金子文恵 / 料理家

たのしかったり淋しかったり、仕事したり介護したり、なかなか忙しい50代“今はまだ”おひとりさま料理家。 自分のためにごはんを作るモチベーションを上げるべく6人の妄想彼氏エピソードを綴った『妄想彼氏料理帖」と、遠距離介護中の父とのエピソードを綴った『おとーさん日記』ほか。

金子文恵 / 料理家

たのしかったり淋しかったり、仕事したり介護したり、なかなか忙しい50代“今はまだ”おひとりさま料理家。 自分のためにごはんを作るモチベーションを上げるべく6人の妄想彼氏エピソードを綴った『妄想彼氏料理帖」と、遠距離介護中の父とのエピソードを綴った『おとーさん日記』ほか。

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  • おとーさん日記

    おとぼけさんになった父を遠距離介護中。 飲んべえ父娘の喜怒哀楽すったもんだのエピソード。

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    料理を作るモチベーションを上げるために作り出した6人の妄想彼氏との料理エピソード

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おとーさん日記 2023年春①

おとーさんはただいま(2023年3月下旬)入院中である。 毎日話していたのに、ここのところこちらから電話をしてもなかなか通じず、おとーさんからの電話を待つ日がつづいている。はっきり言って淋しい。 おとーさんが入院したのは、今から1ヶ月ほど前。 最近は運動不足を少しでも解消するために、毎日電話で廊下を3周(回廊式の建物なので)歩くよう声がけをしていた。 その日の夕方、夕食前に運動できるように電話をかけたのだけれど、横になっていたらしい。天気の話をしていて外を見ようと立ちあがろ

    • 「せつない…」 認知症おとーさん日記 Dec.22 2022 

      おとーさんがグループホームに入って1年4ヶ月ほど。 その間、コロナ禍のため当然できたはずの外出や外泊はおろか直接面接もいまだにできない状況がつづいてる。 そのあいだ電話は欠かさないようにして、運動不足になりがちなおとーさんに廊下を3周することを日課にするように声がけをしている毎日だ。 そしてことしも年の瀬がやってきた。 去年の年末はわたしがインフルエンザになって帰省できないことにして、ホームで年越しするようにおとーさん自ら言ってもらう作戦をとった。 ことしは秋ぐらいから

      • 重症筋無力症って知ってますか?手軽にたのしく作っておいしく食べるONLINE Lessonで病気の理解を深めよう

        だいぶ長い間お休みしていた公開のONLINE Lessonを再開します。 夏野菜がおいしくなりはじめる6月は、和定食がテーマ。 そして、みんながたのしめるユニバーサルメニューに初挑戦します。 今回は軽い嚥下障害があってもたのしめるメニュー❗️ 嚥下障害って特別なものじゃなくて、 わたしたちも体調によってかたいものが食べにくかったり、 飲み込みにくくなったりしますよね? みんなが同じものを一緒においしく食べられたら、 よりいっそう食卓がたのしくなるハズ❗️ 今回は重症筋

        • おとーさん日記 2022年4月 ネグリジェ着てるの!?

          ひさしぶりのおとーさん日記。 ひとり暮らしからグループホームへと生活のベースが移り、日々のお薬やゴミ捨て確認の電話、冷凍おかず作りがなくなり、コロナ禍中で外出・外泊禁止などのためすっかりおとーさんと過ごす時間がなくなって、関わりが薄くなってしまった。 はっきり言って淋しい…ネタも少なくなり、書く気力がなかなかわかないのだ。 とはいえ、毎日おとーさんとは電話でおしゃべりしている。前とは違うのは夜が多いということと、一回の電話が平均10分と長いこと。仕事前に電話をしていた朝の3

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        記事

          【妄想彼氏料理帖:新たまねぎポタージュの巻】旬の新たまねぎは甘さを活かしてシンプルに

          春は特に、近所の八百屋さんに買い物へ行くのがたのしい。山菜や色々な菜の花、豆類、新じゃがいもや新たまねぎ…ついついあれこれ買ってしまう。きょうもエコバッグいっぱいにして家路についた。家に着いて戦利品をキッチンの作業台に広げて、またにんまり。 「ご機嫌だね。」 カヲルくんにいきなり後ろから声をかけられて、飛び上がった。っていうか、ニヤニヤしてたのを見られてたとは、とほほだよ。 「うん、なんか春野菜を見るとうれしくなっちゃうんだよね。」 「へぇ、らしいね。」 くすり、と笑

