【読書】誰かの理想を生きられはしない /吉野靫さん
LGBTという言葉が広がるにつれ、
トランスジェンダーという言葉も
かなり認知されてきている気がします。
「生まれ持った「身体の性」と
自分が認識する「心の性」が
一致していない人のこと」
などと説明されるトランスジェンダー。
こちらの本を書かれたのは、
ご自身もトランスジェンダーであり、
性別適合手術の失敗で病院との裁判なども
ご経験されている吉野靫(ヨシノユギ)さん。
本作が、ご自身の経験や長年にわたる
当事者の方々への聞き取りを元に書かれた
初の単行本です。
「戸籍の性別を変更するためには、
現行の法律では手術が必須」などの
知識は、当事者として生きていないと
なかなか知る機会がありません。
しかし、今この瞬間も、
誰かを傷つけている法律や
仕組みがあることを、丁寧に、
そして切実に伝えて下さっています。
さらに、本の帯に
「本当の男女を追求する必要なんてない」
と書かれているように、
「自身の身体、そして人生を懸けてまで
世間の眼差しに合わせた人生を
歩む必要があるのか?」と、
今を生きる人、そしてこれから
生まれてくる人に問いかけています。
ジェンダーの問題に興味がある方は
もちろん、一人でも多くの方に読んで
いただきたい魂の一冊でした。
***
ー 響いたフレーズ ー
生まれながらの「女性」「男性」に
体を近似させ、そう扱われるように
演出することは、本当は誰の願いなのか。
あるべきはずだと思い描いている体は、
誰の体なのか。
***
ー 今日のごほうび ー
寒い冬に食べたいチョコといえば、
温めて食べるフォンダンショコラ。
フォークでつつくと
トローッと出てくるチョコレートが
どうしても食べたくなったので、
東京・吉祥寺にある
プレスキル ショコラトリーさんに
行ってきました!
日本最古のワイナリーが
プロデュースされているというこちらの
お店では、赤ワインを使った
フォンダンショコラなど、
魅力的なスイーツがいっぱい。
今回はグレナダ産のカカオを使用した
プレーン味をいただいたのですが、
濃厚で上品なチョコレートに
心も身体も満たされました。。
次にお邪魔した際には、
赤ワイン味にトライしてみたいと
思います♪
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『誰かの理想を生きられはしない
とり残された者のためのトランスジェンダー史』
著者: 吉野靫 さん
出版社: 青土社
装幀:今垣知沙子 さん
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