『恋できみが死なない理由』人間である自分はさみしいけれど、愛おしく感じられる【読書感想文】
最果タヒさんの作品にハマっている。
詩集を読んで、「なんだかわからないんだけれども、あぁ素敵だ」って思った。
少し棘のある言葉も、なんだか愛おしさの裏側みたいで、人間ってこうゆうことだよなって感じた。
『恋できみが死なない理由』は、エッセイ的な感じで、スルスルっと入ってきた。
言葉にすることのできなかった「あの違和感」を噛み砕いて書いてくれているみたいで、「自分以外にもそう思う人いるんだな」って安心した。
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心の中でいつも花火大会をやっていると書いているのをみて、なんだか救われた。
私も泣いたり怒ったり、笑ったり。感情の起伏が激しくて、毎日「疲れるなぁ」って思っているけれど、毎日ドンドン打ち上げているってことかぁ笑
この言葉もすごく好き。
すごく、すごくいいなって思うところがいっぱいあって、しかも息継ぎなしの長文で、書ききれない…!
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「愛」と「孤独」って、反対の場所にあるように思えていたんだけれども、タヒさんの言葉を読んでいると、なんだか背中合わせにいるみたいに感じる。
人間って、基本的に「愛されたい」って思っているよね。
でも、なかなか分かり合えないし、相思相愛になるって奇跡に近いことかも。
そもそも、人間は、すべてわかりあうことは不可能であるし、分かったからといって全てを許せるかと言ったらそうではない。
でも。タヒさんの言葉を読むと、「わからない」ことがあるのって、そんなに悪いことでもないのかもしれない、というのが伝わってくる。
個人個人が自分の「孤独」の部分を愛しているのって良いことだよね?
自分を大切にしないと、誰も彼もが同じになってしまう。
誰かを愛するときって、まずは自分が満たされていないといけない。自分から他者へ目を向けるためには、まず自分を知らなければならないし、自分を愛さないといけないんだよね。
自分を見つめるための手段として、孤独の中に入っていく。
孤独って、幸せを見つけるため(幸せをお裾分けするため)の近道なのかもなって、再確認。