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2021年9月の記事一覧
ルビンシュタイン・テイビ症候群(指定難病102)
ルビンシュタイン・テイビ症候群は生まれつき、幅広い拇指趾や精神運動発達遅滞、特徴的な顔立ちなどを主症状とし、全身の様々な臓器に合併症を有する先天異常症候群の1つ。日本では1-2万出生に1人程度の頻度で生まれると考えられている。本邦で年間50~100人前後の出生数があると予測されるが、実際には診断されていない方(特に成人)は少なくないと思われる。人種や性別の差によって発症頻度の違いはないといわれ、世
もっとみる腸管神経節細胞僅少症(指定難病101)
消化管は口から肛門に至るまで、食道に始まり胃、小腸や大腸等と色々な臓器が連続してできている。そして、食べた物を消化して吸収する働きをしている。小腸や大腸の蠕動運動というのは消化から吸収、排泄までの大事な働きをしているが、実はこの運動にはすべて腸の神経節細胞(神経節にある神経細胞)が関わっている。腸(大腸と小腸)の神経細胞は約1億個あり、脳の次に神経細胞の多い臓器である。そして、この神経細胞が減った
もっとみる巨大膀胱短小結腸腸管蠕動不全症(指定難病100)
腸管(消化管)の大事な働きは、口から食べたものを消化・吸収することである。そして消化・吸収するためには食べたものを口から胃、十二指腸、小腸や大腸まで運んでいかなければならない。腸には消化・吸収に加えて食べたものを運ぶ働きがある。そして最後は吸収しきれずに残ったものを便として体外に排出する。他にも食べ物と一緒に飲み込んだ空気やおなかの中で発生したガスも体外に運び出す。そのような自立的な腸管の動きのこ
もっとみる慢性特発性偽性腸閉塞症(指定難病99)
慢性特発性偽性腸閉塞症」とは食事の通る入り口である食道から胃、小腸・大腸などの消化管の動きが悪くなり食べた食事を消化管の中で輸送できなくなる原因不明の病気。消化管の動きが弱くなるために腸は拡張し、吐き気や腹痛などの症状がある。ひどくなると食事を実際に吐いてしまったりするので食事ができにくくなり痩せてしまう。成人例での調査では我が国に1100人程度の患者がいることが調べられている。この病気の原因はよ
もっとみる新生児-乳児食物蛋白誘発胃腸炎(指定難病98)
新生児-乳児食物蛋白誘発胃腸炎とは新生児期、乳児期に、ミルク、母乳をはじめとする原因となる食物をとりはじめてから、何度も吐く、血便が出る、体重が増えなくなる、下痢が長くつづくなどの症状が出る病気。以前はほとんど知られていなかった病気だが、西暦2000年前後から急に増えてきた。診断がむつかしいので、なかなか原因がこの病気だと分からないことも多いのが現状。医学会で正式につけられた病名は、“新生児-乳児
もっとみる好酸球性消化管疾患(指定難病98)
好酸球性消化管疾患とは食物などが抗原となってアレルギー反応がおこり好酸球というアレルギー性の炎症をおこす白血球が消化管に非常に多く集まり慢性的に炎症を起こすため、その部分で胃腸の正常な機能が障害される疾患。好酸球性消化管疾患と総称するが、炎症が起こる部位によって主に好酸球性食道炎と好酸球性胃腸炎に分かれる。好酸球性食道炎は欧米に多く、欧米では10,000人に5人ほどの患者がいるが、国内では成人の患
もっとみる潰瘍性大腸炎(指定難病97)
安倍晋三総理大臣が罹患されている事でご存知の方も多いかもしれませんね。潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患。特徴的な症状としては、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛。病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がる。この病気は病変の拡がりや経過などにより以下のように分類される。1)病変の拡がりによる分
もっとみるクローン病(指定難病96)
大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)という。クローン病もこの炎症性腸疾患のひとつで、1932年にニューヨークのマウントサイナイ病院の内科医クローン先生らによって限局性回腸炎としてはじめて報告された病気。クローン病は主として若年者にみられ、口腔にはじまり肛門にいたるまでの消化管のどの部位
もっとみる自己免疫性肝炎(指定難病95)
自己免疫性肝炎(じこめんえきせいかんえん)は多くの場合には慢性に経過する肝炎で、肝細胞が障害される。血液検査では肝臓の細胞が破壊される程度を表すASTやALTが上昇する。自己免疫性肝炎が発病するのには免疫の異常が関係していると考えられている。中年以降の女性に好発することが特徴。原因がはっきりしている肝炎ウイルス、アルコール、薬物による肝障害、および他の自己免疫疾患による肝障害を除外して診断づる。ま
もっとみる原発性硬化性胆管炎(指定難病94)
食物の消化や吸収に関わる胆汁は、肝臓で1日あたり約1リットル生成されて胆管という管に排泄される。胆汁は肝臓内の細い胆管を経て空腹時に胆嚢で濃縮されたのち,食事(食物摂取)による胆嚢収縮によって太い胆管を経て十二指腸内に排泄される。胆管が障害されると胆汁の流れが悪くなり黄疸が起こることがある。原発性硬化性胆管炎(げんぱつせいこうかせいたんかんえん)はその胆管が障害されて胆管が狭くなり、胆汁の流れが滞
もっとみる原発性胆汁性胆管炎(指定難病93)
肝臓は「人体の工場」といわれるほどいろいろな働きをしているが、その中の一つに胆汁という消化液をつくるという働きがある。胆汁は肝臓の中の肝細胞という細胞によってつくられたあと胆管を通り、いったん胆嚢で蓄えられた後十二指腸に流れこむ。原発性胆汁性胆管炎(げんぱつせいたんじゅうせいたんかんえん)という病気は、肝臓の中のとても細い胆管が壊れる病気。英語ではPrimary Biliary Cholangit
もっとみる特発性門脈圧亢進症(指定難病92)
特発性門脈圧亢進症とは肝臓や門脈(小腸からの栄養分を多く含む肝臓に流入する血管)に特別な病変が存在しないにもかかわらず、門脈の圧が上昇し食道静脈瘤が発生したり、脾臓の腫大、貧血等の症状を呈する疾患のこと。年間有病者数は640~1,070人程度であり、このうち約18%が年間の新発生患者数である。本邦においては人口100万人当たり7.3人の有病率であろうと推定されている。欧米より日本にやや多い傾向があ
もっとみるバッド・キアリ症候群(指定難病91)
バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群とは肝臓から流れ出る血液を運ぶ肝静脈か、あるいはその先の心臓へと連なっている肝部下大静脈の閉塞ないしは狭窄によって、肝臓から出る血液の流れが悪くなり、門脈の圧が上昇し、門脈圧亢進症等の症状を示す疾患をいう。年間約300人前後の人がこの病気で病院に通院あるいは入院している。また、人口100万人当たり2.4人の有病率であろうと推定されている。男性にやや多く
もっとみる網膜色素変性症(指定難病90)
網膜色素変性症は目の内側にあってデジタルカメラでいえばCCDセンサーやCMOSセンターに相当する網膜という部分に異常をきたす遺伝性、進行性の病気。網膜は光を神経の信号に変える働きをする。そしてこの信号は視神経から脳へ伝達され、私たちは光を感じることができる。網膜には色々な細胞が存在していてそれぞれが大切な働きをしているが、網膜色素変性症ではこの中の視細胞という細胞が最初に障害される。視細胞は目に入
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