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”We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentlemen”

We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentlemen
             ザ・リッツ・カールトン・ホテル カンパニーL.L.C
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 前職がホテルマンということもあり、サービスに関する書籍をいまだに読むことがある。「【リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと】林田正光」は自分がホテルマンだった頃に手にした本であり、すでに10年以上が経過している。それから、いくどかの転職を経験し、今では業種のまったく違う仕事をしているが、10年以上経った今でも、仕事をする上での心構えとして、会社員として同僚や上司、取引先のお客様に対応する際、自分なりに基本的な理念として持っているものがある。

 それが、”We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentlemen”である。日本語に訳すと「わたしたちのお客様は紳士淑女です。そのお客様をおもてなしする私どもも紳士・淑女であるべきです」

 この言葉は、ザ・リッツカールトンのゴールドスタンダード(企業理念)のモットーとして、リッツカールトンのWEBサイトにも記載されている。
https://www.ritzcarlton.com/jp/about/gold-standards

 この言葉は、サービス業や接客業を経験したことがない人からすると、なんてことない、どこにでもあるような言葉に聞こえるかもしれない。
 ただ、サービス業や接客業を一度でも経験したことがある人であれば、誰もが納得し、共感を呼ぶような深みのある一文であると理解できるのではないかと思っている。

 ホテルには様々な事情でお客様がやってくる、そこで働いているスタッフも様々なシュチュエーションで、多様な事情を持つお客様に満足して頂けるようなサービスを常に提供しなければいけない。
 答えは一つではないのだ。
 お客様の数だけ、サービスの形が存在し、サービススタッフはその時々に、そのお客様にあったサービスを選択しなければならない。
 中には、理不尽なご要望をされるお客もいるかもしれない。

 そんな時、私たちは紳士・淑女であるという矜恃を持ちながらお客様と向き合うことで、ホテルのコンセプトを失わない形で答えを見つけ出すことができる。

 それくらい、この言葉は大きい。

 なにか判断に迷ったとき、立ち返る理念がある。そんな理念をもった人は強い。これは、サービス業や接客業に限ったことではなく、全ての業種にあてはまると思う。自分はどのような姿勢で今の仕事と向き合うのか。また、仕事仲間や取引業者に対し、どのように対応すべきなのか。

 会社の理念がどこにあり、どの方向に向かっているのか。複数人で仕事をする場合、常にそれを確認していく必要がある。

 個人として事業をされている方も一緒であろう。言語化していないだけで、おそらく、その方自身の理念があるはずだ。

 仕事をしていく上で、どのような理念を持って取り組むべきなのか。何を理念にしていくべきか。そしてそれをなるべく端的な一文にし、社員全員で共有する。簡単なようでいてとても難しい。

 新型コロナウィルスにより、宿泊業、飲食業の方々は多大な影響を受けているはずだ。苦渋の決断をを迫られている人も多いと思われる。そんな方達が自分たちの理念と理想のもと、仕事ができる日が1日でも早く来てくれることを願っております。


 

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