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私の 新しい「謎解き」

 2016年に 私は 小川洋子さんの「博士の愛した数式」を読んでいる。  私はいつも本を選ぶ時は 無意識に「題名」で選ぶようだ。誰でもそうであるように、読みたい気持ちに駆られることが基準になっている。古典は別として「題名」が私と言う読者の想像力を駆り立てる時、必ずその本を 購入している。

 そんなことで、読書年歴の浅い私では あるけれど、敢て言わせてもらうとすれば、宮下奈都さんは 題名をつけるのが とても上手なのでは?と思う。 「窓の向こうの ガーシュイン」「たったそれだけ」「誰かが足りない」「田舎の紳士服店モデルの妻」等、題名が とても「詩的」「ミステリアス」なのだ。そして その作品は それぞれ決して題名を裏切らない内容で楽しませてもらった。中でも「羊と鋼の森」は 充分どっしりとした手ごたえがあった。それと言うのも恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を偶然合わせ読み「ピアニスト」とそれを支える「調律師」の関係が とても 面白く納得できたから…

 そんなこんなで、今、小川洋子さんにはまりかけている。「博士が愛した数式」も、とても興味湧く題名だったから 読んでみたのだけれど、この本も決して私の興味を裏切らなかったし、 尚且つ「素数」や「数式」という私には縁遠いと思われた「数」の概念に興味を抱いた。そして、あれから5年経って、偶然付けたテレビに ドラマ化された「博士が愛した数式」を見た時、再び 小川洋子さんの作品を読んでみようと思った。

そして、さっそくAmazonで本を購入して、選んだのが「薬指の標本」と「六角形の小部屋」だ。なんとも奇妙な中身。小川洋子さんの作品には「消滅していく」なにかが描かれている。 それを これから探りたい。私の 新しい謎解きが 始まった。

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