大人星人はどれなんだ!
子供の国。
「大変だ!
また大人星人が、
紛れ込んだらしい!」
「何だって!
あの大人星人が!」
「何回、
潜入されてんだよ…この国」
「僕たちの宝、
アンチエイジングの秘密を、
また狙ってるんだ!」
「すぐ見つけて、
追放しないと!」
「でもいつものように、
外見は完璧に偽装してるから、
見分けがつかないんだ」
「じゃあ、どうするの?
体臭対策もしてきてるとすると、
もう判別のしようがないわ!」
「あきめるな!
まだ手はある!」
「どんな?!」
「またみんなを、
大会議室に集めてくれ!」
「わかったわ」
大会議室。
「みんな…。
もう知ってるかもしれないが、
この中に大人星人が紛れ込んでいる」
ザワザワザワザワザワザワ
「でも、心配はいらない。
必ずやこの手で見つけ出して、
強制排除することを約束する!」
「でもどうやって?
この中に知らない顔はいないよ」
「子供に化けてるんだな?!
さてはお前だろ!」
「何だと!
そういうやつが、
一番、怪しんだぞ!」
「やめて!
言い争わないで!
それが大人星人の狙いでしょ?!」
「何だよ、まじめぶって!
仲間のふりをするお前こそ、
大人星人じゃないのか!?」
「何ですって!
私のどこが大人星人なのよ!」
「みんな!
落ち着いて!
大丈夫だから!
落ち着いて!」
「まず一旦、座って話そうか」
渋々、全員着席する。
(チッ!
このパターンはすでに学習済みか…。
前回のように座る時、
ドッコイしょうきちとは言わないのか。
甘く見てた…大人星人。
今回の大人星人は…手強い)
「ではここでみんなに問題です。
鎌倉幕府の創設は何年?」
「1185年」 「1185年」
「1185年」 「1185年」
「1185年」 「1185年」
「1185年」 「1185年」
「1185年」
(くそっ!
1192年って言えよ!
こんな小手先の技には、
もう引っかからないのか!
しかも今回の大人星人は、
かなり僕たちのことを学習してきてる!
ヤバいぞ…どうする…)
「ちょっと」
「ん?
どうした?」
「きっと今回の大人星人は、
私たちを研究してきてる」
「僕もそう思ってたところだ」
「だったら、体を使うってのはどう?」
「体を使う?
どうするんだ?」
「私に任せて!
じゃあ、みなさん、
このまま大ホールの方へ移動して下さい」
「一体、何を?」
「見てて」
大ホール。
「ではみなさん、
隣の人と少し離れて立って下さい。
今から簡単なステップをしてもらいます。
子供星人なら、
誰もが知ってるステップです。
ひとりずつだと前の人の演技を、
真似する可能性があるので、
全員一緒に行います。
いいですか?」
「は~い」 「は~い」 「は~い」
「は~い」 「は~い」 「は~い」
「は~い」 「は~い」 「は~い」
「なるほど。
身体能力で判断するのか。
これはいけるかも!」
「ではお題を発表します!
エアーウォークです!
知ってますよね?!
まるで足が宙に浮いているように、
見えるサイドステップです。
この前、みんなで練習して、
動画も上げたし大丈夫だよね?
準備はいい?
いくよ~?!」
「は~い」 「は~い」 「は~い」
「は~い」 「は~い」 「は~い」
「は~い」 「は~い」 「は~い」
「これはイケる!
これはやったことない人間には無理!
大人星人が例え知っていても、
やってる可能性は低い!
結構、難しいから、
足がついてこないはずだ!
これは絶対にボロを出す!!」
「じゃあ、音楽流すから…
テンポ合わせて~!
いくよ~!
ミュージックスタート!!」
♪ピンプネーム スリッグバッグ
♪ピンプネーム スリッグバッグ
♪ピンプネーム スリッグバッグ
「おい…
おいおい…これって…
みんな出来てるぞ!
どういうことだ!
大人星人はエアーウォークも、
練習してきたというのか!!」
「違うわ!
よく見て!
あそことあそこ!
あの二人は違う!!」
「どこが違うというんだ…
僕には分からないよ…」
「あれはエアーウォークじゃない!
あれは…
欽ちゃん走りよ!!」
「あれが伝説の!!」
「その二人捕まえて!!
大人星人よ!!」
「なんでこうなるの?!」
「なんでこうなるの?!」