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さまよう朝ごはん。

#20240930-470

2024年9月30日(月)
 ここ数日、またノコ(娘小5)が朝食を食べなくなった。

 食事、就寝を無理強いしても仕方がないと思っている。
 「食べなかったら」「寝なかったら」と子どものお楽しみを制限したり、取り上げたりするのはよくないことも知っている。
 食べること、寝ることは生活、いや生きることの基本だ。
 それが嫌いになったら生きにくくなってしまう。
 食事も就寝もそれぞれのペースがあり、タイミングがあり、量があり、好みがあり、他者がそれらをコントロールすることはできない。

 そう思って、ノコにまかせていたら、朝食を食べずに登校する日が続いた。
 小学校でお腹が空いて困ったら食べるようになるだろうと様子を見ていたら、怒って帰宅した。
 「先生にお腹空いたっていったら、給食まで我慢しなさいっていった。ひどくない?」
 いや、幼稚園や保育園じゃないんだ。先生だってそういうだろう。そもそも幼稚園や保育園でも対応してくれないかもしれない。
 「お腹空き過ぎて、気持ち悪くなった。サイテー!」
 おにぎりや携帯食を持たせていいものか、悩ましい。

しばらく、むーくん(夫)は私のそのやり方を見守っていたがしびれを切らした。
 「こっちで生活リズムを整えてやんないと、ありゃ、いつまで経っても無理だぞ」

 やり方を変えてみるのも手だ。
 私1人が子育ての采配を振るう決まりはない。私のやり方でよいサイクルができないのなら、夫のやり方を試す。試行錯誤は大事だ。
 食事中、すぐフラフラと席を立ってしまうノコにむーくんはキッチンタイマーを渡した。
 「20分間、とにかく歩かないで集中して食べてみろ
 目下、ノコの朝食はヨーグルトにバナナ4切れを入れてはちみつをかけたもの、お餅1枚に砂糖醤油をつけて海苔を巻いたもの、牛乳でとく粉末麦芽飲料のミロ1杯だ。
 その時々、主食はノコの希望に沿ってお餅、食パン、ミニクロワッサン、おにぎり、焼きおにぎりと変遷している。とにかく「ノコが食べるのなら」と応じてきた。
 「20分で食べ切れなかったら、過ぎた分だけTVテレビの時間を減らすからな」
 なんだか罰のようで気が引ける。
 だが、もし食べ切れたらご褒美としてTVの時間を増やすとしたら、これまた心配事が増える。ノコは嚥下能力が少し弱い。あまり急ぐと飲み込めず、吐いてしまう。
 早く食べる日は10分かからず食べるため、20分というのは長からず短からずなかなか妥当なところだ。

 このやり方で数ヶ月うまく朝食完食が続いた。
 朝食をしっかり食べると、一日のはじまりがスムーズにいく。
 歯みがきや洗顔といった身支度に向かいやすい。学習塾の宿題である3分で解く計算問題も朝のうちに済ませることもできる。
 ノコによかれと思って、ノコのペースに合わせていたが、どうやら夫がするように親側でペースを作ったほうがノコの場合はよいようだ。

 2学期がはじまって、もうすぐ1ヶ月。
 学校のある生活リズムに慣れてきたかと思いきや、ノコがまた朝食を残すようになった。
 「ママママ、ママママ、パパにはいわないで」
 涙目になりながら、ノコは朝食を口に詰め込む。そんなふうに食事をしてほしくない。
 「お願いします!」
 フローリングにずさっとノコが土下座する。大袈裟に見えるが、これは漫画の真似だ。
 「今日だけよ」
 今日だけでは済まないとわかっていてもついいってしまう。

 翌朝。
 ノコの登校後、朝食の後片付けをしていたら、生ゴミ入れにお餅が入っていた。
 ――やられた。
 先刻、完食を喜んだばかりだった。
 今回は生ゴミ入れに捨てたからいいものの、あまり強くいって食べ切れなかった朝食を隠すようになっても困る。
 ――難しいなぁ。
 むーくんに相談すると、朝から餅は重いのではないか、という。パンやコーンフレークのほうがいいのではないか。正直、私も朝から餅は食べられない。ノコの希望でそうしていたが、もう少し軽いものに変えようか。
 量としては、ノコの朝食はそんなに多くない。
 無理なく、昼まで空腹にならないよう、本人がわからないのなら、まわりが考えるしかない。

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森谷はち🐝里母&子育て&読み聞かせ
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