【読書感想文】『人新世の「資本論」』
(このnoteは2分で読めます。約2,300文字)
『はたらく哲学「キャリアと人生戦略」【佐藤優×北野唯我】後篇』というNEWSPICKSの番組で、佐藤優さんが『人新世の「資本論」』という書籍をオススメしていました。
SDGsや脱炭素が叫ばれている現代において、その批判をしています。そして、マルクスの思想からその対策を導き出そうとするのが本書の試みです。
このnoteでは、斎藤 幸平さんの『人新世の「資本論」』についての読書感想を書きます。内容の要約でなく、あくまで私の感想ですのでご了承ください。主観的な感想も多くございますので皆さまの広いお心で読んでいただけますと幸いです。
【総評】
オススメ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆
【対象とされる読者層】
・経営者
・SGDsや脱炭素などに取り組んでいる方
・ビジネスパーソン全般
正直、私にとっては難しい本でした。マルクスの思想を元に脱成長の必要性を訴えている本書ですが、そもそもマルクス主義をあまり理解できていない私には本書で記載されている議論に追いつくことに必死で深い理解はまだできていません。2,3回読むことでやっと筆者の言っていることが理解できる気がします。
✅1、総評
1ー1、私にとっては難しい書籍
本書は2021年新書大賞に輝き、既に45万部を突破しているようです。45万人の方が本書を読んでいるのは本当にすごいことだと思います。その一方で、どれだけの方が本書の内容をちゃんと理解できているのかは気になるところです。
本書はマルクスの思想について、それを知らない方によっても大枠が理解できるように説明されています。それゆえに、大学等でマスクスについて勉強したことがない私にとっては情報量が大変多く、頭がパンクしそうになりました。
1回読んで、なんとなく理解した気ではいますが、もう一度読み直したいと思います。多くの方にとっても一度で理解するのは難しい本なのではないかと思います。
1ー2、SGDsや脱炭素などに取り組んでいる方は読んでおいた方がいい
なんとなく理解した気になっている私が言うのは恐縮ですが、SGDsや脱炭素などに取り組んでいる方は本書を読んだ方がいいと思います。本書序盤では、資本主義である限りSDGsなどの取り組みはあまり意味がないという主張がなされます。
その内容に関しては、納得感があるものが多いです。SDGsなどの取り組みはそれ単体で聞くととても良いものに見えますが、資本主義の構造とセットで見てみると、結局は途上国などのグローバル・サウスに環境負荷を押し付けているに過ぎない、などの議論は一読する価値があります。
こういった批判があることを理解する上でSDGsなどの取り組みを見直すことは有意義です。
1-3、『3.5%の人々』への訴えかけ
本書の最後『おわりにー歴史を終わらせないために』に筆者の想いが詰まっているように感じました。
✅2、印象に残った内容と感想
2-1、第一章 気候変動と帝国的生活様式
第一章では『グローバル・サウス』をキーワードにして、私たちの現代の生活様式(本書では『帝国的生活様式』)は結局のところ、その不可を『グローバル・サウス』と呼ばれるグローバル化によって被害を受ける領域並びにその住民に押し付けているに過ぎないということが説明されます。
お恥ずかしい話、『グローバル・サウス』という言葉を本書を読んで初めて知りました。そして、資本主義下での私たちの生活は、『グローバル・サウス』に対して負荷を転嫁しているに過ぎないという説明は衝撃的でした。
SGDsなどの取り組みも視野を広げると『グローバル・サウス』に負荷を転嫁しているだけではないか、という部分はビジネスパーソン全般知っておいて損はないと思います。
2-2、晩年のマルクスの思想
資本主義の限界への対応策を晩年のマルクスの思想から見出している本書ですが、そもそも、マルクスの思想をちゃんと理解していない私にとって晩年のマルクスの思想と言われてもチンプンカンプンでした。
2-3、第ハ章 気候正義という「梃子」
資本主義の限界への具体的な対応策の例が第八章では記述されています。
国家が押し付ける新自由主義的な政策に反旗を翻す革新的な地方自治体を指す言葉として『フィアレス・シティ』というキーワードが出てきます。
そして、具体的な対応策として『フィアレス・シティ』の1つであるバルセロナ市政の取り組みが紹介されます。そもそも、こういったことをしていることすら知らなかったので勉強になりました。
✅3、書籍紹介
※冒頭部分に記載した内容を再掲します。
【総評】
オススメ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆
【対象とされる読者層】
・経営者
・SGDsや脱炭素などに取り組んでいる方
・ビジネスパーソン全般
正直、私にとっては難しい本でした。マルクスの思想を元に脱成長の必要性を訴えている本書ですが、そもそもマルクス主義をあまり理解できていない私には本書で記載されている議論に追いつくことに必死で深い理解はまだできていません。2,3回読むことでやっと筆者の言っていることが理解できる気がします。
過去の読書感想文はマガジンでまとめております。ぜひ読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。