思想的裏づけは堅固。私はこの間読んだ哲学思想の本の中で、この本にもっとも激しく揺さぶられた

加藤典洋さん 公明新聞 2017年8月4日号

じっさい東氏はこれまで、言論空間(カフェ)と出版メディアを自ら立ち上げ、アカデミズムとは別の言論の回路を拓いてきた。「人文学の敗退」という難事をまるごと引き受けんばかりのその気合と骨太の立論に拍手を送りたい

鷲田清一さん 毎日新聞 2017年11月3日号
第71回毎日出版文化賞「人文・社会部門」評

19年前の『郵便的』が、東浩紀自身の思考の展開の中で誤配されて、『観光客の哲学』という子をもたらした。その子は、また親となって、別の子たちに誤配されていくだろう。それを私たちは寿ぎたい。

大澤真幸さん『新潮』── 2017 年 6 月号
「誤配は続く 東浩紀『観光客の哲学』を読む」

観光客という存在は、様々なコミュニティをつなぎ、もしかしたら戦争の抑止にもなるのかも知れない。哲学から時事問題を縦横無尽に渡り歩き、何とか希望をつなごうとする本書自体が、一つの観光の実践としても読める。とにかく比喩がわかりやすく、哲学書としては異様に読みやすい。

古市憲寿さん 『文藝春秋』 2018 年新年特別号
『二十歳の自分に読ませたい「わたしのベスト3」』

ふわふわと旅する観光客に、国家の枠組みを介さない新たな政治そして普遍の可能性を見出す試み。

伊藤亜紗さん 読売新聞2017年12月 24日号
『読書委員が選ぶ「2017年の3冊」』

本書は、さらに第2部「家族の哲学(序論)」と銘打って、「観光客が拠りどころにすべき新しいアイデンティティ」の探求へと接続されていく。
観光客と家族。⼀⾒、共通点のない⼆つの⾔葉が、「誤配」や「偶然」を媒介にして結びついていく。ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、ドストエフスキーの読解から⽴ち上がってくる「家族の哲学」もまた、「観光客の哲学」と同様、東浩紀だけが開拓しえた新しい連帯への⾜がかりであり、うんざりするこの世界に絶望しないための「希望の哲学」でもあるのだ。

斎藤哲也さん PRESIDENT Online 2017年5月24日公開
『東浩紀がついに打ち立てた「希望の哲学」』

先日の記事とあわせて、12名の方のコメントを紹介させていただきました。それぞれの記事の全文をこの場で紹介することは叶いませんが、その衝撃が伝わってきます。

そして、記事に目を通していると感じるのは「読みやすさ」への言及の多さです。「普段あまり哲学書は読まないんだけど……」という方も、「だいぶ分厚そうだしちょっと……」という方も、ご心配なく。
この夏、「観光」をキーワードに、哲学にトライしてみる。そんなきっかけになれば嬉しい限りです。

こちらでためし読みもできます!


さらに近日、『訂正可能性の哲学』も刊行されます!
大澤真幸さんの記事の中にあった『郵便的』こと、存在論的、郵便的──ジャック・デリダについてから四半世紀。
書いて、話して、実践してきた東浩紀がたどり着いた新たな哲学とは。ただいま予約受付中です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?