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【子育て】良かれと思ってやっているその声かけ、個性をつぶしている!?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
「子育て」のあり方が変わり始めています。
 
AIの登場、偏差値教育の限界、ネット社会隆盛の今、求められるスキルの変化……など、あらゆる要因で変わり始めているなかで、注目されている1つが、
 
わが子の「才能」や「個性」を輝かせる子育てです。
 
ただ、わが子の「才能」や「個性」を輝かせるために、良かれと思ってやっている声かけや関係づくりが、輝かせるどころか、つぶしている可能性があると警鐘を鳴らすメンタルドクターがいます。
 
メンタルドクター・辻秀一先生です。
 
辻先生は、個人や組織の活動やパフォーマンスを最適・最大化する心の状態「Flow」を生み出すため、独自理論「辻メソッド」で非認知スキルのメンタルトレーニングを展開。クライアントは産業医として企業はもちろん、オリンピアンやプロアスリート、音楽家・芸術家、経営者など多数。近年は、教育界でも学校や保護者、先生方への講演やトレーニングを行なっている、日本で随一のメンタルトレーニングドクターとして知られています。
 
人間の「才能」や「個性」は、何かと比較したり、点数で競争するものではありません。
 
ところが、多くの親子が他者との比較や競争で計るような声かけや関係づくりに陥り、結果、わが子の個性をつぶす結果になっているケースが多く散見される、辻先生は言います。
 
では、わが子の個性をつぶさず、輝かせるためには、親としてどのような意識をもって、わが子との関係を築き、声かけやコミュニケーションをとればいいのか?
 
辻先生の専門である心理学をベースに、その具体的な思考法と実践法をわかりやすく解説した新刊『メンタルドクターが教える 個性を輝かせる子育て、つぶす子育て』が8月12日に発売されました。

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そこで今回はこのnoteで特別に、同書「はじめに」「目次」を全文公開します。

はじめに──子育ては、脳と人を育てること

「子育てが単純ではない」理由

 子どもを育てるのは、生命あるものすべてにとっての大切な宿命と言ってもいいでしょう。
 どんな動物も、生まれたばかりの子どもは生きる力が弱いので、この自然界、あるいは社会の中で生命維持ができるようになるための「お手伝い」が子育て、ということです。すなわち、それは生命体として生き残るという「種の保存の法則」でもあり、種としての義務でもあるのでしょう。
 つまり、子育ては、生命が生き残っていくための大事な行為であり、プロセスなのです。
 ところが、人間は複雑です。
 動物なら生命維持のためだけに主眼を置いた生きる力を育てればいいのですが、人間は文明を発達させて、生命維持よりも別の違うことを考えて生きていけるように進化してきたので、子育ても単純ではなくなりました。その分、子育ても複雑になったのだと考えられます。
 生きる以上のさまざまなものを生み出し、それに加えて、さまざまな価値を生じさせた進化を生み出した張本人こそが「脳の進化」です。
 人間は、脳が他の動物よりも桁けた外はずれに進化してきた生き物です。こうして、今私の本を読むことができるのも、携帯電話をいじることができるのも、まわりを見渡してこの社会で生きるのも全部、人間固有の脳のなせる業なのです。
 ただ生きるだけでいい、種の保存ができればいい動物よりも、脳が進化した分、人間は生きることが複雑になっているというわけです。それにより、子育ても単純ではなくなっていると言えるでしょう。

