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【和訳】 露の崩壊を狙う欧米の嘘の帝国。その④

過去3回の投稿(1回目2回目3回目)で、露安全保障会議のパトルシェフ書記のインタビューを紹介してきた。今回はこの話題の最終回。ちなみに今までの回でも当方の独断と偏見でパート分けしているので、悪しからず(元々はQ&Aしかない)。
インタビューの終盤というのもあり、パトルシェフ氏からのストレートな表現も多い。これ以上前置きは不要だろうから、早速本題。 

露主権の復活

質問:ルーブルの主権を確保するためにどうすべきか?
回答:如何なる国家金融システムであれ主権確保のためには、米ドルへの縛りをなくし、本質的な価値と物価の安定を保つ力がないといけない。今、学会から提案された貨幣制度の二重(回路)化の検討を、専門省庁が進めている。これは具体的に、ルーブルの実価値を金と特定商品群に紐づけた形で、つまり二側面で評価するという考え方だ。
質問:このようなアイデアは過去にあり、専門家から経済理論に反していると言われてきたのでは?
回答:経済理論に反しているのではなく、欧米の経済学教科書の教えに沿っていないだけだ。欧米は傲慢に、唯一無二の正しい社会のあるべき構造を提唱していると何十年にも亘りこの状況を利用し続けてきている。我が国において1990年代実施されたショック改革も米の厳格な指示通りに行われた。当時現われた実業家たちの、我が国の特徴を考慮せず、市場メカニズムに偏った物差しはまさにリスク要因なのだ。
我々は市場経済そのものを否定しておらず、世界のサプライチェーンへの参画もし続けると考えているが、欧米は自らの利益のみを優先して他国と協力することも明確に認識している。従って、露経済安全保障にとっての最重要条件は、露の国内潜在力、現代のテクノロジーを基にした国家経済の構造改革なのだ。
質問:この取り組みの進捗は?再び輸入品の置き換えは良くうたわれているが、明確か進展は見えていないのは?
回答:目標の設定と方向性は間違っていない、従って我々が今後も取組を継続する。一方、専門省庁を含め、計画、規律の遵守を大幅に改善させないといけない。輸入品の(国産品への)置き換え(=自給率向上)に関する大統領の指示は全て期限内に履行されていれば、今我々が直面している課題の多くを回避出来ていた。
例えば、サンクトペテルブルクに高品質インスリンの生産工場立ち上げに当時、複数の省庁が反対した。今はこの工場が立派な企業に成長し、包装を除いて完全国産の医薬品を生産している。しかし、例えば食品メーカーに言わせると、包装材ですら国産でないといけない。当然、大きな成果も出ている。主に防衛産業用製品を生産するロステック(Ростех)辺りは、国内生産拡大による輸入への依存度低下の優秀事例の一つだ。
他にもある。国家安全保障会議の食料安全ドクトリンのお蔭で、戦略的食料品の特定と緻密な計算を実施し自給率の向上が進んでいる。これは、我が国が20世紀全体に亘り達成出来なかった偉大な功績なのだ。欧米が人工的に引き落としている全世界規模での食糧難の責任を露に転嫁しようとしている彼らの試みは間違いなく失敗で終わるだろう。
我々は国産ハイテク製品のポートフォリオを拡大しなければならない。開発から生産への速やかな移行も重要だ。今後我々は、研究開発人財を今まで以上に厳選し、そしてこの様な人財の活動をより厳しく評価していく。科学研究は我が国の発展をけん引する力になる必要がある。我々は、制裁措置によって発生した問題を全て解決できると確信している。
露は既に、欧州市場からアフリカ、アジアそして南米史上へと方向展開しつつある。今の環境を踏まえて、今後我々にとって重要性が益々高まるEAEUを最優先に考える。そして、総勢35億の人口を持つBRICSおよびSCO諸国との協力も強化している。

アイデンティティの重要性

質問:科学研究への注力と同時に、高等(大学以上)および一般(高校までの)教育も再構築すべきでは?
回答:私は、我が国民の共通目標、ビジョン、我々の精神的として歴史的アイデンティティの深さについて社会全体が統一した認識を持たない限り国家の発展を成し得ないと確信している。よって、露国民一人ひとりが、なぜ我々は国民として存在し、一致団結して努力し続けるのかを幼少期から理解しなければいけない。欧米は、世界人口の大幅な削減を意味する『黄金の一億』を目指し、様々な非人道的な手段を行使してきている。そしてこれを実現すべく、露を始めとする全ての『不要国家』の屈辱と消滅をミッションとした『嘘の帝国』を作り出した。我々の顔に唾を吐き、それを『神のつゆ』と主張している。ワシントンとブリュッセルは、経済制裁は我が国を経済的貧困化のみならず、我が国民の精神的な疲弊も狙っていることを最早隠そうともしていない。所謂プログレッシブな教育モデルの押し付けによる我々の既存教育システムの破壊は彼らにとってNATOの拡大同等の戦略的重要性を持つ。
彼らの教育は、内容的に全くプログレッシブ(進歩的)ではない。例えば米では、算数問題や方式を解くと誰かの差別や劣等感を感じさせることになるからといって数学の授業では歌ったり踊ったりすることになっていると言われている。我々はその様な「進歩」を望んでいない。今の状況下、露の精神、道徳的価値観を守り、歴史的に有効性を示してきた露風教育システムの復活が求められることはより明白になっている。私は、ソ連の教育は当時、世界一先進的な教育だったと今でも確信しており、これを念頭に前進すべきと考えている。
質問:具体的にどうすべきなのか?
回答:単にテスト用紙にレ点を付けるのではなく、論理的思考力、持続的知識と判断力の育成が求められる
更に、基礎科学の応用を加速する必要がある。インターネットは百科事典の様な情報源としてだけでなく、政治的偽情報の発信源になりうるため、教育のデジタル化に頼りすぎることは極めて危険だ。全ての基礎となるのは、個人の知的、精神的資質の養育だ。心身共に育成され、祖国の歴史と文化を理解している子供たちは我が国の最高の富であり、我が国の発展を確実する鍵だ。我々今日、その子供たちが将来暮らす豊かな国を作るために努めている。

以上

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