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五音の物語

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創作物語収録所 それぞれの説明は以下(作り話・物語・一次創作、題名でシリーズ分類してあります)。 ・小ぎたない恋のはなし:小学生の頃に一緒に下校した少女の名前が思い出せない主人公…
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記事一覧

週末になるとすべてを恨む

週末になると世界の怒り、妬み、そういうのが降り積もり、仮想世界にいる僕の意識がぶっ押され…

中村風景
2週間前
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死んでも人生が終わるだけだと気がついた

太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第50話あの暗闇は俺にとって臨死体験だった…

中村風景
2か月前
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太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第39.9話 清楚な罪悪感

俺は急激に罪悪感に苛まれた。人を蹴り飛ばした記憶だ。 間違いなくカス以下の所業だった。何…

中村風景
2か月前

太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第39.8話 恋する純損益

浅荷はモールの暗いテナントにいた俺を引きずり出した。顔を見た。彼女は、明らかに走り回って…

中村風景
3か月前
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太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第39.7話 早すぎるPDCAは身を滅ぼす

高校デビューとか大学デビューみたいな言葉と俺は縁がない。デビューしようとする舞台が別にそ…

中村風景
3か月前

太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第39.6話

俺の頭の中にはカレンダーがある。なんか詩的なことを言っているわけじゃない。単に日付の把握…

中村風景
3か月前
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太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第39.5話 愛する無添加

恐ろしく面倒な……というか、俺だけに降り掛かった苦労や危険を乗り越え、元の場所に戻った時、そのすべてに感謝してしまうことはないだろうか? いわばそれが心理的な安全基地を再認識することだったのかもしれないが、じゃあ例えば俺やあなたが悪辣な上司に悪辣な命令を受け、いつ終わるかもわからないその地獄を乗り越えて家に帰り、SNSを開き(俺はSNSをいじらないので想像だ)、いつもの面子がアホみたいに馬鹿な書き込みを連発してたとして、その存在に感謝したりするんじゃないだろうか。 だって

太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第39.35話 ジンバブAからCOOOL. B

「きみたちは幽霊なのか?」 ぼくは暗闇の中にいるであろう2人の生命と思われる存在に訊いた…

中村風景
3か月前

太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第39.3話 まんぞく村

「わたくしに質問?生意気ながきね」 先ほどの落ち着いた声とは一転し、今度の声には鋭い響き…

中村風景
3か月前

太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第39.2話 小麦とメラ

闇が深くのしかかり、周囲は音すらも吸い込むような静けさに包まれている。ドアの隙間から差し…

中村風景
3か月前

太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第39.1話 首都等速運動

俺は浅荷と湖を見つめていたベンチを離れて、手洗いに行ってくると伝えた。 モールの至るとこ…

中村風景
3か月前

太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第39話 おま5×転3×打た取れ

浅荷と湖を見つめる静かな時間が、俺にとってはどこか居心地の悪いものに感じ始めていた。 俺…

中村風景
3か月前

太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第38話 しゃあないにぇ しゃあない…

コメディアンの儀式が何度も繰り返されていた理由がぼんやり見えてきた気がする。 あの映画を…

中村風景
3か月前

太陽に焼かれて殺されたダニの香りの芳香剤を売れ 第37話 余った時間でかに供養

死ぬほどジョーカーを見に行ったコメディアンの行動は、自分の感情を麻痺させるための「現実逃避」だったのだろうか。 いや……むしろ、彼がその悲惨な物語に繰り返し触れることで何を得たのか――に、焦点を当てなければ、俺は本質を見落としてしまう気がする。 あの映画はただの悲劇でも、逃避の道具でもない。むしろ、絶え間なく圧迫される社会の中で「自分を壊す」という行為を肯定する唯一の場所だ。 自分が破滅していく様を他人の視点で見つめ直すことで、あのコメディアンはおそらく「心の救済」を得