子育てに必要なのは、ヒューマンリテラシー

 子育てを考えるとき、この進化した人間の脳の仕組みを知らないがゆえに、多くの大人がさまざまな困難にぶつかってしまいます。
 逆に言えば、人の仕組み、すなわちヒューマンリテラシーを高めることこそが、より良い子育てのヒントにつながります。
 親も子どもも人間で、この進化した脳を有する生命体です。
 この人間や脳に関するリテラシーが低いために、私たち人間はさまざまな問題を引き起こしていると言っても過言ではありません。
 車を運転するためには教習所に行って、車と交通のリテラシーを学び高めておかないと、事故を起こしてしまいます。デジタルの世の中になり、デジタルのリテラシー、すなわち、その分野における仕組みに対する知識やそれを活用するための能力を有していないと、デジタル関係のことで困ったり、騙だまされたり、失敗してしまうでしょう。
 だからこそ、時代ごとにさまざまな分野においてリテラシーを高める学びが必要なのです。
 ところが、多くの人が、肝心要の人間、すなわち脳の仕組みを学ぶ機会を喪失したまま大人になり、社会に出て、親になってしまいます。
 子育てのためには、人の仕組み、すなわち脳を理解し、ヒューマンリテラシーを高めることが何よりも大切です。
 子どもも人間として育ち、人間がつくる学校や社会の中に進んでいき、そこで人間たちと触れ合って生きていきます。何よりも、子育てをする親も人間であり、人間としての脳の仕組みを搭載して、子どもと向き合っています。
 私自身も、産業医として、スポーツメンタルドクターとして、一般の人たちより脳科学や心理学の知見はあったものの、子育ての道中で、本書で皆さんにお伝えする、人間の仕組み、脳の働きを学び、リテラシーを高めていきました。それが、とても役に立ったと体験上でも断言できます。
 今回、私の専門知識や実際の子育て体験から整理しまとめた人間の脳の仕組みを知ることで、多くの人が直面する子育ての悩みや問題を解決することができたり、それにより、より良い子育てにつなげられるのではと思い、本書を執筆しました。

子育てとは「脳育て」

 人間の仕組みや脳の話を大上段に構えてしまうと、ビビッてしまうかもしれませんが、日常や社会で生き抜く上で少し知っているだけで対処できることはたくさんあります。
「子育て」とは、子どもがこの社会で生きていくための「脳育て」とも言えます。
 脳というと、勉強や学歴などを安易に想像してしまいますが、まったく違います。その人らしさも、その子どもの人格も、その子の思考も、すべてはその子の脳の中にあります。一方、その子どもを育てる大人である親や保護者たちも、その親や大人や保護者たちに脳育てをしてもらって、今の自分があります。
 私の専門は脳科学ではなく、パフォーマンスにつなげるための応用スポーツ心理学なので、本書では、あくまでも「生きる」というパフォーマンスをしていく上で、最低限度知っておきたい脳の仕組みをお伝えします。
 動物は、自然界で生き残るための生きる力を身に付けるまで子育てをします。一方、私たち人間は、脳の発達した人間が生み出した社会の中でこそ生き残るために必要な脳を育むよう子育てをしないといけません。
 子育てに必要な人間の脳の仕組みを知ることは、そんなに難しいことではありません。車はつくれなくても、事故を起こすことなく運転できるくらいの知識です。
 そもそも人間は、夜は寝るという仕組みを知っているから、夜寝ている子どもや大人を見ても文句を言ったり、不思議に思う人はいません。それと同じです。
 人、すなわち脳の仕組みを最低限度に知って、子育て、ひいては子育てを通じて親が自らの自分育てを続けてほしいと願っています。
 子育てはそんなに多くありませんが、人間として生きることはずーっと続く脳作業です。子育てを通じて自らを含む人育て、つまり脳との付き合い方を学んでいくわけです。
 では、人について、そして脳について知っていく旅を始めてまいりましょう。

個性を輝かせる子育て、つぶす子育て◎目次

はじめに──子育ては、脳と人を育てること

第1章 子どもは親の所有物ではない

◎「親の期待」という檻の中に、わが子を入れていないか?
◎子どもは、親と同じ人間であり、別人格である
◎なぜ子どもにイライラしてしまうのか?
◎あらためて問い直す「子育ての主役って誰?」
◎わが子の個性や才能をつぶしていないか?
◎親の価値観で、子どもを判断してない?
◎子どもを待ってあげられるか?

