序章:馬鹿だから詭弁に騙されるのではない
■詭弁研究の危険性について
■詭弁を研究して何になるのか?
■詭弁にも三分の理
■非合理なものへの恐れ
第一章:詭弁なしではいられない
■どちらかの味方になってしまう
反対尋問の名手として知られた米国の弁護士フランシス・ウェルマンは、対立する二つの立場があるとき、人間は概してそのどちらかに味方してしまう性向のあることを指摘している(『反対尋問の技術』1903年)。
■自分が正しいと思いこむ
■自分の銅像を建てたくなるわけ
第二章:曖昧さには罠がいっぱい/多義あるいは曖昧の詭弁
■本気らしさの欠如
■奇妙な例文
■これは詭弁か?
■小林秀雄、啖呵を切る
■不寛容の原理
■みだりに入ってはいけない
■三人はみんなか?
■曖昧は虚偽ではない
■えらいのはどっち
第三章:弱い敵を作り出す/藁人形攻撃
■相手の主張を歪曲する
■極論は弱い
■小説を作れば、柔道が強くなるか
■警戒すべき質問
■広いか狭いかは目的次第
■頭悪さゆえの悪意
■滑りやすい坂
■強くなった藁人形
■争点を変える
これは「オルグ」という言葉にこだわらなければ、実にまともなアドヴァイス。異常なのは、その「準備」の具体的内容だ。
■オリンピックと長生きは同レヴェル?
■弱いところを引用する
■詭弁は自制できるか?
第四章:論より人が気に喰わない/人に訴える議論
■いくつかの補足的説明
■人に訴える議論はなぜ詭弁なのか
■人と論とは切り離せない
■効果としての人に訴える議論
第五章:一を教えて十を誤らせる/性急な一般化
■なにをもって性急とするか
■偏見との結びつき
■この虚偽に危険性はあるか
■人を惑わせる鮮明さ
■偏った標本
あとがきにかえ/語学の達人に学べるか?