          【妄想彼氏料理帖:新たまねぎポタージュの巻】旬の新たまねぎは甘さを活かしてシンプルに

          【妄想彼氏料理帖:ワラサのづけ茶漬け】残った刺身はどうしてる?食べたら「ほぅ…」っと思わずため息が出ちゃうそんな〆ごはん

          外は春の嵐が吹き荒れている。 「桜散っちゃうかな?」 「そうだな。名残になってくるだろうな。あした、花見がてら散歩に行こうか。」 辛めに仕上げた牛すじ煮込みを突きながら、マサフミさんが選んでくれた日本酒をぬる燗で飲む。2人で晩酌をしてゆっくり過ごす、こんな土曜日の夜が好きだなぁ。 「そろそろ飯にするか。」 お、待ってました。今夜の〆用にきのうの残りの刺身をづけにしていたんだ。冷やごはんにお湯をかけてほぐし、ザルにあげて水気を切ったら茶碗に入れる。わかめとづけにしたワラ

          【妄想彼氏料理帖:ワラサのづけ茶漬け】残った刺身はどうしてる?食べたら「ほぅ…」っと思わずため息が出ちゃうそんな〆ごはん

          親ごはんの会 Vol.2は、誰もが気になるお金の問題について

          今回のトピックはズバリお金問題。 切実なことだから、みなさん興味深々なのではないかと思います。 介護にかかる費用はもちろん、親の資産で介護をまかなうために負担を軽減させるにはどのような制度があるのか、などをご自身もご両親の介護をなさっているファイナンシャルプランナーの方にお話をお聞きする予定です。 お申し込みは、こちら 親ごはんの会ってどんなもの? 知りたい方は、こちら 気になる方は、お気軽にご参加くださいね。

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          なにしろ親のことが気になるもので

          介護している方はもちろん、介護とまではいかなくてもそろそろ親のことが心配になってきたわって方、意外とわたしの周りに多いのです。まあ、そんなお年頃ってことでしょうねぇ。 わたしが認知症の父の介護をはじめることになったときは、そりゃあもう知らないことばかりで、てんやわんやの大騒ぎでした。それでもなんとか介護をスタートさせて今に至っているのは、ひとえに経験者の方々に片っ端から相談できたから。ほんとうにそれがなかったから、どうなっていたことか…とゾッとします。 介護って、みんなわ

          なにしろ親のことが気になるもので

          【妄想彼氏料理帖:新わかめとワラサのしゃぶしゃぶの巻】今が旬!新わかめはまずしゃぶしゃぶで食べよう。

          「なんか春って、食べたいもの満載なんだよね〜」 なんて、どの季節でもそうなんだけれど、とにかく春はウキウキしちゃうものが多い。きょうも毎年たのしみにしている鳥羽の新わかめが届いて、水洗いしている間もふんふん鼻歌が出ちゃうくらいご機嫌さんなわたし。 「わー!なにこれ!!」 「わかめだよ。」 キッチンに入ってきたユヅルくんに生わかめを持ち上げて広げて見せたら、目を丸くして驚いてる。 そうなんだ、ほんとうに大きいんだよね。わたしの身長よりも大きいものだってざらにある。でも、こ

          【妄想彼氏料理帖:新わかめとワラサのしゃぶしゃぶの巻】今が旬!新わかめはまずしゃぶしゃぶで食べよう。

          認知症おとーさん日記 Late-Aug. 2021

          お薬確認も、生存確認ももう必要ないのだけれど、おとーさんの様子を知りたくて、毎朝電話をしている。朝は、比較的元気なことが多いおとーさん。 ある日、そういえば着た切りスズメになりがちだったことを思い出し、遠隔で着替えをしてもらった。下着類はお風呂の時に着替えるんだけど、洋服はなかなか着替えないんだよね。おとーさんはブツブツ言いながらもちゃんと着替えをしてくれたみたい。 朝ごはんのあとはすぐに部屋に戻っているらしいのだけれど、たまにラウンジでみんなでテレビ体操をしたりもしてい