第2章 子育てはマーケティングか? アートか?

◎子どもの個性は、アート作品だ!
◎私自身、どうやって育てられたのか?
◎わが家の娘たちをどう育てたか?
◎超一流たちは、どうやって育ったのか?
◎これからの時代に、求められる人財とは?
◎既存の成功と勝利至上主義から脱却しよう
◎自分の価値に気づける2つの目標を持つ
◎学校教育に出始めた、新しい胎動
◎親は子の「何」に責任を持つべき?

第3章 子育ての目的を考える

◎なぜ子育てをするのか?
◎「目標」で子どもを育てていないか?
◎「比較する」という病に陥ってないか?
◎「子どもの権利条約」を忘れてはいけない
◎あなたは、親にどう育てられたかった?
◎感情豊かな人間に育てたいなら
◎創造性の芽を生み出すのは、学校か、家庭か
◎なぜ「非認知性」を育てたほうがいいのか?
◎「バイブレイン」な人づくりを目指そう
◎夫婦関係の機嫌次第で、子どもの育ち方は変わる

第4章 親の声かけは、心がけの表れ

◎「心がけ」を見直さないと変わらない
◎「やり方」より「あり方」
◎ごきげん家族にある会話
◎個性をつぶさない、叱り方の極意
◎ほめるより大事なこと
◎機嫌良く生きることが親の務め
◎親もわかってほしい
【コラム】SC軽井沢クラブの試み

第5章 子どもの自己存在感を育む

◎「自己肯定感」を上げようとしてはいけない
◎成功の向こうに子どもの自分らしさはない
◎子どもの自己存在感は、親から始まる
◎心を育てるのではなく、脳を育てる
【コラム】DISPOの活動

第6章 お父さんは娘になぜ嫌われるのか?

◎理解に全力を注いでいるか?
◎アドバイス親父は嫌われる
◎「普通」と「常識」の押し付けにご用心
◎上質な親子関係とは?

〈著者プロフィール〉
辻 秀一(つじ・しゅういち)

スポーツドクター。メンタルコーチ。産業医。株式会社エミネクロス代表取締役。
1961年東京都生まれ。北海道大学医学部卒業。慶應義塾大学スポーツ医学研究センターでスポーツ医学を学ぶ。1999年、QOL向上のための活動実践の場として、株式会社エミネクロスを設立。応用スポーツ心理学をベースに、個人や組織の活動やパフォーマンスを最適・最大化する心の状態「Flow」を生み出すため、独自理論「辻メソッド」で非認知スキルのメンタルトレーニングを展開。クライアントは産業医として企業はもちろん、オリンピアンやプロアスリート、音楽家・芸術家、経営者など多数。教育界でも学校や保護者、先生方への講演やトレーニングを行なっている。また、子どものごきげんマインドを育む「ごきげん授業」を日本のトップアスリートと展開する「Dialogue Sports研究所」の代表理事を務める。著書に『スラムダンク勝利学』『ゾーンに入る技術』『禅脳思考』『自己肯定感ハラスメント』『自分を「ごきげん」にする方法』他多数。

いかがでしたか?
 
本書の中でも触れているのですが、本書でお伝えしている「親としての姿勢」は、大谷翔平さんや藤井聡太さんのご両親の姿勢に共通するものがあります。
 
わが子の個性や才能を輝かせるために、親がやるべきことは何か? どのような親子関係を築けばいいのか?
 
ノウハウだけにとどまらず、日常の意識や接し方から変われる子育ての重要エッセンスが学べる1冊です。
 
各項目のラストには、親として意識しておきたい「キーワード」と、個性を輝かせる「声かけサンプル」もついています。
 
また、著者の次女で、現在、クリエイティブディレクターとして活躍中の辻愛沙子さんへの特別インタビュー記事を【読者限定特典】としてご用意しました。

「娘から見た、辻家の子育て」の証言としても楽しめる内容になっています。興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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