geekdrums_diary

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https://note.mu/geekdrums がゲーム音楽以外の好きなことを書くノート。 Twitter: https://twitter.com/geekdrums

マガジン

  • 思考整理

    自分の思考をまとめたノート

最近の記事

借りた金を返すためにはゾンビを作っても良いのか?「負債論」を読んで考えた

「負債論 貨幣と暴力の5000年」「ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論」などの著書で知られる人類学者、David Graeber(デヴィッド・グレーバー)。惜しくも2020年に59歳の若さで亡くなり、最近刊行された「万物の黎明」は遺作として今まさに存在感を放っている。 私は数年前に「ブルシット・ジョブ」を読んで大変な感銘を受けた。なぜ社会に必要とされる仕事はお金がもらえず、なぜ社会の役に立たない(あるいは社会に害をなしている)と”働いている本人すら葛藤を抱く”よ

    • 2023年の仕事と生活を振り返る

      去年は怒涛のアウトプットの年だったのですが、今年は水面下でいろいろ準備する年……という感じでした。 色んなところで講演したゲームメーカーズスクランブル 「ゲーム音楽を彩る「インタラクティブミュージック」の進化の歴史」講演 ゲームゼミxPLANETS 現代ゲーム通信 『Hi-Fi RUSH』から考えるゲームと音楽の関係史 出演 ラジオ「アフター6ジャンクション」 カルチャートーク:プレイヤーの操作によって、曲調が変化していく仕組み「インタラクティブミュージック」とは

      • Outer Wildsで「宇宙の法則に触れた」感触がこの手に残っている

        本ブログは、Outer Wildsという傑作SFアドベンチャーゲーム(人によって「Portalに並ぶ」とか「Undertaleに並ぶ」とか「グノーシアに並ぶ」とか、とにかく人生で最も衝撃を受けたタイトルに比肩すると表現される)をクリアした私が、既にクリアして他の人の感想を漁ることしかできない所謂「Outer Wildsゾンビ」の方々に向けて自分の感想を記すもので、未プレイの方にネタバレを読ませる気は一切無いため、有料設定にしてあります →無料化しました。が、未クリアの人は読ま

        • FE風花雪月の紋章xタロット本から読み解く、大アルカナの構造分析

          「ファイアーエムブレム風花雪月を300時間で3周してからが本番だった話」の、本体がこの記事です。FE風花雪月をクリアした後にネットを探してたらここ最近読んだ文章の中でぶっちぎりで一番面白いブログ↓にたどり着き、そこからいかにこの世界や物語が膨大な知識に裏打ちされて作られていたのかに震え、タロットという今まで触れていなかったものの面白さに気づくきっかけとなり、ゲームを起点として興味の幅が広がっていった、という流れでした。 なんぼでもリンクを置いておくからとにかく読んでくれとし

        借りた金を返すためにはゾンビを作っても良いのか?「負債論」を読んで考えた

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        • 思考整理
          11本

        記事

          ファイアーエムブレム風花雪月を300時間で3周してからが本番だった話

          基本的にネタバレなしで、最後だけちょっとネタバレあり(手前で予告します)という構成にします。 公式サイトからわかる情報では (公式の情報も見ないでやりたいという人は注意) というわけで、作りからして興味を惹かれる構成になっています。 私はファイアーエムブレムは「覚醒」しかプレイしたことなくて、にわかの部類ですが、風花雪月はやたらとコアゲーマーからの評価が高く、気になっていました。 発売してわりとすぐに買ってプレイはしてたんですが……私の長考癖も相まって……時間がかか

          ファイアーエムブレム風花雪月を300時間で3周してからが本番だった話

          2022年の仕事と生活を振り返る

          今年は携わっていたものが一気に発表されて怒涛のアウトプット年になりました。2021年からやっていた仕事が多く含まれるのですが、体感この1年は2年分くらいの密度がありました。 2022年1月Ludo-Musica II Stage 2  「ゲームならでは」の音楽体験 キュレーター&記事執筆&動画制作を担当 株式会社ゲームフリーク様開発『Pokémon LEGENDS アルセウス』発売 サウンドプログラマーとして参加 「Splatoonを通じて向き合う人間の弱さ」執筆 自分

          2022年の仕事と生活を振り返る

          「異性装の日本史」を見てきたメモ

          異性装というのは歴史を通して常に大衆を惹き付ける魅力のある文化であり、また、同時に性別に対して社会的に与えられる役割や力というものを借り受けるために本人の性的自認や性的指向に関係なくそうした営みが常にあった、ということがよくわかる展示になっていた。 展示のビジュアルというよりは、テキストから得られる情報がかなり多かったように思われる。(逆に、テキストがないと、それぞれが「男装なのか、女装なのか、男性なのか、女性なのか」といったコンテキストをすぐに読み解くのは難しい。とくに浮

          「異性装の日本史」を見てきたメモ

          理性の神話

          最近、メディアにあふれる論理性の無さに絶望する機会が多かった。論理性や合理性といったものは物騒な兵器のように思われており、大きな影響力を持つ人の言葉ほど共感や同調をベースとし、結果として立場の違う者同士の議論がまるで成り立っていない。論理性の持つ真の力、すなわち、普遍性を大切にすることで共感ができない人にも理解を促すという力が活かされず、そのような言説はほとんど塵のようにしか扱われない。 世界がなぜこんなに論理を蔑ろにするのか、と嘆いていた昨今。 書籍「啓蒙思想2.0」と

