見出し画像

骨盤底筋群の3つの問題と便秘

アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏 より


今回は、便秘の原因シリーズ9

便秘には以下のような原因があります。

【便秘の原因】
①食べ物
②胆汁の働き
③水分量のコントロール
④腸内細菌の働き
⑤腸の働きの問題
⑥骨盤底筋群の問題
⑦腰椎・骨盤・股関節の問題


今回は、

⑥骨盤底筋群の問題

についてお伝えいたします。


骨盤底筋群の3つの問題と便秘

① 柔軟性低下 or 選択的な収縮困難(緩められない)

② 筋力低下 

③ 腹圧のコントロールができない


1つずつ説明します。

① 柔軟性低下 or 選択的な収縮困難(緩められない)


骨盤底筋群の硬さは、便秘の1つの原因となります。

スクリーンショット 2020-07-07 午前11.42.23
骨盤底筋の硬さは便秘を作る

骨盤底筋群はいくつかの筋の総称ですが

これらの中の特に

恥骨直腸筋が収縮したまま硬くなる
(脱力できない状態)

になってしまうと直腸を締め上げてしまうので

ウンチが出にくくなります。

スクリーンショット 2020-07-10 午前9.48.55
恥骨直腸筋の収縮弛緩と便の動き

分かりやすいでしょこの図ww


その他にも

骨盤底筋群の脱力が困難な方は

ウンチの出口である肛門括約筋の脱力も

難しくなってしまって

ウンチが出にくくなってしまう場合もあります。

スクリーンショット 2020-07-10 午前9.24.44
骨盤底筋群と肛門括約筋

本来であれば、

骨盤底筋群と肛門括約筋は

別々に力を入れたり抜いたり(筋の収縮・弛緩)

できるのですが

それが難しくなってしまっている方は

これらのどちらとも力を抜くことが難しくなるため

ますます、ウンチが出にくくなります。



筋肉の力を抜くことができる!


便秘の方に限った話ではなくなってきますが

「目的に応じて脱力できる」

ことの重要性って、本当にありますよね!!!


3つの問題点の2つ目

②筋力低下

骨盤底筋群が筋力低下した場合でもウンチが上手に出せません。

ウンチを出すためにイキんだ際に

骨盤底筋群がしっかりと下から支えてあげないと

ウンチを出す力が、全部下に逃げてしまいます。

つまり、膀胱や子宮も一緒に下に押しすぎてしまうことになります。


これは、膀胱脱や子宮脱といって

ウンチを出そうとイキんだ際に

膀胱や子宮が外に出てしまうことです。

腹圧と〇〇脱

スクリーンショット 2020-07-10 午前10.29.22
腹圧と〇〇脱

こんな感じです。


骨盤底筋群による下からの支えがあった上で

しっかりとイキんで、腹圧を高め

ウンチだけを外に出すことが必要になりますね。

腹圧と骨盤底筋群のバランス

スクリーンショット 2020-07-10 午前10.34.46
腹圧と骨盤底筋群のバランス

イメージつきますか?


最後の1つは

③腹圧のコントロールができない


腹圧のコントロールは以下の4つがバランスよく働かないといけません。

・骨盤底筋群

・腹横筋(お腹周りの筋肉)

・横隔膜(胸の下の筋肉)

・多裂筋(背骨近くの筋肉)

これがしっかりしていないと、一生懸命イキんでも、お腹に力が入らず、ウンチが下に送られないということになります。

この腹圧の話を詳しくしだすと長くなってしまうので、また今度にしたいと思いますww



今回の内容をまとめると

便秘なしにウンチをスッキリ出すためには


①骨盤底筋群がしっかりと脱力できること

②骨盤底筋群の筋力が十分にあること

③腹圧のコントロールができること


骨盤底筋群の状態によって、対応が大きく変わることは、珍しくありません。


自分の骨盤底筋群の状態が分からないという方は、自己判断せず、骨盤底筋群の状態を評価してくれる理学療法士さんや看護師さんのいるクリニックなどに行かれることをお勧めします。


次回は、状況に応じた具体的な対応策をお伝えしたいと思います。


いやぁ、今回は、図を作るのに時間かかったなぁ苦笑。。。


最後までお読みいただきありがとうございました🍀

アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏
より
日本アレルギーリハビリテーション協会
アレルコア
 YouTube(アレリハちゃんねる)noteでは、アレルギー疾患や自律神経に対する理学療法についてお伝えしています。

アレルギーや自律神経に対するリハビリテーションの講習会情報につきましては、以下のHPをご覧ください。

無料のLINEチャットでは、自律神経についての情報発信をしています。
LINEオープンチャット「自律神経の知識箱🎁」


【今後の研修会予定】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『自律神経の評価と介入』in 大阪

 〜生理学から臨床まで〜
✅ 対面のセミナーになります ✅
 ※ アーカイブ配信予定あり
日時 2023年3月12日(日) 10:00〜16:00(昼90分休憩)
会場 大阪市西区(申込後に詳細をお伝えいたします)
講師 及川 文宏
詳細 こちら
申込 ↓↓↓

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[外部講師セミナー]

『皮膚から自律神経を整える』

〜皮膚刺激ツールで簡単ケア〜
✅ アーカイブ視聴:3月6日〜12日まで ✅
会場 zoom ※アーカイブ視聴も可能。
講師 山崎 瞬 先生 
・地域疼痛ケア協会 会長 ・仙台保健福祉専門学校 理学療法学科
※講演内容の詳細や講師紹介などはこちら

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

自律神経セラピストbasicコース実技コース

実技研修(対面) 第5期 in 東京 2023  第6期 in 大阪 2023
✅ 先着順となります ✅

※日程などの詳細は自律神経コースセミナーの概要に載っております。
※申込フォームは以下の方にのみ、メールにてお送りいたします。
 ・オンライン自律神経BASICを「受けたことのある方」
 ・オンライン自律神経BASIC①(①-1,①-2,①-3) 2023を受講予定で「申込を済ませている方」

✅ 申込を希望される方は当協会のメールへご連絡ください。

※オンライン (アーカイブ) 視聴による座学研修の詳細はコースセミナー案内よりご確認ください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

自律神経セラピストBasicコース

【オンライン全9講座まとめ申込】

自律神経セラピストBasicコースの全9つの座学講座をまとめ申込みが可能です。
全9回講座(90分 × 9回)
①-1「概論:自律神経の解剖・生理学」
①-2「自律神経を変化させる要因」
①-3「ストレスと自律神経」
②-1「血流(血管)と自律神経」
②-2「内臓と自律神経」
②-3「睡眠と自律神経」
③-1「神経・筋膜の機能解剖」
③-2「排便の運動学」
③-3「便秘の原因」

自律神経セラピストBasicコースの概要講座の内容につきましては、こちらからご確認ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下のような内容のマガジン特集をしています。
興味のある分野をフォローしてご覧ください🍀

マガジン特集


いいなと思ったら応援しよう!