          認知症おとーさん日記 Late-Aug. 2021

          認知症おとーさん日記 Mid-Aug. 2021

          グループホーム入居1週間した頃は、 「帰りたい。ごはんがおいしく感じない。」 毎日のように電話でそういうおとーさん。やることがなくて、寝るのも早そうだ。 ある日の夕方電話をすると、 「家のことが心配。散歩をしたい。ここにいると病人になったみたいで、どうしてここにいなくちゃならないのかと、自分を責めてしまう。週何日かここに厄介になるというのはダメなのか?もう限界だ、帰ると言おうと思う。帰る家はあるんだ、税金だってちゃんと払っているんだから、帰るのがダメだとか人に言われる筋合い

          認知症おとーさん日記 Mid-Aug. 2021

          認知症おとーさん日記 Aug.3〜4 2021

          おとーさんのいない実家は、ガランとして淋しい。9時前に電話をしてみると、よく眠れてごはんもおいしく食べたそう。よかった。わたしの方が淋しがってるのかな。 昼すぎに爪切りやカレンダーなど、きのう持って行き忘れたものをグループホームへ持っていった。おとーさんの好きな杏仁豆腐も届けたけれど、食べさせてくれたかなぁ? 晩ごはんを食べ終わった頃にもう一度電話をしてみると、しきりに帰りたいと言うおとーさん。 「家で文恵の作ったおかずを食べたい。」 って言われると、泣けてくる。 転居

          認知症おとーさん日記 Aug.3〜4 2021

          認知症おとーさん日記 Aug.2 2021

          朝ごはんを食べながら、 「きょうは何か予定あるのか?」 と、いつものように言うおとーさん。 「グループホームへ行くんだよ。妹Rちゃんが迎えに来てくれるよ。」 と答えると、 「どうしても行かなくちゃならないのか。」 そうだよね、行きたくないよね。わかってるけれど… 9時すぎにRちゃんと甥っ子Yがやってきて、いよいよ引越し開始。おとーさんは着替えた後の洋服を畳んで持っていこうとしている。こういうところ、ちゃんとしてるよね。 入所するにあたり、おとーさんと手伝いで中に入る私たち

          認知症おとーさん日記 Aug.2 2021

          認知症おとーさん日記 Aug.1 2021

          朝、握っておいたおにぎりを持って大倉山へ散歩へ行った。しばらくおとーさんと散歩に行けなくなると思うと、切なくなってややぎこちなくなる。しかしおとーさんは、そんなことはちーっともわかっていない(覚えてない)ので自然体だ。ゆっくりゆっくり歩いて到着。 ひと休みしながらおにぎりを食べて、リフトでジャンプ台の上へ。 「Rの家は、あっちの方だな。あれは、札幌ドームか。」 などとおしゃべりしながら、しばし眺望をたのしんだ。 「今度は、夜景がきれいな時間に来よう。」 そう約束したけれど、

          認知症おとーさん日記 Aug.1 2021

          認知症おとーさん日記 Jul.31 2021

          あさってのグループホーム入所の前に必要なものを、妹Rちゃんと3人で買いに行く予定にしていた。その前にご飯を食べに行こうと言うことになり、おとーさんに希望を聞くと「寿司か鰻がいい。」と言うので、鰻を食べに行くことに。近所の名店はもう予約で埋まっていたから、懐かしのかど屋へ。こどもの頃はじめて鰻を食べに連れていってもらった店なのだ。 そんな話をしながらみんなして欲張って中入れ重を頼んだ。おとーさん、うれしそうに頬張っていたんだけれど、ボリュームありすぎて3人ともちょっと気持ちが

          認知症おとーさん日記 Jul.31 2021

          認知症おとーさん日記 28〜30 Jul. 2021

          帰宅した翌日、起きてきたおとーさんに 「おはよう。」 と言うと、普通に 「おはよう。」 と返してきたおとーさん。あれれ?おとーさんの中では、ずっと一緒にいた感じになってるのかな?? ま、いっか。 「おとーさん、髪の毛がぺったりしてるよ。シャワー入ったほうがいいんじゃない?」 「そうか、入るか。」 意外と素直にシャワーに入った。上がってきたおとーさんの髪の毛はホワホワでほっぺがピンク色になってなんだかかわいい。 朝ごはんを食べながら、 「天気がいいから散歩に行こう。大通公園が

          認知症おとーさん日記 28〜30 Jul. 2021