gaku-wata
野球の神様がもたらす幾多の奇跡。
私は小学3年生から今に至るまでずっと野球をやっています。かれこれ15年以上になりますかね。 その15年間やってきた野球を通して技術はもちろんのこと、日常の社会生活に生かせる礼儀作法や状況の捉え方・物事の考え方なども学んできました。 その学んだことをアウトプットしていきながら、野球をやっている人にも、野球をやっていない人にも、生きるためのヒントを何か提供できればと思い「note」を始めてみました。 最初の記事は「イレギュラーバウンド」から学ぶ「人生論」についてです。野球で
内野の守備で、ゴロを捕球する際、よく正面にすぐに入ってボールを捕りなさいと言われるが、これは実は半分あっていて、半分間違っている。 飛んでくるゴロのボールに対して、正面でそのボールを捕球するまで見続けていると、ボールが1点でしか見えないため、そのボールがどういう速さで、どういうバウンドで、どういう軌道で来ているかを見誤り、ミスをする確率が上がってしまうということがある。 では、何が正解かというと、ボールを捕球をする寸前まで、ボールが飛んでくる一歩横に自分の身体を持ってきて
「ばっちこいやーー」 「しまっていこうぜーー」 「よっしゃー、こいー」 野球を本気でやっていた小・中・高のとき、 当たり前のように、大きな声を張り上げて、気合いを入れていた。 社会人5年目ともなった今。 あの頃のように全力で声を出す機会はめっきりなくなった。 小さな声でボソボソと。 社内のプレゼンでも、そこまで声を張り上げなくても相手に届くぐらいの声量で話せば充分。 大きな会場で話すときでも、マイクという声の味方がいるから、大きな声で話す必要はない。 むしろ、全力
私は今、東海汽船。向かうは大島。 多忙な日々は息詰まる毎日だった。 攻めていっているはずなのに、なかなか突破口が見つからない。 ヒットも重ねたはず。 送りバントも確実に決めたはず。 相手を徹底的に分析したはず。 だけど、肝心な最後の決め手に欠ける。 答えはいったいどこに。 息詰まった状況の中、一度心が逃げ出したくなった。 攻めれば攻めるほど見えなくなるトンネルから抜け出すために。 状況を打開する一手を見つけ出すために。 広大な海と山の中に、果たして答えはある
ついうっかりやってしまいがちなのが家の鍵のかけ忘れ。 たとえかけ忘れていなかったとしても、外出して10分後に「あれ?鍵ちゃんとかけたっけ?」という不安にしばしば苛まれる習いである。 ただ、本当に鍵をかけ忘れる時というのはだいたい決まっている。 それは焦っている時!遅刻しそうでギリギリな時!これに限る。 野球のタッチアップ。これはランナーがノーアウトがワンアウトで三塁にいる状況で、バッターが外野フライを打って、サードランナーが一度三塁ベースに帰塁してから、外野手の捕球と
「カキーーン!!」「カキーーン!!」「カキーーン!!」 バットくんは初回から連打を浴び、4失点を喫した。 そのウラ、相手チームのピッチャーがマウンドに立つ。彼はこの決勝戦まで1失点も許すことなく、ここまでの4試合を勝ち上がってきている。 「ふうっ。今目の前の一球一球に集中しよう」 そう心に誓ってピッチャーはワインドアップポジションに入る。 このピッチャー、小学生のころは結果が出るとすぐに舞い上がってしまう性格を持っていた。ちょっとでも良いピッチングをするとすぐにだれ
プロ野球 コロナに負けるな! 6・1 9
「ホームランあべしんのすっけ、ホームランあべしんのすっけ、ホームランあべしんのすっけー、、、"し"ん"の"す"け"ーーーーーーーーーーー!!」 姉の職場の接待用のシーズンチケットの余りを譲ってもらって、月に1回程度東京ドームにプロ野球の試合を観に行くと、きまって必ず大きな声を張り上げてジャイアンツを応援している、50代後半くらいの、陽気で、少し髪の量に歳を感じるおじさんが私の2つ前の席に座っている。 毎回そのおじさんの大ボリュームが、その周囲の席に初めてやって来た接待客た
