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金子文恵 / 料理家
2022年4月18日 23:13
ひさしぶりのおとーさん日記。ひとり暮らしからグループホームへと生活のベースが移り、日々のお薬やゴミ捨て確認の電話、冷凍おかず作りがなくなり、コロナ禍中で外出・外泊禁止などのためすっかりおとーさんと過ごす時間がなくなって、関わりが薄くなってしまった。はっきり言って淋しい…ネタも少なくなり、書く気力がなかなかわかないのだ。とはいえ、毎日おとーさんとは電話でおしゃべりしている。前とは違うのは夜が
2021年2月11日 17:32
札幌でひとり暮らしをしている認知症の父と、東京でひとり暮らしをしているわたし。お互い基本的に食卓にはひとり分のごはんが並ぶ。離れていてもそこは同じシチュエーションなわけだ。わたしと同じようになんだか味気ないなぁ、つまんないなぁと父も感じているのではないかと思っていた。もともと炊事洗濯、そうじなど家事全般をこなしていた父が認知症になって、缶詰やカップ麺ばかり食べるようになった。ごはんとみそ汁、た
2021年2月13日 21:04
おとーさんは、甘いものが好きだ。お団子やべこもちはひとりの時も買い食いしているようだし(残っていたレシートで確認)、プリンやチーズケーキなどおいしそうに食べる。スーパーに行けばさつまいもやかぼちゃをカゴに入れ、コーラをチョイスする。でもわたしがこどもの頃は、おとーさんが甘いものを口にしているところは見たことがなかった。ジュースも飲まなければ、わたしたちのお誕生日のケーキもひと口付き合い程度に口
2021年11月21日 17:55
お薬確認も、生存確認ももう必要ないのだけれど、おとーさんの様子を知りたくて、毎朝電話をしている。朝は、比較的元気なことが多いおとーさん。ある日、そういえば着た切りスズメになりがちだったことを思い出し、遠隔で着替えをしてもらった。下着類はお風呂の時に着替えるんだけど、洋服はなかなか着替えないんだよね。おとーさんはブツブツ言いながらもちゃんと着替えをしてくれたみたい。朝ごはんのあとはすぐに部屋
2021年11月21日 17:54
グループホーム入居1週間した頃は、「帰りたい。ごはんがおいしく感じない。」毎日のように電話でそういうおとーさん。やることがなくて、寝るのも早そうだ。ある日の夕方電話をすると、「家のことが心配。散歩をしたい。ここにいると病人になったみたいで、どうしてここにいなくちゃならないのかと、自分を責めてしまう。週何日かここに厄介になるというのはダメなのか?もう限界だ、帰ると言おうと思う。帰る家はある
2021年11月21日 17:53
おとーさんのいない実家は、ガランとして淋しい。9時前に電話をしてみると、よく眠れてごはんもおいしく食べたそう。よかった。わたしの方が淋しがってるのかな。昼すぎに爪切りやカレンダーなど、きのう持って行き忘れたものをグループホームへ持っていった。おとーさんの好きな杏仁豆腐も届けたけれど、食べさせてくれたかなぁ?晩ごはんを食べ終わった頃にもう一度電話をしてみると、しきりに帰りたいと言うおとーさん
2021年11月21日 17:52
朝ごはんを食べながら、「きょうは何か予定あるのか?」と、いつものように言うおとーさん。「グループホームへ行くんだよ。妹Rちゃんが迎えに来てくれるよ。」と答えると、「どうしても行かなくちゃならないのか。」そうだよね、行きたくないよね。わかってるけれど…9時すぎにRちゃんと甥っ子Yがやってきて、いよいよ引越し開始。おとーさんは着替えた後の洋服を畳んで持っていこうとしている。こういうとこ
2021年11月21日 17:51
朝、握っておいたおにぎりを持って大倉山へ散歩へ行った。しばらくおとーさんと散歩に行けなくなると思うと、切なくなってややぎこちなくなる。しかしおとーさんは、そんなことはちーっともわかっていない(覚えてない)ので自然体だ。ゆっくりゆっくり歩いて到着。ひと休みしながらおにぎりを食べて、リフトでジャンプ台の上へ。「Rの家は、あっちの方だな。あれは、札幌ドームか。」などとおしゃべりしながら、しばし眺
2021年11月21日 17:47
あさってのグループホーム入所の前に必要なものを、妹Rちゃんと3人で買いに行く予定にしていた。その前にご飯を食べに行こうと言うことになり、おとーさんに希望を聞くと「寿司か鰻がいい。」と言うので、鰻を食べに行くことに。近所の名店はもう予約で埋まっていたから、懐かしのかど屋へ。こどもの頃はじめて鰻を食べに連れていってもらった店なのだ。そんな話をしながらみんなして欲張って中入れ重を頼んだ。おとーさん、
2021年11月11日 07:15
帰宅した翌日、起きてきたおとーさんに「おはよう。」と言うと、普通に「おはよう。」と返してきたおとーさん。あれれ?おとーさんの中では、ずっと一緒にいた感じになってるのかな?? ま、いっか。「おとーさん、髪の毛がぺったりしてるよ。シャワー入ったほうがいいんじゃない?」「そうか、入るか。」意外と素直にシャワーに入った。上がってきたおとーさんの髪の毛はホワホワでほっぺがピンク色になってなんだ
2021年10月11日 14:30
きょうは天気がよくて、暑いらしい。あさごはんの片付けが終わったおとーさんは、お薬もちゃんと飲んでいた。可燃ごみを捨てたか聞くと、まだだったらしく「いっぱいあるから、捨てに行ってくる。」「生ごみもね。排水口のゴミもネットごと捨ててね。」「はいはい、ちゃんと生ごみもちゃんと捨てるよ。はい、は1回でいい。」とひとりでノリツッコミをしてた。空港でPCR検査を受けられるように予約を入れていたの
2021年10月11日 14:28
おとーさんは、朝晩みそ汁を欠かさない。だから、みその消費量はハンパない。8kg仕込んだ手前みそが1年保たないくらい。(うちのは甘めのみそなので、たくさん使う)おとーさんのみそ汁は、じゃがいも・たまねぎ・にんじん・大根が定番で、ときどきキャベツや油揚げなど、3〜4種類の具をを組み合わせて入れて作る。乾燥わかめとかも用意しているのだけど、使わないんだよなぁ。昔はできたけど、認知症になってからアレ
2021年10月6日 09:44
わたしが東京に戻った翌日、7時前におとーさんから電話があった。トイレに起きたついでに、電話をくれたらしい。「無事着いたのか?」どうやらきのうまでわたしが一緒にいた記憶はあるらしい。もう起きるのかと聞いたら、もう少し横になっているという。おとーさんの場合、早寝遅起きが定番だものね。眠るのにも体力がいるというから、おとーさんは体力がある方なのだろう。ここのところ朝電話をしても朝ごはんを食べ終わ
2021年9月28日 06:59
10日の午後、おとーさんと妹Rちゃんと3人でグループホーム見学に出かけた。4年前に一度見学させてもらっているのだけれど、そのときに見せてもらった部屋とは反対側の端の部屋がおとーさんが入居する部屋だった。南向きで明るい。左手には藻岩山も見えるし、右手奥には山の緑も望める。10畳ほどある部屋の中には、お茶を淹れたり顔を洗ったりできるシンクと備え付けのクローゼット、トイレ、介護用のベッドが備わっている。