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低アミロース米について

天穂のサクナヒメ公式インタビューの感想会です。

前回は社会科教育用キットを用意して田植えについて学んでいたという開発陣について知りました。

低アミロース米

ゲーム開発団体のえーでるわいすでは米に関する文献を読み漁り、時に国会図書館で資料を集めたそうでした。

ここで彼らは、いかにすれば人間が美味だと感じる米を育てられるのか、を主題として文献を探したとの。

回答となるジャンルは「低アミロース米」に関係する文献にあり、かなりの件数読んでいたと話しています。

東北農業研究センターによる解説

東北農業研究センターが低アミロース米についての資料ページを公式サイトで取り扱ってくれています。

こちらを参考にすると、アミロースとは米の7割を構成する澱粉のこと。

さらに澱粉の内訳がアミロースとアミロペクチンであり、低アミロースとは文字通りアミロースの含有割合を下げることであると記載されていました。ページ内に明細な画像が用意されているため、簡単に理解できると思います。

アミロースの含有量を下げることで、ねばねばが強くなります。これは、当該ページでは米の美味しさの指標となっています。

ねばねばが強い=旨い

ということ。

センターはまず、米の旨さの定義として澱粉の含有量の多寡による、ねばねばしていること、を挙げています。

粘りが少ない、ぱさっとした米に対してそうは感じないとしており、少なくともこちらが低アミロース米を取り扱う上での前提となるようです。

したがいまして、カリフォルニア米やタイ米を日常的に摂取されている方向けの記事ではないことをご了承いただければと思います。

粳(うるち)/糯(もち)

こちらの前提に従うと、当該ページ内でも主題としている「低アミロース米は冷めても旨い」に結びつくようであるとわかります。

このアミロースですが、日本ではとりわけ普段の食卓で並べられる普通の米=粳米に17~23%含まれるそう。わかりやすい例として秋田小町や一目惚れ、こしひかり等が挙げられています。

一方、粳米ではない種は糯米であり、漢字は違いますがいわゆる餅にして食べる為の米であるということ。アミロースを含むか含まないかで選別されるようです。品種としては黄金糯、ひよく糯があるようで、こちらは初めて知ることとなりました。

糯米は餅になるため、前段落におけるその粘り方はかなりのものであるということです。つまりアミロースの割合が0であると。

糯米の澱粉は、すべてアミロペクチンで構成されているそうです。

究極の低アミロース米とは糯米のことなのでしょうか、とも思ったのですが、ゼロでは無アミロースと言わなければなりませんね……

低アミロース米の作り方

低アミロース米は、アミロースの含有割合が全体の3~17%となるように出来上がったものと定義されていました。明らかに粳米よりは含有量が少ないですが、糯米よりは多いですね。

センターの説明に依ると、粘りが目立つだけでなく艶があり、柔らかくなるとの記載もあります。副次効果なのかはわかりませんが、とりわけ人間にとって食欲を刺激できるであろうそのような利益しかない効果まで発生するとは驚かされます。

米には登熟時期というものがあるそうで、こちらは穂が出現してから、米が実際に実るまでの時期だということです。この時期に気温が低くなることでアミロース含有量が増えてしまうそう。

ならば暖かくなることで本題でもある低アミロース状態が保たれた米となるわけですが、見た目では糯米のように白くなって見分けられるという説明がありました。おこわを食べている時のような香りすら起こる場合があるとも……品種としてスノーパール(含有率7~9%)、シルキーパール、彩(16~17%)、ミルキークイーンが挙げられています。

米は水を多く混ぜて炊くと柔らかくなりやすいという説明があり、そのため過剰に柔らかくならないよう、通常時より10~15%水を減らすことが必要であるようでした。

低アミロース米・応用編

低アミロースが向いた食べ物は、冷えた状態で食べがちな弁当、握り系、レトルト合わせメニューと紹介されています。

また古い米、ぱさついた米(おそらく炊き上げる前の状態)と混ぜて炊くと美味しくなり(底上げ効果)、普通に美味しいと感じる(おそらく低アミロースでない)品種に混ぜても旨さが増すとのこと(相乗?)。水を減らす目安は、低アミロースが全体の3割につき10%が良いそう。

無茶を言うつもりはないのですが一歩進めて、炊き終わって釜から取り出して、手を付けなくなりがちな米を美味しくできる方法まであれば非常に画期的なように思えます。

後記

小題目にも記載した糯/粳を見て、ハロ/ハワユみたいだなぁと思いました。

ご覧下さりありがとうございました。


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中村風景
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