バットくん中学3年生の最後の大会。 今年もチームは順調に勝ち上がり、全国大会出場まであと1勝のところまできた。 今日勝てば、昨年のリベンジが果たせるというわけだ。 しかし、神様の様子はいつもと違う。なんとなく冷淡な視線で、試合5分前のグラウンドの様子を眺めている。 前の日に、野球の神様の分身たちとの話し合いが行われていた。 「ここまで勝ち上がってきている明日のチームのピッチャーはええピッチャーやぞ。ここ3年間黙々と努力を続けてきた様子が彼の人差し指と中指のマメの厚さ
バットくんの第2打席目が回ってきた。 「ここまで俺以外に対しては9割ストレートしか投げていない。俺以外に、カーブが初球カウントをとるために2回、フォークが勝負球で1回、それだけだ」 頭の中でここまでの配球の展開をめぐらせながら、打席へと向かう。 ネクストバッターサークルにいるとき、ピッチャーの視線をなんとなく感じていた。それに気づいた瞬間、バットくんはピッチャーがバッターに投じた真っ直ぐのボールにあえてタイミングを外してボールを振ってみた。 「きっとネクストでの俺のイ
高校3年生の夏。 甲子園をかけた地方大会の初戦、9回ウラツーアウト満塁。バッターボックスには、2年生からレギュラーとして出場していて、広角に打てるシュアなバッティングが持ち味の、同級生Mが立った。 試合はほぼ互角でここまで進んでいた。前半5回までは、うちのチームが流れを掴みきれずに3点を失い、打つ方も2安打に封じ込まれていた。 しかし、後半に入りうちのエースは完全に立ち直り、6回以降をほぼ完璧に抑え込んだ。そして、打線のほうもつながり始め、6回に1点、7回に1点、8回に
自分たちが使ったところは綺麗にならす!これはとても大切な心得。 グラウンドは正直だからちゃんと整備をしていないと、エラーやケガなどを招くことになる。 日常生活でも一緒。自分の使ったところは綺麗にするとか、使ったものはもとに戻すとか、そういうことをしていないと、忘れ物が多くなったり、頭が煩雑になって作業が滞ったり、仕事で大きなミスをおかしたり、そういうことにつながることって往々にしてある。 だから、自分の使ったところを綺麗にするというのは大切な心得。 だけど、「使ったと
高校野球でよく見る光景の一つが、バッターランナーのファーストベースへのヘッドスライディングである。 実は、普通にダッシュで一塁ベースを駆け抜けるのと、ヘッドスライディングで一塁ベースに到達するのとでは、普通に駆け抜けたほうがわずかに一塁ベースに到達するのが早いらしい。 だから、内野ゴロで一塁セーフになる確率をわずかでも上げるためには、駆け抜けた方が理にかなっているというわけだ。 じゃあ、ヘッドスライディングなんかするのはアホくさいじゃないか!セーフになる確率は下がるし、
バットくんがケガから復帰して初めての練習試合の日だ。 ここまで3ヶ月間、かつてないほどに野球の思考を学んだと思うからのぉ。今日は一つ楽しみじゃな。 神様もバットくんのケガからの復帰を喜んでいた。無論ここまでバットくんを苦しめたのは神様の仕業ではあるのだけれど、ちゃんとバットくんが立派に成長して戻ってくることを神様は心からずっと待っていたのである。 バットくんは4番ライトで先発出場。さすがにここまでの期間身体をまともに動かしていないため、バットくんの体力を考慮してピッチャ
だれでも綺麗なヒットやホームランを打つことに憧れる。きれいに結果を残す人は、やっぱりかっこよく見えるし美しく見えるから。 だから、自分もそうなりたいと思って努力する。 だけど、その反面、そんな努力しているところなんか誰にも見せたくないし、結果がきれいに残せるようにバカみたいにガムシャラに頑張っているところを見られるのは恥ずかしいと思っちゃう。 けっこうプライド高い人は、結果を出すやつはカッコいいけど、結果を出すために必死に努力して頑張ってるやつはカッコ悪いって思う節があ
今日はチームが練習試合の日。 バットくんはバックネット裏から試合の様子をみている。 野球の神様もバットくんのそばについて試合の戦況を見守っている。 無論、野球の神様は神様としての仕事をするためにグラウンドに来ているのだが、反面でバットくんの成長を間近でみたいという思いから、わざわざこの試合を選んで足を運んだということもある。ほぼバットくんの専属神様みたいなもんでもあるから。 今日は両チーム投手戦の形にしていくつもりじゃ。こういう時にこそ、バッテリーの配球の癖というのは