          理性の神話

          「月曜日のたわわ」広告をめぐる対立についての私見

          「月曜日のたわわ」をめぐる以下の記事を発端として、Twitter上ではフェミニストとオタク(と大雑把に分類しますが)の対立が起こりました。 私も月曜日のたわわの読者の一人として、これが社会からどのような判定が下されるのか、興味深く見守っていました。賛否ともにできる範囲でいろんな意見に目を通して、大きく違和感を抱いたことがあります。それは、 なぜ、共通の敵である「性犯罪者」という存在を脇目に、「フェミニストVSオタク」あるいは「女VS男」が対立しているように見えるのか、とい

          「月曜日のたわわ」広告をめぐる対立についての私見

          ブースター接種を終えて、これからの世界を考える

          こんな記事を書いたのも、もう8ヶ月前です。私はちょうどこの時に1回目の接種をして、昨日3回目の接種を終えました。 世間の空気は完全に様変わりしたように思います。実際に、状況も大きく違います。多くの方がワクチンの少なくとも2回接種を終えたことで、ピーク時の感染者数が以前の波の5倍近く(8月の五輪が開かれていた時に全国で2万5千人の感染確認、2月には全国で10万人の感染確認)なのに、死者数は2倍程度(前回のピーク時で100人死亡、今回のピーク時で200人死亡)くらい、しかも前回

          ブースター接種を終えて、これからの世界を考える

          コロナ禍での生活の変化を振り返る2021後半編

          前回に引き続き、後でコロナ禍の生活を見返せるように記録しておく。 一応、前回の最後に書いていたことを引用しておくと では実際どうだったか。 2021年7月 当たってますね……いや予想よりも悪い…… 7月にはワクチン接種の1回目が(ありがたいことにわりと早く)予約ができていたのですが、それが間に合うかどうかかなり不安な感じで感染者が拡大しており、「絶対にワクチン接種前にかかりたくない、そんなプロテス詠唱完了前に物理属性の必殺技食らうみたいな事になりたくない」という一心で

          コロナ禍での生活の変化を振り返る2021後半編

          東京が戻ってきた

          本当に良かった。 毎日感染者数に不安とストレスを抱え続ける日々は終わった! 一時的かも知れない。でも終わったことは確かだ。今本当に嬉しい。 半年くらい、本当に家から一歩も出ずに我慢し続けていたので、今はその反動で、狂ったように外食している。 とはいえ、元から大人数で集まって飲み会なんてやりたいタイプではなく、もっぱら「一人でモーニングを食べに行く」とか「夫婦でランチやディナーを食べに行く」程度であり、そんなの緊急事態宣言中も普通にやってた人が多いんじゃないのってもので

          東京が戻ってきた

          ドラゴンクエストの音楽

          人生で初めて遊んだゲームは ……ポケットモンスター緑なんですけど。 その後にやっていたのがドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド(GB)でした。 当時の冒険は音楽とともに私の心の奥底に深く突き刺さっています。 個人的には、GBのあの音色で聴くのが一番良い。多分思い出補正もあるんですが、力強く、それでいて表現力のあるサウンド。音数が少ないのに、細かなアーティキュレーションとアルペジオの調整で磨き上げられた表現が好きです。 「広野を行く」とかね 「地平の

          ドラゴンクエストの音楽

          このままだと東京はどうなるか

          東京は医療崩壊真っ只中だが、もう出せる手も出し尽くしていて、あとは成すがままに「しっかりとやっていく」という気持ちだけで対処するらしいので、おおよそ(暗い)未来が見えてきた感じがある。 この意見は本当にもっともで、「治療体制をどれだけ拡充してもそれは(もちろん助けにはなるが)後手でしかない」ことが理解されていないようだ。それはなぜか。 定数で増やすものと指数関数的に増えるもの指数関数とはなんぞや、ということは長くなるので別の機会に解説したい。とにかく放っておくとやべーほど

          このままだと東京はどうなるか

          「五輪が原因で感染拡大してないから良かった」ではない

          既に「五輪が直接感染拡大には寄与してないから良かったじゃないか」と「五輪開催は間接的に感染拡大に寄与したから悪かったじゃないか」がぶつかりあっているが、論点はそこじゃないと思っている。 感染リスクを最小限にするためのリソースを平等に与えずに五輪にだけ与えることを、政府が勝手に決めたことをこそ問題にすべきだ、と主張する。 実際に今回の五輪から直接出た感染者は、国内の感染爆発状況に比して悪いものではなかったと思われる。 大会関係の感染者は計430人 …… 内訳をみますと、選

          「五輪が原因で感染拡大してないから良かった」ではない

          状況整理2021/7/30

          五輪と感染拡大の因果関係●五輪関係者からの感染が寄与したかどうかで言えば、まだ大した量ではないし、影響が出るとしてもこれからだろう。 ●むしろ、選手が感染して競技に参加できないことによる意義の喪失や、選手が自国に変異ウイルスを持ち帰るリスクの方が懸念される。 ●「現在の拡大状況は五輪関係なく起こった」これはデルタ株の影響なので実際ほぼそうだと思うが、その規模や速度は違ったかもしれない。 「五輪は安心安全」のメッセージが最大の間違い ●「五輪は安心安全」のメッセージが最大

          状況整理2021/7/30